白蓮

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子供の頃は……
この言葉は呪いであり、救いであった。

今が辛ければ辛いほど、昔の輝きは胸を締め付ける。
今が幸せであればあるほど、
それは甘く美しい思い出となる。

子供時代を再び望んでしまうのは、
きっと子供でなくなってしまった証拠なのだろう、
それがとてつもなく悲しい。

しかし、そう思うのは、
それだけ過ごした時間が素晴らしかったからなのだ。
そしてきっと、あと何年かすれば、
今この時でさえ戻りたい基点に変わる。

だから今感じているはずの、見えない幸せに
少し耳を傾けてやるのもいいかもしれない。

過去の断片を心に置いておくことは
罪ではないのだから。

6/23/2024, 4:33:26 PM