白蓮

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毎日思い出すの、あの日やってしまったこと。

後悔、後悔、また後悔。
いっそ忘れられたら楽になれるのに、
なんて思ったこともあるけれど、
きっとこうして記憶が残り続けることが
罰であり、償いの方法でもあるのだろう。

でも、あれ?
思い出せない。
あの日何を言ったのか、
どんなことを考えて何をしたのか、
後悔したのは知ってるけれど、
具体的に思い出せない。

傷ついた出来事なら?
やっぱり思い出せない。

もう嫌な記憶を見ることは出来ない。
残っているのはただ、そこに事実があるだけ。
懺悔も悲劇も、偶像にしてしまったのかもしれない。
縋って生きているのかもしれない。
そうすれば自分を可哀想だと思えるから?
辛い思いに身を任せていた方がいくぶん楽なのは、
新たな現実を見ていないから?

「忘れてしまうものじゃなく、あるじゃないですか、
忘れたくても忘れられないもの。
嬉しかったから覚えているんでしょう?」

身を包んでいた過去のベールから出ることは難しい。
たとえ過去の自分が許されなくても、
今を見なくていい理由にはならない。

また失敗を重ねるのは怖いけど、
記憶に残るような日々を過ごせるように
努力する責務、否、自由は、
誰もが持っていていいものなんだろう。

あなたでない私から、あなたを許したい。

10/17/2024, 1:33:18 PM