あなたがいたから私は今生きている。
そういえばあなたは満足?
貴族に買われた。あぁもうここから先は長くないとしみじみ感じ取れる場所だった。
私は奴隷であなたのペット。
あなたは貴族で私の飼い主。
表向きでは、紳士的で奴隷にも優しく寛大な御方というレッテルをはっているが、裏では残虐性のある怪物と呼ばれている御方だ。
正直に言うと、どん底に落ちた怪物だ。
人を痛ぶり、殺す。最底辺のクズだ。
でも気にいられてしまった。そんなクズに。
最悪で、今までにない嫌悪感を抱いた。
肉の塊になったメイド。焼き尽くされた執事。
どれも見たことがある。
私は焼き尽くされたい。あなたに私の死に顔なんて見られたくない。
でも死ねない。あなたの特別だから。
そしてあなたはいつも言う。
「お前は俺がいなかったらもうとっくに灰と化してるな。」
私は決意した。
私は貴方がいるから灰と化す。
鮮やかな紅に包まれ私は灰となり散った。
溺水症
この星が魔力にみなぎったの頃からある難病。発症条件は己より強大な魔力にさらされ続けること。
僕は有名な魔術学校を主席で合格した。
魔法医学、魔法植物学、魔法呪術学、基礎魔法学、魔法戦闘学。全ての科目が他の人と比べ1段階レベルが高かった。
そんな僕についたあだ名が怪物。尊敬と憎みでつけられた名だ。
ある日のことだった。
あれ、、おかしい足が動かない。めまいがする、、
バタンッ
意識が途切れた。
病名は溺水症。
僕は自分の魔力に負けた。
特別なケースだった。自分の魔力に見合わない体なんてこの世に生まれ落ちない。みんな魔力に見合う体をしている。
僕の力はじゃあ一体何なのだ、
11年後
僕は目を覚ました。
一生目が覚めないと言われているのに。
医術者に言われた。僕は絶句した。
僕の正体は強力な魔法石を埋め込まれた魔物だった。
今までの積み重ねできたものが全て割れる音がした。
全て失われた未来の時間。過去の時間。
僕は人間じゃなかった。ましてや魔力も偽物だった。
僕はこれからいきていけるのか。
僕にとって失われた時間がどれほど大きなものか。
みんなは知らない。
そして今未来を切られる。
さようなら
ザシュッ
僕は魔物、いや怪物として処刑された。
あなたはいいの子供のままで
そう母上に言われながら今日もかわいい洋服を着る。
ピンクのフリフリ、大きなリボン、カールのかかった金髪。
クローゼットは私の部屋よりでかくて、1日の9割母上と一緒に過ごす。
こんな生活が楽しかったのは12歳までだった。
足が大きくなって靴が入らなくなった。背が伸びてフリフリを着こなせなくなった。
そこからだ母が急変したのは。
「最近靴が入らなくなったわねぇ。おいでなさいマーリー」
バキッ
ツツ
足の指をおられた。
「あら身長が伸びたわねマーリー。後でお母さんの部屋に来なさい」
ジャキンッ
イヤァッ
足の骨の1部が取り除かれた。
母は涙一滴も流さずこう言う
あなたはいいの子供のままで、
私は窮屈な服を身にまとい、子供のまま永遠の眠りにつく。
西暦2112年
身体老化防止薬 通称不死身薬が発明された。
適任テストで満点を取得された者のみ投薬できる。
この大発明は1人の少年の生きる意味を探すために始まったものであった。
血の繋がっている他人に殴られては、頬を腫らしていた。
「このクソ野郎がッ」
バコッ
床に落ちるのは、透明な液体ではなく紅い液体のみ。
僕はいつからこんなに痣だらけだっただろうか。
そんなことを心に浮かべながら人生15度目の春がすぎた。
「すみませーん。早瀬さんのご自宅でお間違いないでしょうか。」
初めて見る紺色を基調とした服に書かれたPOLISという文字。
『 はい、、』
「僕、何年生?」
『 ???』
「何歳かわかる?」
『 15さい、』
「学校は行ってるかい?」
『 がっこう、、』
「行ってないんか、、」
『 親どこにいる?』
「くらくなるまでかえってこない。」
『 そっかぁ。』
『 ほなまた来るな、!』
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
「早瀬さーん、いらっしゃいますかー!」
「チッなんだよこんな遅くに はーい、」
「すみませんいきなり訪問させてもらって」
「ほんとよ!!夜の何時だと思ってるの??!」
「ですが、、署までご同行願います。」
「はぁあ?何よ急に?」
「あなたには児童虐待の罪が掛けられています。お子様はどちらに?」
「子供なんかいないわ、、」
「そうですか。昼訪れた時はいたんですけどね。」
「チッ」
午前2時逮捕
僕は施設に入れられた。教育面もサポートしてくれる施設で数多くの科学者が、毎年5回程度訪問しに来る。
僕は周りの子達と違って、年は大きいくせに全く勉強が分からない問題児だった。
孤立し始めた頃だろうか。先生にあったのは。
「おや、君初めて見る顔やなぁ。名前は?」
『 はやせみなとです。』
「へぇ、君さ。不死身っていうテーマに興味無い?」
『 ふじみ?』
「不死身っていうのはね、撃たれても斬られても死なない人の事を指す言葉だよ。」
『 不死身ってたのしいの?ボクきられたら、しにたいっておもうよ。しなないんじゃなくて、しねないんじゃない?』
「ハハッ いい君素晴らしい。ぜひ僕の研究チームに入って欲しい。」
『 なんでもいいよ。ボクねがいとか、いきるいみ?とかよくわかんないから』
「交渉成立だ。」
それから先生と僕は研究に没頭した。
なんで先生は不死身のためにこんなに頑張れるのか僕は常に疑問を抱いていた。
『 先生はなんでこんなに頑張れるの?』
「うーん。内緒。この研究が完成したら話したげる。」
2年の歳月がたった頃だ。
不死身薬が完成した。
「やっと完成した!!」
『 うん。やった。』
「湊。相談があるんだか。」
『 ?』
「この薬お前が飲め。」
『 ヘッ?』
「お前は人生もっと楽しむべきだ。」
『 ねぇ。それが先生が頑張ってる理由?』
「あぁそうだ。お前が飲めばそれで研究完成だ。」
『 いつからそんなこと思ってたの。』
「お前の噂を耳にした時からかな。、」
『 バッカじゃないの?』
何年ぶりだろう。床に落ちるものが透明なのは。
『 でも僕わっかんないよ。生きる意味もなにもないんだよ。』
「生きる意味なんてなくていいんだよ。なんならこれから見つければいい。お前の人生これからながいぞ、」
『 でも、、でも、、』
「お前が憎むやつより長く長く生きてやるんだ。そして、この星の成長を自分の目で捉えるんだ。」
ゴクッ
拝啓もうこの世にはいない先生へ
僕は今も生きてます。
パタン
僕は今フィクションとして出版する本の原稿を書いている。
でもこれはフィクションではない。ちょっとした僕の昔話。
『 生きる意味』 初版発行 2309年4月28日 著者 早瀬湊
善があるから悪が生まれるのか。悪があるから善が生まれるのか。
私は圧倒的後者だと思っている。
例えば、ある国の経済状況について想像してみて欲しい。
ある少女は下民としてこの世に生まれ落ちた。毎日飢えに耐え、寒さにこごえ、賑やかな平民街の裏で生き抜いている。
少女にとって最悪なパターンは奴隷として貴族に買われることであった。貴族は少女を生き物として扱わず、きっと痛い目に遭うだろう。
このような貴族を『 悪』としよう。
そして悪があるからこそ生まれる『 善』。
少女にとって嬉しいパターンは、奴隷として貴族に売られた所を助けてもらうこと。少数派の貴族や平民が少女のことを可哀想と思い助けてくれる。運が良ければ、施設に入れてくれたり、養ってくれたりするのではないか。
このような人々が『 善』。
悪が神に背くようなことをすると、それを指摘しより良い世界にしていこうと現れる善。
善と悪
悪と善
皆さんはどう考える?