NoName

Open App
11/4/2024, 10:24:45 AM

もうすぐで秋が終わる。
風はさらに冷たくなり、植物から元気がなくなる。
なんだが寂しくなる雰囲気の時期。
私は何をして冬を迎えようか。

11/3/2024, 10:25:30 AM

「ねぇ私」
部屋の姿見に向かって話しかける。
『なあに私』
鏡の私は微笑む。
鏡の私は社交的で、勉強できる凄い人。
なのに私は社交性ゼロで、勉強もできない。
「今日ね、クラスの子がね」
『そうなんだ、それで?』
今日も私は学校でのことを話す。
でもクラスメイトの話に私は入っていない。
「私も皆と仲良くなれればなぁ」
『人のことをちゃんと見てる私ならできるよ』
「そうかなぁ」
鏡の私は私の話を聞いて応援してくれる。
何でもできる完璧な私。
「いいな、私が鏡の私ならうまくできるのに」
『そうかな。…そうかもしれないね』
『ねえ私?』
「なぁに私」
鏡の私はにっこり微笑み、
『私たち、入れ替わろうよ』
そんな不思議なことを鏡の私は言った。
「そんなことできっこないよ」
『できるよ。』
『だって鏡の私と会話できるじゃない』
確かに、と納得して私は考え込む。

「……そうだね、入れ替わろう」
だって親も、私が完璧なのを望んでるんだもん。
『うん、入れ替わろう』
すると突然、眠気が襲ってきて私の視界が暗転した。

数日後、夕方になり私が帰ってきた。
『ありがとう、私』
『私が人のことをちゃんと見てたから、』
『私はうまくやれてるよ』
私はにっこり微笑み、最後に言った。
『ありがとね、入れ替わってくれて』
私はそう言うと外で待つ友人に会いに行った。
何もない鏡で私を待つ、愚かな鏡の私。

11/2/2024, 2:09:32 PM

眠りにつく前に、枕に香水をかけて横になり1日の
いい出来事を思い浮かべる。

沢山のいいことがあっても、どうしても亡き貴方を
思い浮かべてしまう。

あの日、トラックの運転手が酒なんて飲まなければ…
そう過ぎた事をずっと考える。
もう涙は枯れたと思ったのにまだ涙が出る。

貴方の好きな香水を使うのが習慣になってるのが原因と
思い、何度も捨てようとするが捨てられない香水。

いつになったら受け入れられるのか、そんな事を考えて
眠りにつく。

11/1/2024, 11:25:08 AM

彼女と付き合い五年。
お互い良い年だしそろそろ結婚…となった時だった。
彼女の病が見つかったのは。

現時点で治療法が見つからない難病で、できるのは
延命治療のみという絶望を医者に知らされた。
彼女は何も言わず俯いたままだった。

そこから私は彼女にプロポーズをした。
彼女は、
「長くは生きられないけれどいいの?」
と泣きながら言った。
「それでもいい。最後まで一緒にいよう」
そう言うとプロポーズを受け入れてくれた彼女。
急いで私は両家の顔合わせと式場の用意をし、
大きな結婚式を挙げた。

彼女の身体が動く限り色々な景色を見せたが、そんな
生活は一年で終わった。
想定していたよりも早く病が進行したのだ。
彼女は入院し、薬の影響で長い髪も抜けた。
「いい人を見つけて幸せになってね」
そう言って彼女は亡くなった。

そこから何年経っただろうか。
60を迎えた今でも私は再婚などしていない。
彼女の最期の望みは叶えてあげられなかったが、
あの日…結婚式で誓ったのだ。
永遠に彼女を愛すると。

10/31/2024, 10:19:01 AM

優しい人に囲まれて、勉強も運動も楽しくて、
毎日友達と楽しく遊んで暖かい布団で寝る。
そんな理想郷を夢見ていた気がする。

今、そんな理想を夢見ていた少女は成人して
ブラックな会社に在籍する。
「はぁ…」
他の人から押し付けられた仕事は終わらず、
まもなく12時を迎える。
「どうせこの仕事の分の給料は発生しないよな…」
そんなふうに考え、淹れたコーヒーを一口飲む。
「仕事辞めたい」
無意識に出た言葉だった。
仕事なんて辞めてしまいたい。
だが仕事を辞めても高卒の資格なしに仕事は無い。
だが苦手な上司に胃をやられながら働くのも正解に
思えない。
すると昔の理想郷が浮かぶ。
だが世間を知った今ではあんなのは不可能だと分かる。
所詮、理想は理想なのだ。

Next