鐘の音を ずっと 探している
チリン チリン チリ チリン
小走り しながら
明るい 空の 方を 見上げながら
歩幅を 変えてみながら
どこで なっているかを 探している
クリスマスに 買ってきた
ティンカーベルの 優しい 音色
どこか 小走りの 音が なっている ようで
どこかの 日陰に 薄っすらと
影を 浮かばせながら
それでいて 白い 雪の 季節に
きれいな 音色を 響かせている
チリン チリン チリ チリン
首輪の 代わりに つけた
ティンカーベルに 導かれ ながら
あたりを ずっと 探している
或いは 天使が ずっと
白い 犬を 呼んでいる 優しい 声の ように
陽の光の 向こうに 見つけた
どこかの 入口は きっと
そこから 光が 溢れて
そこから たくさんの 天使が 音を立て
舞い降りてきた
そして 鏡の 前で
ようやく 首に かかった ティンカーベルを
見つけると
両足で 背伸びを しながら 日の明かりに
手を伸ばして
鏡の 前の 白い 犬の 姿に
微笑みながら ティンカーベルの ありかを 見つける
毎年 この季節が 来ると
白い犬と ティンカーベルが 廊下で 鳴り響き
鏡の 奥に 広がる
光の ありかと ティンカーベルに 導かれた
白い 子犬が はしゃいで そこから 天使が たくさん
降りてくる あの廊下が 君を 忘れないでと
光を 放つ
嵐が来ようとも
君が 風の 中
どこかで 飛ばした 紙ヒコーキ
どこまで 飛んでいくかも 大事だけれど
誰かに 伝えたい メッセージ書いて 飛ばした
このまま 先で いきられるのか?
何年 先で 出会うべき 仲間を
僕らに 答えを 風の 中では
教えて くれない だけど 探さなくちゃいけない
大事に してるものを 探して 見よう
ノートに 書いた 思いを 読み返して 見よう
忘れかけた 夢を なぞった ペンを もう一度
誰かに みせて 見るのさ
嵐が 来ようとも
向こうに 見える 日差しが 見たいのさ
向かい風が 強くて 喉を 込み上げそうに なっても
君が 綴った 夢は 無限大
なくさないで いてほしい
限界だって 思っても また 立ち上がり
ペンで 思いを 描いて 見よう
君の ノートに 書かれた 夢は 無限大
誰かに 思いを 分けてみよう
まだ 残っている 情熱が あるなら
誰かに 伝える 無限大
嵐が来ようとも 次の日 きっと
差し込む 光が あるから
終わりにしよう
天使たちは 緑の 丘を 越えて
君と であった 昔の 草原に 座って
昨日見た 夢さえも 冷めきらないうちに
朝になる 毎日を 飛び立った
これで 終わりにしよう
永遠など ないから
もう 二度とは 君に 言えなかった 言葉を
伝える 事は できないから
すべてを 空へと
君と 出会う前の 幼い 日々に 戻って
楽園に やがて 雨が降り
すべてが 色を 取り戻したなら
君と 二人 いつかの 場所で 夢を 語った
あの日から 祈りを 忘れた 日々に
忘れた 言葉を 思い出して 歌を 歌おう
これからは 幻に 溶け込んだ 風景を
胸に 刻んだ 追憶の 中に 密かに 立ち尽くす
迷宮の 奥で 優しく 微笑む 君の 手を引いて
忘却の 森から 朝日が 登り
すべてを 洗い 流す 太陽に 向かって 飛び立つ
これで 終わりにしよう 楽園は なくとも
壊れゆくまで 泣いた 日々を 終わりにしよう
これまでずっと
これまでずっと 長い雨が 降り続く
どれだけの 泥濘の 中で
僕らは もがき つづけたろう?
あんなに 寒い 夜の 向こうに、
かけがえのないもの 探して いただけなのに
消えては 蘇る 君の 声が
遠くの 街へ 去りゆく 風の ように
憧れた ものも 手のひらから
熱を 放って 空へと
消えていく ぬくもりが 少し 寂しくて
これまでずっと どこまでも 影が 伸びて
追いかけられない 未来を 見つめながら
背負ってきた ものすべてを ここに 置いて
明日から 新しい 風が 吹くなんて
簡単には 割り切れない ことばかり
いきてた 時間 思い切り 描いた 夢が
また 誰かが ガラクタへと 変えていく けれど
昨日まで かがやいた 呼吸も 糸が もつれて
夢くずへ 消えていく 英雄が 夢の 後先
変えられないものは とりあえず 残して
譲れない ものは 大事に 取って
それでも 邪魔な ものから 逃れられない
焦りだけが 目の前を 空回り していく
それでも 君を 呼んでいる
これまでずっと 探していたものを 頼りに
飛べない 羽を ばたつかせ
いつか乗る 風に 向かって
朝日の温もり
眠れる 虎で いたら 良かった。
君との 関係が ここまで
捻れる ことなく 何も 気づかずに
寝息を 立てるかの ように
これから 起きる
嵐の 不安でさえ 動じない ような
荒々しくも どことなく 気品を 感じる
これから 始まる
まるで 天と地が 分かれて 争うような
激動の 時代も 別に 暮もせず
眠っている かのような
これから 蠢く 激動の 時代さえ
関係 ないかの ような
朝日の ぬくもりを 知っていて
朝日の ぬくもりを 懐かしがって
朝日の ぬくもりを ずっと どこかで 探していて
あなたが そばで その寝息を 起こさぬ ようにと
これから 割れる 空の 境目に
君は 少し 朝日の 温もりの 残った
虎の 寝床で 細い目を しながら
これから 始まる 雌雄を 分けた 動乱の 時代を
臆する ことなく 蔑する ことなく
動じる ことなく 忘れる ことなく
或るいは これからに 備えてか
これから 始まる 時代に 震えてる
今日さえ 過ぎゆく
明日から わからぬ 懈怠が 訪れ ようとも
刮目する この虎が 見開く 眼は
これから 天を 上り詰める
曇天を 駆け抜ける その龍の 駆け抜ける
速さを 追いかけて 咆哮する
息吹が 再び 鼓動が 再び
点睛が 再び 昇天 始める 前の
静けさに 眠る 虎の ように
なりたいと 願いを かけて
ただ 朝ぼらけ 君の いた 夏の 露草を
思い出しながら また かも眠 時を 過ごしている