君の大好きなあいつは
午後6時に来て
いつも言うんだ
「カレーください。肉多めで」
「私、肉苦手なんだよね。脂身が駄目なの」
君も僕と同じだった
僕が作るカレー
君はいつも何を思って食べてるんだい
どろりと溶けていく
大好きなのに
嫌いになってく
いやいやと首を振っては
また塊を少しずつ
「じゃがいもを潰すとマイルドになるよ」
そう教えたから
君によく似たあの子は
カレーが大好きだと笑った
僕のエネルギーが
巡り巡って糧になってく
爆発したい
そうでしか嬉しいを表せない
とろりと光沢を見せつける
僕の好きは陰に隠れて
ただ君の「美味しかった」が
少しでも長く浮かんでいたらな
どろりと溶けていく
流れ込む、奥の奥にまで
僕の手から匂いがする
今君が食べてるものと同じ匂い
ああなんて幸せなんだ
6/12/2024, 12:21:54 PM