極解の魔法使い

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1/20/2026, 6:12:37 PM

お題『海の底』

あのね、お父様。
私、本当は知ってたの。
私《ムー》と言う【大陸】は、本当は存在しない事。
私は、今まで生きて死んできた人間達の、【数多の夢の集積体】でしかなかったって事。
本当は、私を直接消していれば、
お父様が悩む様な犠牲も、問題も無く、
全て、解決できた事も。
でも、お父様は私と言う存在をわかっていても、何も聞かなかったわよね。
それどころか、

ずっと、ずっと、

周りに居る1人の人間として、
孤児の子達と同じ様に、《自分の子》として、
色んな事を教えてくれた。
色んな景色を見せてくれた。
色んな事を話してくれた。
だからかしら。
私、人間の事大嫌いだったけど、
今は『好きじゃない』程度なのよ?
コレって凄い事なのよ?
私、隙あらば【私から】今度こそ、みんなを《海の底》に沈めようと思ってたんだから。
でも、気付いたらあっと言う間に時間になっちゃったし、私も、お父様と同じ様に人間に愛着を持ってしまった。
だからね、お父様。
お父様だけでも、私達の事を覚えてて欲しいの。
私が全て、《海の底》に連れて行くから。
私、今ならお父様との思い出とか、今まで会ってきた人達との思い出があるから、
また、あの冷たい《海の底》に行っても、寒くないと思うの。
だからね、お父様、そんな顔で泣かないで。
泣き笑いでもイイから、最後は笑ってお別れをしましょう?

きっと、お父様の夢は、まだ続いて行くのだから。
私も、笑ってお父様にお別れするから。
だからね、元気でいてね。
私を見つけた、もう1人のお父様。

By 【姫】と呼ばれた、ある大陸の化身より

1/4/2026, 7:43:46 AM

【お題】『日の出』
夜、1人バイクで走る。
吹き付ける寒風を、雲を掻き分けるように進む。
行き詰まった時、
辛くなった時、
叫びたくなった時、
心のモヤがまるで現実に現れた様。
そして、辿り着いた時、
海の向こうから、朝日が顔を覗かせる。
日の出と共に、心のモヤが晴れる様。
さっきまであった心のモヤが嘘の様。

そしてまた、私は歩き始める。

By さるロックシンガーのある景色

1/3/2026, 8:01:42 AM

【お題】今年の抱負

『できる限り穏やかに過ごす』
By 元生物学者の刑事

『大切な人を見つける』
By ある捜査一課課長

『区切りをつける』
By ある捜査一課の刑事

『いつも通りに頑張る』
By ある喫茶店のマスター

『同期に振り回されても頑張る』
By ある公安刑事

『元いた居場所に戻る』
By 事件にあったまま帰れてないある刑事

『一人でも多くの患者を救う』
By あるフリーランスの外科医

『日本の為に頑張る』
By ある公安刑事達の後輩

『ヒーローになる努力をする』
By ある中学生の青年

『父を支える』
By ある小学生の少女

『リアルの事象、全て頑張る』
By 作者(極解の魔法使い)

1/1/2026, 7:34:53 PM

お題【新年】

「新年あけましておめでとう」
「おー。今年も宜しくな」
と、毎年の様に言う。
・・・・・少し違うのは、大人になって———
否、こんな職だからか、またはこの仕事を担っている所為か・・・・・
何気ないこの時の言葉さえ、言葉の重みが増してしまった。
「・・・・・今年は穏やかな1年でありたいな」
「?そうだな、新年早々、事件とか嫌だよな〜」
と、目の前の長い腐れ縁として、そして今は仕事の仲間として共に過ごす腐れ縁が他人事の様に言う。
「・・・・・まあな。とは言え、そうも言ってられそうに無いがな」
と言いながら、そんな腐れ縁に新年早々に当たる捜査資料を手渡す。
「ふーん・・・・・あぁ、確かにコレは俺向きの案件だわな」
と、パラパラと捜査資料を見た後、納得する様に言った。
「無理はするなよ?」
「だーいじょうぶ、大丈夫。深刻になりそうならちゃんと聞くから」
「そう言って、守られた試しが無いがな」
「それはゴメンて」
と苦笑いしながら腐れ縁は言って
「じゃあ、また後で」
と笑顔で立ち去る。
「あぁ、また後で」
と、俺はそんな腐れ縁を見送る。
今年もまた、腐れ縁が新年を無事迎えれる様に、俺自身も精進しようと思う。

By ある捜査一課課長の新年での独白

11/26/2025, 10:12:53 AM

『落ち葉の道』で思い付かなかった為、11月10日のお題でやります。
※日付的にこっちが先だったと言うのもある。

【お題】心の境界線

つくづく、コイツの踏み込んで良いラインと、ダメなラインの差がわからない。
十数年と付き合いがあれば、大体わかりそうな物だと思うが、目の前のコイツに限ってはその通りとは言わない。
『心を許してる』と思ってたら、実はそうじゃなかったり。
なら『許してないのか』と他人に聞かれてみると、それはそれで違う。
現に・・・・・件のコイツは自分と2人っきりになった途端に自分に寄りかかって寝始めた。
まあ、先程の相手はコイツ的にかなり神経削って気を張りつめてたのはわかっていたが。自分以外の知り合いの前だと、
「大丈夫ですよ」
と、いつもの通りにヘラヘラ笑って受け答える。
明らかに大丈夫じゃないとバレバレでもそう言うのだから、この状態は心を許してると言う事ではあるのだと思う。
しかし肝心な時に頼らないとなると、やはり許してないんじゃないかと不安になる。
「・・・・・お前の、《心の境界線》とやらは何処にあるんだか・・・・・」
と呟きながらコイツの頭を優しく撫でる。
今だけは確かに、コイツの《心の境界線》の内に居るのだと噛み締めながら。

By 疲れきった腐れ縁の相棒を労うある刑事の独白より

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