歪なようで
でもそれが完全体で
いつまでもできあがることはない
でもそれが大正解
間違いです
間違ってます
そう吐き捨てたのに
それこそ正常だと
「みんな」が言う
苦しいな
死にたいな
こんな思いすんなら
もう諦めたいな
僕がいつまでも駄目だと言われんのは
それでいいと思えないから
だけど立ち止まっちゃったら
なんもつくれないから
生きてるだけでいいとか
生きてりゃいいことあるとか
そゆこと言うおっさんに吐き捨てる
じゃあ僕と同じもんつくるか
僕よりすごいもんつくってみろ
死にたいから
生きてられる
きもいまま
また眠る
嫌わないで、が透けて輝く
「どんな君でも好きだよ」
それが愛の言葉だと
あの日教えられた
ありがとうを言えないまま
まだ何も言えないまま
溶けていくのは理性の壁
流れ落ちるのは只の欲
何も言わないで
それでいいよ
君に救われながら
君をおとしめた
それも終わりにしよう?
もう、来ないで。
涙で見えない
あなたが暖かい
優しい言葉ばかり
その中に孤独な優しさ
散らばった言葉をまた散らばす
砂利を踏んづけ言葉を探す
でもただこの腕が
回されたこの腕が
私を離さないのなら
もうそれでいいや いんだよね
「孤独なのね」
そうなのかもね
苦しいことばっかり
な訳でもないよ
また明日っていう間もなく
あなたと一緒に朝日を出迎え
もう寝ようかって畳に転がる
愛してる、の一言だけが
言えない、そんな大好きを
重たい過去の感情が
どうにも耐えきれないんだけども
あなたが無邪気に信じてくれて
どうにか笑ってられるんだ
ねえ幸せだよ、ありがとう
絵文字で誤魔化すこの闇も
まどろみに潜むあの穴も
拭いきれないその壁も
全部私のせいだから
愛してるって言ったんだ
大好きだって思ったんだ
だけどごろごろ動くのは
重くて黒いあの感情
夜の街に潜むあの感情
タバコの煙に誘われて
奥へと歩いていく私
隣に君がいてほしい
あなたはここに来ちゃ駄目だよね
私が何とかするからさ
街の灯りに照らされて
幸せそうに息吐いて
それがあなたのいる世界
それが私じゃない世界
脳を揺らす
啜り上げる
鼻水が垂れた
違うや
赤い赤い糸
シャツにポタ
じわりと花開く
どうでもいい
ただひとつだけ
殺
違う
それもどうでもいい
死
そう
それでいい
あなたが私に赤い糸を垂らした
あなたが私の赤い糸を手繰る度
見えない糸があなたを縛る
あなたの糸は私が垂らす
遠い遠い未来で
今はあなたが垂らす番
ね?
寝ぼけた頭で蝉がうるさい
そんな夢を見た
冷蔵庫を漁り結局閉める
氷をがりがり齧りながら
ケータイを手に取り時刻を確認
6:00
あー、と漏れた声がやけに涼しい
鳥の囀りと木漏れ日が爽やかで
まだ涼しいなと思える内に
計算ドリルを開いてみるのだ
ぱらりと紙が小気味良い
鉛筆を削り尖らせる
脳がとろけ数字が絡み
8時になればイライラしてくる
あ、暑いのか、と気づく前に
兄が宙に向かって腕を伸ばす
それを合図にブーンという機械音
ありがとう、と言ってドリルを閉じる
もういいだろう、今はまだその余裕で
だって
夏休みが始まった