佐藤 と塩

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西暦2112年

身体老化防止薬 通称不死身薬が発明された。
適任テストで満点を取得された者のみ投薬できる。

この大発明は1人の少年の生きる意味を探すために始まったものであった。





血の繋がっている他人に殴られては、頬を腫らしていた。

「このクソ野郎がッ」
バコッ

床に落ちるのは、透明な液体ではなく紅い液体のみ。

僕はいつからこんなに痣だらけだっただろうか。
そんなことを心に浮かべながら人生15度目の春がすぎた。

「すみませーん。早瀬さんのご自宅でお間違いないでしょうか。」

初めて見る紺色を基調とした服に書かれたPOLISという文字。

『 はい、、』
「僕、何年生?」
『 ???』
「何歳かわかる?」
『 15さい、』
「学校は行ってるかい?」
『 がっこう、、』
「行ってないんか、、」
『 親どこにいる?』
「くらくなるまでかえってこない。」
『 そっかぁ。』
『 ほなまた来るな、!』



ピンポーン



ピンポーン

ピンポーン
ピンポーン
「早瀬さーん、いらっしゃいますかー!」
「チッなんだよこんな遅くに はーい、」
「すみませんいきなり訪問させてもらって」
「ほんとよ!!夜の何時だと思ってるの??!」
「ですが、、署までご同行願います。」
「はぁあ?何よ急に?」
「あなたには児童虐待の罪が掛けられています。お子様はどちらに?」
「子供なんかいないわ、、」
「そうですか。昼訪れた時はいたんですけどね。」
「チッ」

午前2時逮捕


僕は施設に入れられた。教育面もサポートしてくれる施設で数多くの科学者が、毎年5回程度訪問しに来る。

僕は周りの子達と違って、年は大きいくせに全く勉強が分からない問題児だった。

孤立し始めた頃だろうか。先生にあったのは。

「おや、君初めて見る顔やなぁ。名前は?」
『 はやせみなとです。』
「へぇ、君さ。不死身っていうテーマに興味無い?」
『 ふじみ?』
「不死身っていうのはね、撃たれても斬られても死なない人の事を指す言葉だよ。」
『 不死身ってたのしいの?ボクきられたら、しにたいっておもうよ。しなないんじゃなくて、しねないんじゃない?』
「ハハッ いい君素晴らしい。ぜひ僕の研究チームに入って欲しい。」
『 なんでもいいよ。ボクねがいとか、いきるいみ?とかよくわかんないから』
「交渉成立だ。」

それから先生と僕は研究に没頭した。
なんで先生は不死身のためにこんなに頑張れるのか僕は常に疑問を抱いていた。
『 先生はなんでこんなに頑張れるの?』
「うーん。内緒。この研究が完成したら話したげる。」

2年の歳月がたった頃だ。

不死身薬が完成した。

「やっと完成した!!」
『 うん。やった。』
「湊。相談があるんだか。」
『 ?』
「この薬お前が飲め。」
『 ヘッ?』
「お前は人生もっと楽しむべきだ。」
『 ねぇ。それが先生が頑張ってる理由?』
「あぁそうだ。お前が飲めばそれで研究完成だ。」
『 いつからそんなこと思ってたの。』
「お前の噂を耳にした時からかな。、」
『 バッカじゃないの?』

何年ぶりだろう。床に落ちるものが透明なのは。

『 でも僕わっかんないよ。生きる意味もなにもないんだよ。』
「生きる意味なんてなくていいんだよ。なんならこれから見つければいい。お前の人生これからながいぞ、」
『 でも、、でも、、』
「お前が憎むやつより長く長く生きてやるんだ。そして、この星の成長を自分の目で捉えるんだ。」


ゴクッ













拝啓もうこの世にはいない先生へ

僕は今も生きてます。




パタン
僕は今フィクションとして出版する本の原稿を書いている。
でもこれはフィクションではない。ちょっとした僕の昔話。



『 生きる意味』 初版発行 2309年4月28日 著者 早瀬湊

4/27/2024, 7:14:02 PM