時枝

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あなたがいたから私は今生きている。
そういえばあなたは満足?


貴族に買われた。あぁもうここから先は長くないとしみじみ感じ取れる場所だった。


私は奴隷であなたのペット。
あなたは貴族で私の飼い主。

表向きでは、紳士的で奴隷にも優しく寛大な御方というレッテルをはっているが、裏では残虐性のある怪物と呼ばれている御方だ。

正直に言うと、どん底に落ちた怪物だ。
人を痛ぶり、殺す。最底辺のクズだ。

でも気にいられてしまった。そんなクズに。
最悪で、今までにない嫌悪感を抱いた。

肉の塊になったメイド。焼き尽くされた執事。

どれも見たことがある。

私は焼き尽くされたい。あなたに私の死に顔なんて見られたくない。

でも死ねない。あなたの特別だから。

そしてあなたはいつも言う。

「お前は俺がいなかったらもうとっくに灰と化してるな。」


私は決意した。


私は貴方がいるから灰と化す。



鮮やかな紅に包まれ私は灰となり散った。

6/20/2024, 11:51:17 AM