優しい陽の明かりと頬杖

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無垢


何も 穢のない
どこまでも 透明な
あの人の 声が 今も 去来する

この部屋は なんて
僕を 中心として
殺風景に できているだろう

優しさを 忘れて しまうほど
荒涼と していて 僕を 消耗させていく

それでも 日が差し込んだ
南向きの この部屋に
君と あの 思い出の 中を
無邪気に 走り 廻る
あの 健気な 陽の光で できた
影を 僕は 見つめる

誰か この部屋から
僕を 連れ出して くれる だろうか?
 
君は 何処から 舞い降りた
優しさの 透明な 羽を つけているのだろう?

僕の 汚れた 両腕と その背中には
つくことのない 光に 満ちた

そして 光の 粒で できた
慈愛の 雨は 優しく 今日も

虚無感で 駆られた 焦燥を
優しく 溶かしていく

誰かが 君を いつか
必要と するとき
この雨は 無垢な 輝きを 放って

寂しさに 満ちた この 世界に 降り注ぐ
音のない 優しい 雨となって

また 誰かに 羽をつけさせる

6/1/2024, 2:01:11 AM