優しい人に囲まれて、勉強も運動も楽しくて、
毎日友達と楽しく遊んで暖かい布団で寝る。
そんな理想郷を夢見ていた気がする。
今、そんな理想を夢見ていた少女は成人して
ブラックな会社に在籍する。
「はぁ…」
他の人から押し付けられた仕事は終わらず、
まもなく12時を迎える。
「どうせこの仕事の分の給料は発生しないよな…」
そんなふうに考え、淹れたコーヒーを一口飲む。
「仕事辞めたい」
無意識に出た言葉だった。
仕事なんて辞めてしまいたい。
だが仕事を辞めても高卒の資格なしに仕事は無い。
だが苦手な上司に胃をやられながら働くのも正解に
思えない。
すると昔の理想郷が浮かぶ。
だが世間を知った今ではあんなのは不可能だと分かる。
所詮、理想は理想なのだ。
10/31/2024, 10:19:01 AM