末永く一緒にいたい
嘘じゃなく言えるのは
君にだけ
「僕もだよ」と
君が言えるのも
私だけでしょう?
ペアリング欲しい?
そうLINEで訊いてくる君が
なんだか愛おしくて
それに歯止めをかけなくていい
それが愉快だった
愛って信じることなんだろね
君の世界を信じること 思うこと
君が私のために
「いなくならない」
と言ってくれたあの日から
それでも君を疑ってしまう
目を閉じて
また開く
じゃあもいっかい
できるかい?
無理だな
次はだめかもしれない
ああこわい
だけど幸せだぁ
人混みで手を離すことはできるのに
アパートの一室では躊躇ってしまう
「大丈夫だから」と君が優しく言うのに
子供みたいに
なぜか今日も泣いてしまった
本当はわかってんな。
私が消えてなくなりそうで
君も消えてなくなりそうで
何を守って生きればいいのか
わからなくなってハグをしている
どうとでもできる未来と
どうにでもなる未来と
そんな力を持ってしまって
それがこわいんだと思うんだ
君を巻き込みたくはないんだ
ねえ"今"にいようよ
未来に住むのはやめようよ
なんてそんなことを言い聞かせるのは
いつも君のいない部屋の中
君の大好きなあいつは
午後6時に来て
いつも言うんだ
「カレーください。肉多めで」
「私、肉苦手なんだよね。脂身が駄目なの」
君も僕と同じだった
僕が作るカレー
君はいつも何を思って食べてるんだい
どろりと溶けていく
大好きなのに
嫌いになってく
いやいやと首を振っては
また塊を少しずつ
「じゃがいもを潰すとマイルドになるよ」
そう教えたから
君によく似たあの子は
カレーが大好きだと笑った
僕のエネルギーが
巡り巡って糧になってく
爆発したい
そうでしか嬉しいを表せない
とろりと光沢を見せつける
僕の好きは陰に隠れて
ただ君の「美味しかった」が
少しでも長く浮かんでいたらな
どろりと溶けていく
流れ込む、奥の奥にまで
僕の手から匂いがする
今君が食べてるものと同じ匂い
ああなんて幸せなんだ
若気の至りと
若気の至りが
すれ違って老いていく
その軌跡の傍を今日も
ある街のお話
世界が平和になればいいのに
そしたらとても生きていたい
そう思うのに
埼京線のホーム 川越行き
列に並んで
飛び降りることなんか考えない
電車が来るたび
ぴっちりと決められた時間に
首を絞められて
笑いながら崩れ落ちる
そんな妄想にまた笑える
ウォークマンを弄びながら
ワイヤレスイヤホンを耳に押し込み直す
目を閉じて 見ないふりをする
ムカつく顔のサラリーマンが
ジロジロ見てるんだ
殺したい 死にたい
でも生きたい
だから僕を忘れてくれ
見てんじゃねえ ちゃんと僕を見ろ
もう何も見たくないような世界なんだ
服のサイズは過剰にオーバーで
何もかも隠してくれたらいい、なんて
思ってるうちにまた視線を感じて
振り返ってわざと目を逸らす
うるさい 何がかわいいとか
何が似合うとか どんなシルエットとか
ほっといてくれ
僕だって気にしたくないさ
でも気にしなきゃまた傷つくから
削ぎ落としたい
カッターを手に取る
ぶっ刺したい 気持ち悪い
触んなよ こんなもんくれてやる
要らねえ
僕の望みは名前なんかつけなくていいような世界
僕の未来は笑ってる世界
僕の理想は好きで溢れてる世界
僕の目標は強く立ってられる自分
お願いだから わかってくれ
もう諦めたいなんて言いたくもない
息ができなくなった時
そんな風に手を差し伸べるなら
あなたはその世界から逃れられてないんです
わかる わかるよ
誰よりもがんじがらめにされてるのは
僕なんだから
僕じゃないか
僕なんかにできるかな?
世界を変えることなんて
そんなことを考えながら
今日もホームに佇みに行く
さよなら、と恋人の隣で呟いた
愛娘の隣で眠るあなたに
そっと闇を見つめ光を思い出す
私にしか見えないような歪な恋を
淡いわね 甘いわね
苦くて強烈な決意なの
あなたの匂いに魂が嬌声をあげる
あなたの指先に全身が喘ぐ
ひとつだけあなたがくれる
毎朝の魔法
「 」
私の名前 苗字で呼ぶのね
愛ならばまっすぐだわ
恋ならば拗らせてるの
恋人は言うのよ
「幸せそうだね」と
愛せるのなら幸せなの
見ていられるならもう十分ね
私が何を望んでるかって
あなたが今日も眠れること
恋人と指を絡め
またあなたを思い出してしまう
薄れゆくあなたの影を
心の片隅で
いつか忘れるわ
最後に抱きしめたあなたのことなんて
きっとね だから元気でいて
あなたの顔を思い出して
これでおしまい
笑ってみせる
さよなら、