りんご飴

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1/31/2026, 10:14:32 AM

重い足を引きづりながら、辿り着いた先はある国だった。
なんとか国の中に足を踏み入れると、白衣を着た男が私に近づく。神妙な面持ちに気を引き締めるが、男は自身の肩を貸してくれた。周りにいた民が私を見て、声をかけてくれる。そのどれもが私を心配するような声だった。不思議と雫が頬を伝う。男はこちらを振り返り、ギョッとした顔で私を見た。
「痛かったですか?」
男が私の背中を擦る。今までと比較出来ないくらい、この国は優しさに包まれていた。
男は私の足を、丁寧に処置してくれた。そのまま、男は私に微笑みかける。
「旅人ですか?」
頷くと、男は私の手を掴んだ。
「町を、紹介しますよ」
その声に、私は目を細めた。あぁ、私の居場所が、ここだったら良いのに。太陽が、眩しく町を照らしていた。

旅路の果てに

1/31/2026, 12:49:58 AM

一輪の花を持って、私は、星空が輝く夜の街を駆けていた。愛しいあなたに届けたい、薔薇の花。
突然、顔に痛みが走る。そのままよろめき、倒れた。人とぶつかったらしい。花は、一枚落ちてしまった。
「大丈夫?」
聞き覚えのある声に、顔を上げた。愛しい、あの人の顔が、視界いっぱいに入っていた。彼の夜空の様な瞳に顔が熱くなっていくのを感じる。顔を背け、彼に一輪の薔薇を差し出した。
彼は、はにかんだ笑顔で、それを受け取った。
流れ星が、夜空に流れた夜。二人で手を繋ぐ。彼の暖かい手にドギマギしながら、わたし達は家へと向かった。

1/28/2026, 12:15:43 PM

目に映る光景は、木々と山ではなく、沢山のビル。拳を握り、深く息を吸う。ついに、街へ行く時が来た。
人混みが、私を揉みくちゃにする。太陽がコンクリートを照りつけ、額が汗を伝う。そんな中、私は背の高いビルを見上げた。見たことがない物達に、思わず目を輝かせてしまう。信号機の色が青に変わり、歩き出す。様々な人のファッションに目移りする。
ドンッと左肩に強い衝撃が走った。痛みとともに前を見ると、小柄な少女がよろけていた。涙目な少女に、手を伸ばす。少女はしっかりと私の手を掴んだ。少女の黒い純粋な瞳が、煌めいた気がした。
少女は、ふわりと口角を上げた。心臓が飛び跳ねる。私も、少女に笑いかけた。

街に行ったら、素敵な出会いが出来た。そう、メモを残した。

1/27/2026, 10:41:15 AM

彼女は、皆に分け隔てなく優しかった。それが不思議でたまらなかった。何故、全員に優しく接するのか。好奇心のまま、凍えるような寒さの日、私は彼女にナイフを突き付ける。彼女は少し目を見開き、私に対して手を伸ばしてきた。
「なぜ、そんな事を?」
彼女の純粋な疑問。それに私は答えなかった。
ナイフを構える。寒さからか、微かに震える手を、必死に抑えた。彼女は、それでも私に笑いかけた。
「大丈夫。貴方は悪くないわ…」
彼女が私に近づいた。一歩、私は引く。
躊躇いなく彼女はナイフを私から取り、自身に突き刺した。
「え」
声が、漏れる。彼女はうめき声と共に、倒れ込んだ。駆け寄ると、実際はナイフを刺したように見えただけだった。好奇心が、呆れに変わる。彼女は聖母の様な微笑みをむけた。
「これが優しさか…」
そう、空虚に私は呟き、口角を上げた。私の不器用な笑みに、彼女は目を細める。
ある、冬の事だった。

1/27/2026, 12:56:32 AM

暗闇が、部屋を呑み込んでいる。月だけが光の空間。時計の針は、十二時丁度を差していた。
何かが蠢く音がする。可愛らしい動物のぬいぐるみ達が不自然に立ち上がり、舞を踊り出す。くるくると回り、他のぬいぐるみと手を繋ぐ。クマのぬいぐるみは食器棚にあった皿を、スプーンで叩きはじめた。まるで、一つの合奏だ。月はスポットライトの様に、ぬいぐるみ達を照らしていた。
ミッドナイト、秘密の舞踏会

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