白蓮

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相合傘をして、帰った。
なんてことはない、友達と。

傘を忘れたから入れてほしいと頼まれ、
断る理由もなく。

人の少ない道を、二人、他愛のない話をしながら。
聞こえるのは雨の音と少し遠くの車の音と、
二人の足音だけだった。

隣を見れば、視界があなたと、私の傘だけで埋まる。
淡いピンクなんて、普段のあなたは持ってない色。
私の世界に閉じ込めてしまったよう、という言葉が
ふと頭をよぎって、慌てて前を向いた。
まるで、何かを取り繕うみたいに。

相合傘なんて、別に、どうってことないのに。

どうってことなかったはずなのに。

二人分の足跡が、
水たまりの上に残ったままのような気がした、
そんな日だった。

6/20/2024, 10:51:13 AM