白蓮

Open App
10/21/2024, 12:43:57 PM

「人生には二つの悲劇がある。
一つは願いが叶わぬこと、
もう一つはその願いが叶うこと。」

こういう言葉が、とある戯曲の中にあるそうです。
私は今日初めて知りましたが、
どうにも好きになりました。

願いが叶わないのは辛いことです。
どうしたって叶わないとわかってしまったら、
とても悲しいのです。
でも、叶うかもしれない願いに向けて
進んでいるその道中は、
生きている意味だとか未知への期待だとかで
希望を持てる日々でもあるのです。
そういう意味では、願いがまだ叶っていない段階には
それなりの幸せがあると言えるのでしょう。

こういう解釈が一般的なのかもしれませんが、
私はこの言葉が、
願いを叶えることのネガティブさを
肯定している部分が気に入っているのです。
悲願を達成したとして、
喉元過ぎれば熱さを忘れるように、
一瞬、後悔する瞬間があるのです。
頑張って行きたかった学校に合格したけど、
勉強が難しくて嫌になってしまう瞬間のような。
過去の自分や応援してくれた人に失礼な気がして、
そんなこと考えるものじゃないと、
思考に蓋をしてしまうのです。
この言葉は、そんな私を、
認めてくれる言葉のような気がしました。

願いを叶えるということは
幸せを掴むことであると同時に、
新たな困難へ挑戦する権利を
得ることなのだと思います。
大小を考えなければ、日々は願いの連続です。
叶った願い、叶っていない願い、
その両方に喜びつつ嘆きつつ、
心のままに生きていこうと、
そう思える言葉でした。

10/19/2024, 10:39:08 AM

すれ違いって、残酷だ。
すれ違ってたことに気づくのは、
事が起こってしまってからなんだから。
取り戻せなくなって初めて、相違を知る。
もっと早く、
あなたの気持ちを考えることができていたら。
すれ違いだなんて、
要因が他にあるように言うのも違うかもしれない。
私の思いやりがなかっただけだとは、
思いたくないんだ。

10/17/2024, 1:33:18 PM

毎日思い出すの、あの日やってしまったこと。

後悔、後悔、また後悔。
いっそ忘れられたら楽になれるのに、
なんて思ったこともあるけれど、
きっとこうして記憶が残り続けることが
罰であり、償いの方法でもあるのだろう。

でも、あれ?
思い出せない。
あの日何を言ったのか、
どんなことを考えて何をしたのか、
後悔したのは知ってるけれど、
具体的に思い出せない。

傷ついた出来事なら?
やっぱり思い出せない。

もう嫌な記憶を見ることは出来ない。
残っているのはただ、そこに事実があるだけ。
懺悔も悲劇も、偶像にしてしまったのかもしれない。
縋って生きているのかもしれない。
そうすれば自分を可哀想だと思えるから?
辛い思いに身を任せていた方がいくぶん楽なのは、
新たな現実を見ていないから?

「忘れてしまうものじゃなく、あるじゃないですか、
忘れたくても忘れられないもの。
嬉しかったから覚えているんでしょう?」

身を包んでいた過去のベールから出ることは難しい。
たとえ過去の自分が許されなくても、
今を見なくていい理由にはならない。

また失敗を重ねるのは怖いけど、
記憶に残るような日々を過ごせるように
努力する責務、否、自由は、
誰もが持っていていいものなんだろう。

あなたでない私から、あなたを許したい。

6/23/2024, 4:33:26 PM

子供の頃は……
この言葉は呪いであり、救いであった。

今が辛ければ辛いほど、昔の輝きは胸を締め付ける。
今が幸せであればあるほど、
それは甘く美しい思い出となる。

子供時代を再び望んでしまうのは、
きっと子供でなくなってしまった証拠なのだろう、
それがとてつもなく悲しい。

しかし、そう思うのは、
それだけ過ごした時間が素晴らしかったからなのだ。
そしてきっと、あと何年かすれば、
今この時でさえ戻りたい基点に変わる。

だから今感じているはずの、見えない幸せに
少し耳を傾けてやるのもいいかもしれない。

過去の断片を心に置いておくことは
罪ではないのだから。

6/20/2024, 10:51:13 AM

相合傘をして、帰った。
なんてことはない、友達と。

傘を忘れたから入れてほしいと頼まれ、
断る理由もなく。

人の少ない道を、二人、他愛のない話をしながら。
聞こえるのは雨の音と少し遠くの車の音と、
二人の足音だけだった。

隣を見れば、視界があなたと、私の傘だけで埋まる。
淡いピンクなんて、普段のあなたは持ってない色。
私の世界に閉じ込めてしまったよう、という言葉が
ふと頭をよぎって、慌てて前を向いた。
まるで、何かを取り繕うみたいに。

相合傘なんて、別に、どうってことないのに。

どうってことなかったはずなのに。

二人分の足跡が、
水たまりの上に残ったままのような気がした、
そんな日だった。

Next