極解の魔法使い

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【お題】消えた星図
※秘密の標本では思い付かなかった為、10月16日の『消えた星図』でお送り致します。

気付けば。
身体が弱く、権謀術数しか取り柄の無い自分だけが、戦時、戦後、生き残っていた。
《王》と仰いだ親友は酷い目に合いながらも終戦に奔走し、それを恨まれて殺され、
終戦後にようやく結ばれた二人の親友も、子供達を遺して脅威と見なした継続派に殺され、
犬猿の仲だったアレも、戦時中の境遇の所為もあって、歳を重ねるにつれて身体を壊し・・・・・とうとう、この前息を引き取った。
・・・・・一番最初に、直ぐに死にそうな人間だと思っていた僕自身が、まさか、全員を見送る立場になるなんて、誰が予想していただろうか?
僕自身が見たかった景色は、
僕が描いてた未来の星図は、
一つ、一つ・・・・・星が消えていく度に、随分と変わってしまった。
【星が《消えた星図》】を前に、僕は何を思えば良いのでしょう?
何の為に、僕は【星が《消えた星図》】になったとしても、
こうして、現代(いま)を守る為に頭を働かせて居るのでしょうか?
例え子孫が残ったとしても、彼らに会えるわけでは無いと言うのに・・・・・
この【星が《消えた星図》】に何の意味があるのか。
わからなくても、まだ、この《消えた星図》を手放さずに守るのは何故なのか
僕はわからないまま、今日も《消えた星図》を胸に戦い、守っている。

By ある世界線にて、《伏龍》と畏れられた男の独白

11/3/2025, 11:29:10 AM