織川ゑトウ

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9/8/2023, 4:41:09 PM

『愚生の生涯(ぐせいのしょうがい)』

秋月が登り始めるこの季節。
ある校舎の裏ではこんな噂が流れていた。

「「満月の夜になると、校舎の中庭に幽霊が出てくるんだって」」

どこにでもある噂。子供時代によくやる遊び。

「「肝試しなど行ってはどうだい」」

そう教場の支配者から言われ、
逆らうこともできない愚生は夜の校舎に訪れていた。
どの時代にも大将などという者は存在するようで。愚生は孤独を感じたな。
さて来てみれば、木製の色味が薄く曖昧になっている校舎。
大分暗く不安になるが、中庭までの道筋なら灯火が無くとも行けるだろう。
そんなことを思いながら、人気のしない少々肌寒さを感じる廊下を進んでいく。

「何か外套でももってくればよかったかな…おや?外套?」

愚生、嫌なことに気がついた。

「嗚呼、外套。教場に置いたままだな」

仕方なく軋む階段を登ってゆく。
きいきいと鳴く床が妙に怪しい雰囲気を纏わせる。
すんすんと鼻を効かせてみれば、今にでも幽霊の冷風が鼻を突き抜けていきそうだ。

「さて、着いたぞ」

もう秋も近しいというのに
何故だか空気がどよんとした教場。今日来るには、まっこと相応しくない。

「いやに寒いな。外套は…あ、あったぞ」

場所を忘れていたので見つからないかと心配したが以外とあっさり見つかった。

「さてこれでも着れば少しは暖かく…」

愚生、気づき肩を震わせた。
なんと驚くことに外套に触れた瞬間、外套の中に人が見えたのだ。
女の顔だった。暗かったためよく見えなかったが、愚生を睨んでいたような。

この事実に、肝が座っていない愚生は回れ右をしてできるだけ急いで教場を後にした。

「嗚呼、何が幽霊だ馬鹿馬鹿しい。そんな者、非科学的だろうに……そんなことより、早く、一刻も早く中庭行って家に帰らねば」

愚生、頭が回らずに呼吸を乱して中庭に飛び出した。

そしてまた、愚生は意表を突かれた。

中庭に出ると、低い校舎の屋根の上で可憐な少女が舞っていたのだ。
ちらりとこちらを見てきた時の表情はまさに容姿端麗といったものだろう。

一瞬で心奪われた。

まだ十五ともとれぬ少女の近くに歩みよる。

「これ、外套で暖まっていたのはそなたであろうか」

少女はこちらに気づくことはなく、舞っている。
その月を見る遠い目が、なんと美しいことなのやら。

嗚呼、その顔に触れてみたい。

ふと、危なげに手を伸ばした。

さら、さらさら

少女は腐り、砂になった。

その瞬間、また愚生も手から全身へ砂に溶けるような空気に呑まれた。
だがしかし、空気に呑まれた、呑まれただけなのである。

「この空気がもし本当に愚生を呑んでくれるのなら、愚生はもう君とゆけるのだがな」

「愚生の胸の高まりはずっとこの時この場で止まったままだ」

愚生は今日もため息を吐いた。


__「あるお話し。愚生の生。有名な大正時代の本だ」

今日も僕は図書館で一冊の本を取る。

「すみません。これ借りられますか」
「ええ。よろしいですよ」

その本を借りたまま、僕のお気に入りのスポットへ移動。

「あれ、君今日もいるのかい」
「……」

愚生の生の主人公と一緒の屋根の上に座り、隣の猫を撫でる少女を見やる。

「君ももう少し素直になればいいのに」
「……」

相変わらず猫を撫でる君は、普段の君とは似つかわしくない。

「やっと会えたのに寂しいな」

また、この時代ですら、今日も僕はため息を吐く。



お題『胸の鼓動』
※愚生(ぐせい)=昔の一人称。謙虚さを用いた言い表し方。
※教場(きょうじょう)=昔の教室の言い方。クラス。
※秋月(あきづき・あきつき)=秋のお月様。
※外套(がいとう)=コートの古い言い方。
※容姿端麗(ようしたんれい)=姿かたちが美しいこと。主に女性の形容として使われる。

あとがき
さてさて、今回はモダンチック、大正チックな話しにしてみました。それから最近読むものがミステリーホラー系なのでこちらも少しだけ?ミステリーですね。意外と考察されてみたら楽しいものになると思います。色んな想像をしてみてくださると筆者も嬉しい限りです。是非是非、ご自分のお考えのもと物語を楽しんでくださいね。筆者的には「何故少女は睨んだのか、現世でも無愛想なのか」と「何故作品名は『愚生の生涯』なのに本は『愚生の生』なのか」を考察してみると楽しいと思われます。後、愚生の生で二人が砂になるシーンもですね。結構印象強いシーンだったかなと思います。それではまた次のお話しで。

織川より※織川の日常です。暇だったら読む程度でご了承願います。
夜お眠りになる前の皆様こんばんわ。朝起きられたお方おはようございます。やっと5日が過ぎてお休みですね。人によっては休みじゃないよーってお方もいられるかもしれませんね。いつもお疲れ様です。あのですね、織川模試をやったんですよ。志望校二つあるんですけど一つが合格の可能性『A』でもう一つが『D』でした。差が凄いです。偏差値の差が大きいので仕方ない…ってことにしたいです!!!もう本当に!!!いや、英語ほぼなんて言ってるか聞き取れなかったよ!?皆もめっちゃはずしてたよ!?厳しくない!?泣きたいです笑でもまぁ、一つAとれてるんでいいんですよ。ハハ。因みに織川の偏差値は丁度中間ぐらいです。54、5ぐらいですね。Dの方は63です。ま、まぁ頑張ります。というかもうすぐしたらまた模試ですよ。早いって!!ねぇ!!止めよう!?そういうのよくないよ!?まぁ、やることにかわりはないんですけどね。では、織川はそろそろ寝ますといっておきながら寝ません。じゃあおやすみなさい!!!





9/3/2023, 4:39:57 PM

※百合・GL表現あり。苦手なお方はすっとばしてもらって構いません。

『薄いリップはご褒美後に』

私はね。些細なことでも気にしてしまう性分なの。
貴方の香水、貴方のその肌に着けた男からの贈り物。
あぁ、唇に着けようとしているそれは、誰からの贈り物なのかしら。

「ねぇ、もしかして前髪切った?」
「え!よく気づいたね!実は2cm切ったんだ~」

あ、先を越された。私が先に言おうとしていたのに。
というか2cmじゃない。2.5cmよ。そんなことも気づけない奴がこの世にいるの?

あぁ、そんなにヒラヒラとスカートを舞い上がらせて。
短いスカート。下着が見えてしまうじゃない。他の輩に見せるなんて言語道断よ。

今日の髪型は少しウェーブがかかっているのね。
珍しく苦戦したのか髪先が焦げて色が抜けてしまっているわ。

あぁ、また男にそんな寄り付いて。
胸まで推し当てて、狙っている子なのかしら?
でも、胸を推し当てているということは誰かとそういうことをしたいという思いもあるのね。

キーンコーンカーンコーン

あら、もうすぐホームルームが始まるわ。

ガラッ

「はい。皆さんおはようございます」
「「おはようございます」」

あら、先生が来た瞬間そんなに慌ててすぐ座っちゃって。
お陰でピンがとれかかってしまっているわ。後で直してあげなきゃね。

「____です。これでホームルームを終わります」
「あ、先生から少し宜しいでしょうか」
「はい。どうぞ」
「須崎さん。ホームルームが終わった後、すぐに指導室に」

ふふ、指導室に呼ばれてしまったわね。
周りの子達がスカート折りすぎたんじゃないか~って囃し立てているわよ。
須崎さんったらそんなに慌てちゃって…他の男がチラチラスカートを見ているわよ。

「では須崎さん」
「はっはいぃ……」

あら…そんなに怖がらなくてもいいのに。

ガラッ

「あ、あの先生。もしかしてスカートが短すぎt」
「はい。短すぎです」
「で、でもこれぐらいなら」
「すみません。先生は些細なことでも気にする性分なんです」
「えぇ…」
「あ、後香水も変えてください。匂いキツいです」
「も、貰い物なのに」
「ファンデーションもリップもですね」
「うぅ…変えますぅ」
「はい。よろしくお願いしますね」

「あ、あれ?リップがない」

ふふっ。計画通り。

「須崎さん。リップぐらいなら貸しますよ」
「え、いやいやいや!!そ、それはちょっと……」
「なんでです?」
「だ、だって、そ、それって間接キs」
「ええ。間接キスですね」
「え、いいんですか、、っていや駄目ですよ!!」
「須崎さん」
「は、はい。なんですk」

ダンッ

瞬間、私は須崎さんの両手を掴み床に押し倒した。

「いったっ…さすがにこれはやりすぎですy」
「須崎さん。先生はね」

ちゅっ

「些細なことは気にしても、恋愛対象だけは気にしない性分なの」

「……え、へ、え、ぇ、い、今キ、キス」

ぬりっ

「このリップはお口直しに。先生といつでも一緒にいられる気分になれますよ」

禁断よりも禁断な恋のはじまりであった。


お題『些細なことでも』

あとがき
百合・GL表現が苦手なお方、誠に申し訳ありません……でも、些細なことでも、で思い付いた物語がこれだけだったんです。いや、言い訳はやめましょう。普通に書きたかったんです。こういう感じの恋も素敵だな、と。題名も結構そういう系の作品に合わせたつもりです。先生少しヤンデレ感ありますけれど。まぁそこは気にせず。明日というか今日なのですけれど、学生さんや、月曜日からお仕事のお方はお休みまで頑張っていきましょう。

お知らせ※お気に入り登録をしていくださっているお方へ
お気に入り登録をしていくださっているお方にお知らせです!なんと織川、投稿頻度が上がりそうです!!イヤッフー!!嬉しいです!!塾のお休みが不定期から定期に変更されたので、金曜土曜辺りは定期で書けます!!時間が開けば水曜日もいけます!!
めちゃくちゃ嬉しいです!!嬉しいしか言えません!!本当に、いつも読んでくださっているお方々。感謝しかないです。心がハレルヤです。では、もう遅い時間なのでおやすみなさいませ。織川は今日も元気です!!

9/3/2023, 8:30:44 AM

『神心、懐かしの恋を燃ゆ(しんしん、なつかしのこいをもゆ)』

九月始まり、夏の期限切れした空気が肺に柔らかく流れ込む。
毎年この頃に、僕は訪れる場所がある。
北陸、石川にある小島の「弁天島」

ここには、ある伝説があった。

ーはるか昔。

弁天島には、ある漁師の若者と天女がいた。
二人は夫婦であり、毎日幸せに満ちた暮らしをしていた。
しかし、そんな日々に曇りが浮き上がり始める。

「ごほっ…た、たすけ…」
「あ、あなた!!」

急な嵐。一つの災難。

「がっはっ…ぅ…」
「た、助けなきゃ、助けなきゃ……」

ドボン

ー天女は落ちた。荒れ狂う嵐に、もう助けれないと察し、誰よりも強い願いを込め、
たったひとつ。

「''私の命と引き換えに、どうかあの人を助けてください''」

そして、若者は目を覚ます。一人残され、嘆き悲しむ。
ただし、その後の人生は好景気。財産がぞくぞくと出てくる。

ーそれがために「弁天島」と言う名前がつけられた。

島の入り口の看板には、弁天島に関する悲しい伝説が残されている。
海は穏やか、本当に嵐などあったのかと思うほどの優しい潮の匂い。
髪を揺らす風が、サッと吹き抜け、目の前の木々の木葉に染み込んでゆく。

何も感じぬ冷たい木葉に、ただただ不肖の思いを抱き撫でる。

嗚呼、本当に、なんて僕は愚かなんだろう。
今さらここに戻ってきたって君には会えないというのに。
あの後、僕はすぐに君を探した。
君のあの声が聞きたくて、君のあの笑顔にもう一度触れてみたくて、
でも、触れれなかった。
自暴自棄にもなったんだ。もう君が居ないのなら、僕が生きてる意味なんかないと。
そんな時、神様に諭されたんだ。

「君が、もしあの子を想い続け輪廻から解脱出来たのならもう一度あの子に会えるよ」

そう言われて、何度も何度も生を繰り返したんだ。
でも、いつになっても解脱できない。
もしかしたら神様は僕をからかったのかな。

正直、もう君を想い続けるのも辛い。
本当に、辛いんだ。

ポツ

頭上から少し雨水が垂れる。
額に垂れた雨水も、太陽の暖かな日差しで包まれる。
それが頬に伝い、一滴の涙と同化する。

あぁ、もう死んでもいいかな。

足元の砂利が心臓の音より小さく聞こえる。生を実感する。

もう、いってもいいよね。

ドボン

_刹那、隣から何かが海に落ちる音が聞こえた。

「 」

女の子が落ちていた。薄い桃色の髪をした女の子が。
僕は驚いた。驚いたんだ。
何せ落ちていた女の子が君に''そっくり''だったから。

…ねぇ、神様。これは試練なのですか?

ドボン

海に、落ちた。
あの日の僕と君を重ねた。
君のあの声を思い出す。

「''神様どうか___''」

溺れた海は美しい。周りの小魚が僕の肌から酸素を奪う。
澄んだ空が僕を見つめる。
君は、いや、君ではないかもしれないけれど、助かったかな。

「あぁ、やっと会えたわ。ずっと待っていたのよ」

君の声かな。昔より少し高いんだね。

ちゅっ

静かなリップ音。これはきっと僕の妄想。
波に揺られて、僕の髪が誰かにそっと掬い上げられる。

ぽたっ

あれ、どうしてだろう。雨は降っていないはずなのに。
いやに懐かしい淑やかな水が頬に馴染み一体化する。
何故だか心が潤っていくような。

彼の心の灯火に、再度あの日が瞬いた。


お題『心の灯火』
※不肖(ふしょう)=未熟で劣る様子。愚か。
※淑やか(しとやか)=上品で落ち着いているさま。

あとがき
今回は、実在する石川県の弁天島の伝説をベースに書かせていただきました。実際の弁天島にも看板があり、そこに伝説が残されています。穏やかで温かく、何もかもを受け入れてくれるような優しさのある小島です。お休みの日に是非観光などされてはいかがでしょうか。行くなら午後に行くのがおすすめですよ。午前に行くと逆行で写真がいい感じにならないので。学生のお方々は夏休みも終わった頃ですね。社会人のお方々もお仕事お疲れ様です。今月は確か連休がありましたね。その時にでも、ゆっくりお休みくださいませ。では、日々精進してまいりましょう。




9/2/2023, 9:59:05 AM

『害獣駆除(がいじゅうくじょ)』

いつもの東京、少し梅雨明け、雨上がりでまだ湿気が人々の心に侵食し始めない頃。
午前三時の鬱屈としたような空の下、たった一つの端末を見る。

「''午前四時、次の仕事は××××だ''」
「……」

薄暗く、血の臭いが微かにする路地裏で、いつもの依頼を確認。
つまらない日常、いつも通りだ。

「それにしても、午前四時ね…まぁ、普通の仕事としての時間としてはちと早いよな」

いや、嘘だ。普通の仕事だったら大分早い。
こんな早い時間からの仕事はブラック企業ぐらいだろう。

「あー後一時間かぁ。適当にパンでも買って朝食にするか」

昨日の仕事が遅れたおかげで、朝食のパンにジャム塗ることできねーじゃねぇか。

「少しは休ませろって話よなぁ」

そんな小言をグチグチと誰かに言いながら、
その誰か御用達のパン屋でクロワッサンを買う。

「あっま。なーにこのクロワッサン…昔ばあちゃんが作ってくれた梅シロップみてぇ」

少々甘すぎるクロワッサンに悶絶しながら、
タイムリミットまで残り四十分を指しているスマホの時計を眺める。

「あ、そういや明日って俺の誕生日だっけ。仕事終わったらケーキでも買いに行くか」

LINEを整理していたら、仕事関連のグループLINEで「''綾瀬の誕生日!''」とイベントに書かれていた。綾瀬とは、自分のコードネームだ。本名じゃない。

「いやでも確か十一時辺りにも仕事入ってたっけな。んーじゃあケーキはなしか」

ケーキなしという事実に眉毛をしゅんと下げながら、またLINEの整理を再開する。

ーー仕事です。仕事です。あと三分でタイムリミットです。

スマホに搭載されている仕事お知らせ補助音声、
略して''SIHO''が仕事の時間を伝えてくれた。
SIHOは勿論俺が''改良''したものだ。元からあったものではない。

「ふ~ふふ、ふんふ~ん…あーこれなんだったっけ曲名」

仕事場まで歩きながら、昔母が教えてくれた歌を無意識に歌っていた。

「ふんふん~ふ~あ、着いた」

さっきの路地裏とはまったく違う華やかなパーティー会場に着いた。

「そこのお方、ドレスコードはご確認になられたのでしょうか?」
「あ、すみません''end beginning''のものです」
「あぁ、enbyのお方でしたか。すみません。お仕事、お疲れ様です」
「いえいえ、あーでもこの格好だとバレやすいですかね」
「よかったら、お召し物お貸しいたしましょうか?」
「すみません、頼みます」

どうやらドレスコードがなっていなかったらしく、使用人に注意を受けた。
だけど変わりに服を貸してもらったので、結果オーライだ。

「えっと、今回の対象者は…あ、あの人か」

仕事で依頼された対象者の特徴を書かれたメモを読みながら会場にいる全員を見ていき、対象者を見つける。

「確か情報によると面食いだっけ?まぁ、自分イケメンだしいけるっしょ。性格はーあーチャラ系ね。うーわ久しぶりにやるわチャラ系とか…んっんんっ…よし」

コツコツコツ……

「ねぇねぇお姉さん。これ、落としましたよ?」
「え?あ、ありがとうございます!」

反応を見るに、タイプぴったりっぽいぞ

「あ、そーだ。俺、ちょっと道迷ってんすよねぇ。案内してもらってもいいっすか?」
「え、も、もちろん!!」

コツコツ…

よし、ここら辺でいいかな

「ねぇ、お姉さん。ちょっとこっち向いて?」
「へ?な、なn」

ドッ

「…うん。死んでる」

頭を肘打ちで一発。大抵の女はこれで死ぬ。案の定このお嬢さんも。

ピロンッ

「今回結構ラク…ってもう次の仕事かよ」

人の気持ちも考えずによ……

「まぁ、あいつらが人の気持ちを考えるわけねぇか。依頼内容は…」

「''次はお前の____''」

「!」

俺は、その前文だけで全てを察した。

「あーあ、ついにきちゃったかぁ。俺にもこの依頼が……」

そう呟いて、亡くなったお嬢さんに花を手向ける。

「ごめんな。俺もやりたくてやってるわけじゃねぇんだ」

白色だったカーペットに染まる赤が美しい。

「じゃー早く終わらせちゃいますかぁ」

はは…と軽く笑ってスマホを持つ男から見えた深い悲しみと愛の色。

そしてスマホの

「''親を殺せ''」

梅雨明け関係なく、彼には今日も雨が降る。
決して上がることのない、慈愛に満ちた雨が。


お題『開けないLINE』

※鬱屈(うっくつ)=気分が清々せずに、塞ぐこと。
※御用達(ごようたし)

織川より
めっちゃギリギリセーフです。久しぶりの休日です。明日と月曜日のも書けそうです!
是非、楽しみにしてくれていたら嬉しいです。この作品お気に入り登録してくれてる人しか見られないかもですね。ギリギリなので

8/19/2023, 12:27:55 PM

『雲に抱いた想い』

シメサバみたいな雲、イチョウみたいな雲、りんご飴みたいな雲。
恐竜みたいな雲、ハートみたいな雲、
君と見たあの日の雲。
君に抱いていた恋幕は雲隠れし、月夜に消え去ってしまった。
君は今どんな雲を見ているんだろう?
君にとっていい雲が見えますように。
そう今日も願う切なき空模様。


お題『空模様』

織川より
今回短くてすみません…🙇‍♀️受験で毎日塾詰めで中々時間がとれない状況なんです…
また、今日から投稿頻度がガクッと落ちます。落ちるというか、ほぼほぼ投稿できません。なので、そこら辺に流れてる空気とでも思っていただければありがたいです……
たまに時間がとれた時には投稿しようと思います!なので超不定期に投稿する空気だと思ってくれればありがたいです。では、また私が投稿する時まで!!またねです!!

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