やまめ

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7/9/2024, 3:53:22 AM

涙で見えない
あなたが暖かい
優しい言葉ばかり
その中に孤独な優しさ

散らばった言葉をまた散らばす
砂利を踏んづけ言葉を探す
でもただこの腕が
回されたこの腕が
私を離さないのなら
もうそれでいいや いんだよね

「孤独なのね」
そうなのかもね
苦しいことばっかり
な訳でもないよ

また明日っていう間もなく
あなたと一緒に朝日を出迎え
もう寝ようかって畳に転がる
愛してる、の一言だけが
言えない、そんな大好きを

重たい過去の感情が
どうにも耐えきれないんだけども
あなたが無邪気に信じてくれて
どうにか笑ってられるんだ
ねえ幸せだよ、ありがとう

絵文字で誤魔化すこの闇も
まどろみに潜むあの穴も
拭いきれないその壁も
全部私のせいだから

愛してるって言ったんだ
大好きだって思ったんだ
だけどごろごろ動くのは
重くて黒いあの感情
夜の街に潜むあの感情

タバコの煙に誘われて
奥へと歩いていく私
隣に君がいてほしい
あなたはここに来ちゃ駄目だよね
私が何とかするからさ

街の灯りに照らされて
幸せそうに息吐いて
それがあなたのいる世界
それが私じゃない世界

7/1/2024, 7:24:08 AM

脳を揺らす
啜り上げる
鼻水が垂れた
違うや
赤い赤い糸
シャツにポタ
じわりと花開く
どうでもいい
ただひとつだけ


違う
それもどうでもいい


そう
それでいい
あなたが私に赤い糸を垂らした
あなたが私の赤い糸を手繰る度
見えない糸があなたを縛る
あなたの糸は私が垂らす
遠い遠い未来で
今はあなたが垂らす番
ね?

6/29/2024, 6:33:08 AM

寝ぼけた頭で蝉がうるさい
そんな夢を見た
冷蔵庫を漁り結局閉める
氷をがりがり齧りながら
ケータイを手に取り時刻を確認
6:00
あー、と漏れた声がやけに涼しい
鳥の囀りと木漏れ日が爽やかで
まだ涼しいなと思える内に
計算ドリルを開いてみるのだ
ぱらりと紙が小気味良い
鉛筆を削り尖らせる
脳がとろけ数字が絡み
8時になればイライラしてくる
あ、暑いのか、と気づく前に
兄が宙に向かって腕を伸ばす
それを合図にブーンという機械音
ありがとう、と言ってドリルを閉じる
もういいだろう、今はまだその余裕で
だって
夏休みが始まった

6/21/2024, 4:45:16 PM

白い帽子に手を添えて
三つ葉片手に振り返る
まんまるほっぺた落っこちそう
ふにゃんと笑う口からは
涎がダラダラ出てました
この手を伸ばして拭うけど
涎かけはもうキャパ越えて
仕方がないかと諦めた
引っ込むその手を捕まえて
さも嬉しそうに笑う君
休日午前のおひさまに
照らされ光る生えたての
溢れんばかりに白いその
乳歯が何より好きなのです。

6/20/2024, 2:13:11 PM

明日なんて来るな
あなたのせいだ
そう認めるのにもう
何年かかった?

耳の後ろで低い声
ざらついた髭みたいな悪寒
肩が跳ねる
首を折りたい
それくらいこわい

夏が来る
はしゃぐ子供達
寮の廊下は荷物で溢れる
海苔の佃煮みたいにドロドロと
吐いてしまいたいなぁ

助けてと言えないから
過剰に助けを求めてみたの
そしたらまるで弱い子みたい
情けないな
私にはお似合いだ

誰にも分りゃしない
いっそわかってしまえ
もっと私を惨めにさせてみろよ
殺してみろよ
なんだっていいんだから
顔面にクソ喰らえ

「やっぱ家族っていいよなあ」
これくらい流せ笑えできないなら死ね
そう罵倒してもう何時間経った?
もうなんだっていいや
とりあえずあとで手首を切ろう
あの鋭い痛みを待ち焦がれる

気持ちよかあないさ
痛いしこわいさ
でもここでボロ出す方が
よっぽどひでえな

私が悪い 全てだめだ
カッターの音に涎が出る
殺すぞ黙れよ
自分に言ってたはずなのに
いつしかひとつの言葉になるんだ
もう頼むから死んでくれ
私の世界で

あなたがいたから
傷つき方も忘れた
あの子がいたから
生きたいと言えた

逃げたから
生きている
逃げるから
生きていく

どうかどうか
叫び出す前に
狂い切る前に
明日が楽しみだ
眠る前に思えたんだ
それを幸せに思う
そんな世界にいたいんだ

あなたに言いたいこと
口を噤むけど
今日が楽しいよ
あなたのいない街で

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