…どうして?
そう訊けば、しつこい、と冷たく
言い返される
私も、こんなに疑問に思ったことは
無いし、思いたくもない。
君が悪いんだよ、なんて言いたくは
ないけど、今回ばかりはいうしか
なかった。
…でも、貴方が悪いのにどうして
認めないの?
昔から頑固だったよね、自分が
言うことに間違いはないみたいな
態度でさ
誰にでも強気でいるなら別にそれで
いいけど、今私達付き合ってるん
だよ?私にも迷惑とかかかるって
考えられない?
…今私の話してなくない?てか、
付き合うとき最初いったよね?
私が■■ってこと。
…はあ?訊いてない?君が話を
訊かないのは知ってるけど。
付き合う時の話くらい訊きなよ。
ほんとダメだよね
『というか、なんでさっきから
俺のこと昔から知ってるみたいな
目線なワケ?お前とは高校から
だっただろ』
なにいってるの?けんちゃんとは
昔からの幼馴染みだったでしょ?
もしかしてそれも忘れた?
忘れん坊なのもかわいいけどさ、
それくらい覚えとくべきでしょ?
私本当に心配してるんだよ?
『は?お前なにいってんだよ
お前とは幼馴染みじゃないし…
それに、おまえケンチャンって
なんだよ、それは元カノの俺の
呼びか、たで…』
元カノぉ?もう!けんちゃん
ったら!
けんちゃんに元カノはいないし
私が初めてで最後の彼女でしょ?
『お、おまえっ、さ、サキ!?
お前とはもう別れただろ!?
なんで、お前リコって名乗って
るんだよ!!』
けんちゃん近所迷惑だよー?
…まぁ私はサキだけど、今は
璃子だよ。
けんちゃんと結婚したかった
から改名頑張ったの!
顔は整形できなかったから
整形メイクとか時間かけて
覚えたし
それにね、'リコ'として生きて
いると凄くモテるようになったの
どんなにイケメンなヒトでもね、
けんちゃんには全部勝てなかった
よかっタね、けンチゃん。
こンナニもてモてな璃こちャント
ケッこンデキるンダよ!
『っやめろ咲奇!
おねが、お願いだから!!!』
もォ、ケんちャンったラ。
サ奇なンカじゃ菜クッて、璃子
デしョ?
コ供はナン似んほしイ???
ケンチャンがいっパいホしいなラ
リコがんバるヨ!!
『ぉか、可笑しいっ!
おまえっ可笑しいよ!!』
そう叫ぶけんちゃんににこりと
笑いかけ
璃子として元カノ時代できな
かった"復讐"を
イマする
包丁でぐさりと深く刺すと
彼の腹には真っ赤なカンナの
ように花が咲く。
あぁ、あとは他のけんちゃんを
誑かした元カノを殺そう
少しでもけんちゃんがその女
どもに愛を囁いていたと少しでも
考えると鳥肌がたって仕方ない
疑いたくなかったけどスマホを
盗み見て正解だった
さて、、女を殺す妄想はここまで
にして実際に殺そう。
___________
カンナの英語花言葉
妄想、疑い
帝国少女歌詞、基歌詞考察を
一時の知的好奇心により
上げてしまい申し訳ない。
テーマ:夢を見てたい
現実味がない、と言われたのは今まで生きてきた中で何度目だったか。
それは覚えられない程数を重ねて行った。
なんで、私だけ怒られなければならないんだ、誰だって夢くらい見るだろう。
そんな子供のようなことを考えても、社会的に良い建設的で健康的な大人から言われることは、現実を見ろだけしかないのはわかっていた。
それを鍵アカで呟けば
"れて■ジャ■ムの出番だな"、"こんな痛いやつらを相手に戦ってるあの二人に感謝"なんて言われてしまうし、私の居場所は少なかった。
「なんで私のせいにされないといけないの…だれか私の味方はいないの……!!」
私が生きられる界隈は"占いツクール"しか無い。
最初は文才がなくて評価もコメントももらえなくて書き綴るごとに"ウケ"を狙うようになっていったしそのおかげで成果は確かに出ていた。
僕のヒーローアカデミア夢小説では
チート個性にして
でも自分ではモブと捉えているキャラにして
転生させて
徐々に愛されにして
天然キャラにして
オチは轟くんにした
鬼滅の刃夢小説では
氷の呼吸を使わせて
キャラも氷のように冷たく冷静沈着にして
鬼を全滅させる夢を持たせて
でも優しいキャラクターたちに会う度に心を暖かくさせていって
冨岡さんと来世で婚約することを決めて
転生後には、先生カップルにさせた
でも段々と
ウケが強くなっていくうちに
自分を、"深い深い闇の奥"へと失くしてしまって
わたしは
どうしたらいいのですか?
フリック入力で打ち出して、ホームページの設定にすると占いツクールに投稿した。
ああ、夢小説の話以外は真っ平嘘だよ。
現実じゃあ、だれも私に興味を持ってくれないからここで生きる意味を見出だしてるんだぁ~!
「…ふふっ」
さて、投稿して、私を理解した気になった"脇役"達になぐさめてもらおーっと
テーマ:冬晴れ
いつも通り車を道路で走らせる。
中学校の前を通ると、急いで走っていく中学生たちの様子がみられ懐かしい気持ちにひたる。
車内でチョコレートを食べる。
口に放ると、すぐにチョコレートは溶けていく。
「私も中学生のころ遅刻常習犯だったな…
あー懐かし。」
今こそ、無遅刻無欠席というガリ勉メガネのような感じになっているが昔は遅刻ばかり。
課題は忘れがちだし、体育は面倒だからやりたがらない…という生徒としては足りない部分がいっぱいあった中学生のイキリムーブ。
今になっては恥ずかしい黒歴史なのだ。
車を走らせ十数分、会社の駐車場に車を停め社内に入りエレベーターの階数をえらんだ。
「…はー、仕事嫌だ…」
新人の頃は色んな仕事をこなして飲み会にも特別な用が無ければいくような、上層部からすれば都合のいい新人社員だったから今は部長。
でも嫌われがちな部長も頑張っているし、もちろんストレスもすごく貯めている。
現に、昔なったことどころか聞いたことすらもないストレス性胃腸炎を抱えているのだし。
「おはようございまーす。」
「あっ、部長。
おはようございます、今日もお願いします。」
ペコリと軽くお辞儀する彼女は社内ではすごく礼儀正しい女性で仕事もするし助かっている。
「あ…あれ、、見てくださいよ
宮瀬さん。」
彼女に話し掛けると、はい?と返事する。
「ほら、、冬なのに晴れてる。
しかもここの地域けっこう寒いところなのに…」
「わーっ、ホントですね…
久しぶりに見ましたよ~、冬晴れ。」
そこからは、各々オフィスに戻り仕事をした。
テーマ:幸せとは
「…な、幸せってなんだろうな」
いつもなら、阿呆なことしかしないし思い付かないあいつにしてはシンプルだが賢そうな問い。
「幸せは人によってカタチがちがうっていうよな。でも、本質は同じと思うんだよ。」
「めずらしく、今日は賢そうなことを言うな。
まぁでもカタチの本質は同じなのかもしれないな。これは哲学になるが。」
あいつから出されたカモミールティを飲む。
本当ならレモンティがよかったんだが…レモンティのティーバッグが無いらしい。
どちらにしても安っぽい味にはかわりないし、それが普通だから気にしないが。
「…お前って哲学気にすんの?」
ぱくりと市販の数百円程度のお菓子を口に放り込むあいつに話し掛ける。
「…あーいや、昨日占いサイトしてさぁ、
”今の貴方の幸せは正しいものか考えてみましょう。幸せとはなにかを。”って書いてたから…」
あぁ、成程。
なんだか、今日は哲学じみたことを聞くな、とは思っていたが単純なことだった。
あいつらしいと言えばそこで終わりなのだが。
「なんと言えばいいのかね…
まぁ占いサイトなんてアテにならん。すぐにサイトを閉じてやめるのが賢明だろ。」
確かに、と一言言うと、またお菓子を頬張る。
俺の分を残すという選択肢はあいつには存在しないらしく、早いペースで食べ続ける。
「占いサイトはアテにならん、かぁ…
じゃあさ、俺が占いサイト始めてたらどうする?」
急に変なことを言う。
すぐに「友達やめるかな、それかすぐやめさせる」と即答するとひでぇ笑とそいつは笑う。
「…でも、大体なら誰でもそうするだろうよ。
だって、俺占い嫌いだし。
あんっな嘘っぱち要員好きになれん。占い師なんてただの詐欺師だし、あいつら、親に職業胸を張って言えないだろどうせ…それに……」
嫌いな理由を言い連ねていると、親でも殺されたのかよ笑笑とさらに笑うそいつ。
親は生きてるし病気でもない。
それはそいつがよく判っているはずなのに
「…もうそろそろ帰るよ。
俺レモンティじゃないと嫌だからさ。」
「このレモンティの過度な愛好家め…俺との会話を楽しもうとかは無いわけ~?!」
「無いって。
………お前は”あいつ“じゃないんだから。」
どろりと溶けるあいつのふりをしていたそいつ。
「妄想に付き合わせちゃって、ごめん。」
テーマ:一年を振り返る
「…眠………
今年は幾度となく早かったな…終わるの。」
布団にもぐりこみ体を暖めてゆくと眠気がおそってきて、ぼんやりと独り言をつぶやく。
「…ん“………眠…」
意識は途切れた。
「…ここは何処?
あぁ、もしかしたらここは夢?」
青年がパジャマのままむくりと起き上がると、ここは夢なのだとすぐに悟っていた。
薄暗くよくわからない。
身体は暗がりに比例し見えずらくなっておりとてもではないが動くことができない。
ふと、後ろを見ると
そこには、今の自分より小さく、髪型も、服装も、すべて変わっている昔の自分たちが居た。
「…お前ら、だれだ。」
自分なのだとすでにわかりきっているにも関わらずそんなことを聞く青年。 その昔の青年たちはとくに気にしていないように「昔の貴方です、全員。」と淡々と気にせずこたえた。
「昔の、っ俺、、、?」
小学五年生くらいの見た目の少年が、こちらにじりじりと近付いてきてこう説明している。
「今の貴方の記憶の中に残っている幼少期のころの記憶をすがたにして夢に出しているのです。
ボクは、貴方が発表会のときに、急にしゃっくりをしてしまったときの記憶のすがたです。」
恥ずかしい記憶だ。
確かに、先程からこの少年はしゃっくりをし続けており手にはメモがあった。
それはほんとうなのだろう。
「…じゃあ、中学生の頃にレポートを書き忘れて皆の目の前で怒鳴られた記憶は…」
「それは俺です。
怒鳴られたあげく、ぶん殴られて隣のクラスの担任教師が暴力問題と受け取りその担任はクビにされてしまったのですから、記憶には残るでしょう。」
そう言う学ランすがたの彼の頬には赤く腫れている傷がありとてもいたいたしく見える。
「…そうだよな。
他人の記憶とかは無いのか?」
「ありません。
ここには、貴方の記憶しかありません。
…それに、いわせていただきますが…貴方に他人の記憶などありませんでしょう?あったとて、特にはかわらないはずです。」
小学生のすがたの彼がそう言った。
「…は?
おれにだって、記憶程度、あるはずだろ!?なのになぜそんなことがいえるんだよ…っ!!」
「何故?それは僕達が過去の貴方だからですが。
よくいいますでしょう?“自分のことがわかるのは自分だけなんだ“と。それと同義ですよ。
貴方も、“生前“都合が悪くなったときによく使っていたでしょ?自分のことを理解した気になるな、とか、いろいろ使ってたでしょう。
思い出せ」
さっきまで丁寧な口ぶりだったくせにとつぜんそれをやめ、肩をがしりと掴む。
「か、っ…過去の自分だからって、!!
俺のことを理解した気になるんじゃねえよ!はやく記憶から居なくなれ…!いなくなれいなくなれいなくなれいなくなれいなくなれ…!!」
「お前はもう死んでる。
だからいなくなることはできません。」
そいつらはにやりと笑うと黒い霧の濃い方へ向かい霧によって消えていった。
「…俺は死んでない。
いきてるいきてるいきてるいきてる。」
ずっとここで
生き続けてやるから