きゅっ、と、君の体温
君の手のひらはあったかいんだね
雨で濡れてる傘の柄に手を添えた私の手の甲
に手を添えて、きゅっ、ぎゅっ、と君の
知らんふりして歩き続ける君の
横顔が微かに笑ってて
その目が地平線の果てまで優しくて
灰色の世界が水玉で溢れた
青い匂いに、君の匂いが重なった
もうすぐ、傘をしまう頃
「君は不安定だね」
暖かい夜の中で、音もなく潰される
振り返らなくてもわかってる
そこにいるのは、強いと言われるあの人たち
強いと言われるあの人たちは、
僕の苦しみを味わったことがないから
強いと言われるあの人たちは、
初めから光のある場所に生まれたから
闇の中で育ってきたんだ
僕自身の中に流れている
彼らの血に絶望しながら
光を当ててくれたのは
強いと言われるあの人たち
眩しすぎて何も見えない
闇に戻って目を覆った
光がすぐ近くにあるというのに
どうしても傷ついてしまう
でもね、ある人がこう言ってくれたんだ
「君は逃げずに考える
それは弱いということではないんだよ」
それはいつか、強さに変わるんだと
自分の中で光をつくろう
自分自身が光になろう
本当の闇からじゃないと
それが光かなんてわからないから
いつかそれは誰かにとっては
眩しすぎるものになるけど
僕にとってはなんてことないものになる
僕の闇は僕が呑むよ
照らしてくれてありがとう
裏切られた。そう言ってしまいたい。
だから、これが本心。
なんで、好きになるかなあ。
親友、って言ったよね。
なんで後出しじゃんけんみたいに言うんだよ。
私に恋をする君なんか嫌いだよ。
「裏切られたって、期待したのは自分でしょう?」
そうかなあ。じゃあ私が悪いのかもね。
君に向けていた大切は、どこ行ったんだろ。
君にとっては何も変わらない日常だろうね。
でも、私は1番大切な友達を失くしたんだよ。
君にとっては最初から友情じゃなくて、
私にしてみれば1ミリも恋愛とは関係なくて、
共通項といえば「大切だ」というその一言。
たったそれだけで、3年間も君を1番信じてた。
あんまりだよ。
歪なようで
でもそれが完全体で
いつまでもできあがることはない
でもそれが大正解
間違いです
間違ってます
そう吐き捨てたのに
それこそ正常だと
「みんな」が言う
苦しいな
死にたいな
こんな思いすんなら
もう諦めたいな
僕がいつまでも駄目だと言われんのは
それでいいと思えないから
だけど立ち止まっちゃったら
なんもつくれないから
生きてるだけでいいとか
生きてりゃいいことあるとか
そゆこと言うおっさんに吐き捨てる
じゃあ僕と同じもんつくるか
僕よりすごいもんつくってみろ
死にたいから
生きてられる
きもいまま
また眠る
嫌わないで、が透けて輝く
「どんな君でも好きだよ」
それが『愛の言葉』だと
あの日教えられた
ありがとうを言えないまま
まだ何も言えないまま
溶けていくのは理性の壁
流れ落ちるのは只の欲
何も言わないで
それでいいよ
君に救われながら
君をおとしめた
それも終わりにしよう?
もう、来ないで。