優しい陽の明かりと頬杖

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6/1/2024, 2:01:11 AM

無垢


何も 穢のない
どこまでも 透明な
あの人の 声が 今も 去来する

この部屋は なんて
僕を 中心として
殺風景に できているだろう

優しさを 忘れて しまうほど
荒涼と していて 僕を 消耗させていく

それでも 日が差し込んだ
南向きの この部屋に
君と あの 思い出の 中を
無邪気に 走り 廻る
あの 健気な 陽の光で できた
影を 僕は 見つめる

誰か この部屋から
僕を 連れ出して くれる だろうか?
 
君は 何処から 舞い降りた
優しさの 透明な 羽を つけているのだろう?

僕の 汚れた 両腕と その背中には
つくことのない 光に 満ちた

そして 光の 粒で できた
慈愛の 雨は 優しく 今日も

虚無感で 駆られた 焦燥を
優しく 溶かしていく

誰かが 君を いつか
必要と するとき
この雨は 無垢な 輝きを 放って

寂しさに 満ちた この 世界に 降り注ぐ
音のない 優しい 雨となって

また 誰かに 羽をつけさせる

5/30/2024, 10:24:19 AM

終わりなき旅



向こうに 見える あの 街の 明かりは
誰が 昔に 灯火を ともした

あの 夢は 壊れて 
情熱を なくした けれど

それでも 再び 鼓動が 呼び覚ます ものは

体温の 感じる 人々は 昨日から

この窓の 向こうに 見える 世界を

見上げては 果てない 空を 見上げる

誰か 私に
誰か あなたに
希望という 光を

何度でも 雨が 降りしきる 街を 
僕らは 遠くから 見上げ ながら
世界に 一つ 輝く コインを 投げたいと
思ったのです

あれは 昨夜に
なくした 空を 何度でも 変えたいと
願うのが 生きる意味を 知ることと

なくした ものを 
ひとつ ひとつ また 作り出し
なくした 数よりも
生まれる ものを 頼りと したのです

街の 明かりは 消えず
私が 眠っている ときでさえ
瞬きを ともしては
明日への 鼓動へ 変える

息が 詰まる ときでさえ
誰かは 光を ともして
街へと 生きる

それが
わかるまで
時間が かかる けれど 
また いくつもの 願いを
また いくつもの 希望を
人は 街の 明かりに 生きて 灯す 

終わらない旅よ
旅人よ 
幾千年の 向こうより 
君の 創造が 息吹となって
また 瓦礫より 明かりを 作る

糧を 植えれば やがて
雨降りの 向こうに 光の 差し込む そらが 開く

5/29/2024, 11:34:43 AM

ごめんね


深い 森へと 迷いこんだ
きりの 中へと 足を 踏み入れて しまった
君は 美しい 笑顔で 大丈夫と 言うけど
実に 深く 汚れて しまった
もう 前にみたいには 飛べそうもない

羽は 破れて ただ 広い 空を
見上げる ばかりだ
どこまでも 薄情な 流れる 雲は
私を 忘れて しまっているかの ようだ

あれから どれくらいの 月日が
流れたろう? 
君と いれた あの場所は
気の遠く なるくらい
私を 忘れて いるかの ようで

昔 柔らかだった 私の 感性は 
今は 淀んで しまっていて
すっかり 年月も 過ぎ去って しまったようだ


「ごめんね」私の 頭越しに
君の まだ 綺麗な しなやかな 声が 響く

僕は 暫く ここから 帰れるか 途方に くれた
どうしようもなく 白い 雲が そそくさと
流れていく あれから 月日が 過ぎ去り
僕を 忘れて しまったようで

君は あと どれくらい 僕に 
話かけて くれるの だろう
ドライフラワーの ように 萎んだ 神経を
僕は 前の ようには いかないと
叫んでは 泣いている
ひしゃげた 時は 無情に 蒼い 空の 色を している

あと どれくらい 君と 語らい あいながら
この空の 広さを 前に
君の 言葉を ずっと 広い空を 前に
聞いているのだろう?

薄情な 空は 答えを 今は 言わない
きっと この 孤独が やがて
訪れる 君の 別れを 包みこもうと するぐらい
静かな 空を 眺めている 
途方もなく 広々とした 世界の隅で

5/28/2024, 4:14:07 PM

半袖

水しぶき はしゃぎながら サンダルを 脱いで
どこまで 行けるか 僕を 試す 
遠くの 街が 向こう岸に 見えて
僕は いつかは 彼方へ 行くと 言うよ

君は 僕を 幼いと 言うけれど 
それでも 君と 生まれた ときから 一緒だった 
あぁ 悪戯な その瞳の奥に 僕が 映るのは
何度目 青春の メモリー

夏の 気配が もうすぐ 君を
遠くから 来る 風が 教えて くれる
君の 半袖の Tシャツに
真夏の スコールが 反射して

星を 見ながら 君を 見つめて どこまで 行こう?
遠くまで 遠くまで どこまで 行こう?
星空が 落ちてくる 前に 君が 不意に
この夏は 君の そばで 風を 受けたいと
ウィンクしながら そっと 微笑んだ

君を 隣に 君が 愛した
星空が 見える 丘で
これから 二人 夜空の 向こう
ため息も 混じって 呼吸が 痛むよ

あぁ それでも 僕らは もうすぐ
夏の 気配に 溶け込んで いくよ
SHEINのTシャツ 半袖の Venus
もうすぐ 君と 遠くまで 行けるから

5/25/2024, 7:15:35 PM


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