Sweet Memoriesといえば、ペンギン!
まず浮かんだのはそれ。
それ以外の甘い思い出なんて…いや、あったけどさ、人に言うもんじゃないよね。
まさに、懐かしい痛みだよ。
若気の至りとも言う。
テキトーに語ろう。
このお題、もうそれしか逃げ道はない。
えーと、じゃあ、最近の楽しいこと。
このアプリで今まで書いた物語を、10話ずつひとつの超短編小説集としてWordでまとめて、それをKindleに送って、ちょっと電子書籍化された気分になって悦に入っている。
このアプリ上で読むのと何が違うんだ?という声もありそうだが、気分だよね、気分。
自分の好きな小説家の作品に混じって自分の作品があるだけで、テンションが上がる。
まあ、まだ表紙も作ってないし、横書きの状態。
小説っぽく縦書きにしたいんだけど、Wordで縦書きにしてKindleに送ると、縦書きの左スクロールになってしまう。
右から左に読む縦書きの左スクロールは気持ち悪い。
もう少し調べれば解決出来るのかもしれないが、今はまあとりあえずこれで。
いずれは、娘にでも表紙をデザインしてもらって、製本化なんてされたら、と夢は膨らむ。
これはかなりのモチベーション。
10話で一冊。それがもう10冊目。
100話の超短編をKindleに送った。
でもまだ作業途中で、まだまだ作品はある。
一年半くらいこのアプリで日々書いてきたが、その中から、物語と呼べそうなものだけをピックアップ。
今回のような戯言回は除く。
このアプリからWord、そしてKindleへの一連の作業をスマホだけで出来るようになったから、通勤電車の中や、仕事中にだってこっそりやれる。
これが今のライフワークみたいなもんだ。
いつか、年老いた自分が今を振り返って、
「あの頃は小説家気取りで調子に乗ってたな。若気の至りってやつじゃな」
なんて、若くもない今を思い出すのだろうか。
まさに、懐かしい痛みだよ。
Sweet Memories.
風とともに去ることも出来ず、歩道に立ち尽くしていた。
君からの平手打ち。
僕達の黄金時代は終わってしまったらしい。
こっちはまさに、風と共に去りぬ。
痛む頬に手を当てて、去りゆく君の背中を見つめている。
男と女なんて、うまくいく方がおかしいんだって。
お互いがお互いを求める関係なんて、きっとどこかで軋轢を生むんだって。
そのうち邪魔くさくなる。
どちらかが先に鬱陶しさを感じたら、もう片方もその態度に嫌気が差してくる。
根本が、負けたくない、負けられない関係だからね。
だけど、一方的にビンタされて終わるとは思わなかった。
しかも、こんな公衆の面前で。
僕にだって、恥も外聞もあるってのに。
目の前を、ベビーカーを押した母親が通り過ぎてゆく。
気の毒そうな視線をこちらに向けているような気がしたのは、単なる被害妄想だろうか。
まあ、仕方ない。
頬の痛みは引かないが、ここは潔く身を引くしかないか。
こんな場所でこんな状況にされたら、こっちの愛想も尽きるってもんだ。
気持ちいいくらいに二人の関係を木っ端微塵にしてくれたね。
ありがとう。
最後まで君には感謝しっぱなしだよ。
さてと、何か美味いもんでも食いに行くか。
一人飯だって美味いもんは美味い。
腹いっぱい食って、コンビニでお酒とか買って帰ろう。
気ぃ抜いて観られるB級映画で夜更かしして、涙はすべて、お酒と映画のせいにして。
一人なら、気兼ねなく泣いて好きなだけ飲める。
うん、そうだよ。
心が苦しくて仕方がないんだ。
こんなはずじゃなかったんだけどな。
ここから歩き出す。
まだ先は長い…たぶん。
長くあって欲しい。
二つ目の信号待ちで、道に迷う外国人に声をかけられた。
自分も目的地への行き方を知らなかったから、一緒に歩きながら探し回った。
やっとそのお店を見つけた時の彼らの笑顔に救われる。
救って、救われた。
先の見えないカーブの手前で、見知らぬ老人に「この先は危険だから迂回しろ」と脅される。
近道なんだけどな。
仕方なく道を逸れて、少しだけ遠回り。
見ると、自分が進もうとしたカーブの先で、暴走車がクラッシュして煙を上げていた。
交差点の角にあるコンビニで、懐かしい友人に出会う。
最近何してんの?と聞いたら、怪しげな団体への入会を勧められた。
嬉々として人生の素晴らしさを語られる。
幸せそうだけど、自分が描く幸せの形とは違う気がして、コーヒー買って店を後にした。
広い公園を横切る。
たくさんの人達が思い思いの時間を過ごしている。
子供が蹴ったボールが足元に転がってきたので、カッコよく蹴り返そうと思ったら派手に転んだ。
慌てて立ち上がると、ボールはあらぬ方向に飛んでいっている。
ボールを追いかける子供達。…すまん。
郵便局で切手を買った。
誰かに手紙を出す予定はない。単なる気まぐれ。
ここしばらく、連絡を取ってない人達の顔を思い浮かべた。
悲しいかな、それほど多くはない。
だけど、本当に大切な人達と、直接話せることが何よりの幸せ。
この切手を貼って、今度また会いたいね、と手紙を出そうかな。
歩き出したけど、そんなに特別なことは起きない人生だ。
でも、いろんな人達と関わってきたと思う。
これからも関わっていくのだろう。
振り返る人生の軌跡は、イイことばかりじゃないし悪いことばかりでもない。
きっとこれからも同じなんだろうな。
うん、何だか楽しみだ。
今は、突然の夕立に、人気の消えた商店街の軒先で雨宿り。
通り雨だ。すぐ止むだろう。
先客がいた。うずくまる三毛猫。
恨めしそうに雨空を見上げている。
お前も大変だと思うけど、お互いにのんびり頑張って生きような。
猫は俺を見て、ニャアと鳴いた。
清純派女優の不倫だとか、国民的タレントの性加害だとか、人は見かけによらず、イメージに騙されたり、勝手な思い込みをしたり。
そして、裏切られたと嘆く。
SNSで罵詈雑言を送りつける。
時には、何かの間違いだと彼らを擁護し、彼らの謝罪ですらも信じようとしない。
人は自分の意思で生きる。
誰の指図も受ける謂れはない。
ましてや、ファンと公言する存在など、彼らの人生にとって間接的に絡む程度のものであって、彼らの人生を左右する力など持ち合わせてはいない。
にもかかわらず、裏切られたと嘆く。
落ち込み、憤り、中には攻撃を仕掛ける者、我が身を傷付ける者もいる。
家族や恋人、ともに生きるパートナーであれば話は別だ。
自分の人生に融合して存在するものだから。
だが、画面や紙面の向こう側の彼らはどうだ?
憧れ追いかけるための存在だが、肌に触れることも難しく、心を通わせることもままならない。
そんな存在が、自分の思うがままに生きたからといって、当事者以外の誰に咎められる理由があろうか。
まあもちろん、ずっと憧れ追い求めてきた者からすれば、好きになれない、だが嫌いにもなれない狭間に苦しむこともあろうが、それが推しを尊ぶという行為の代償なのではないだろうか。
まさに、推ししか勝たん人生を送っているが故の苦悩だ。
至福の苦悩ではないかと思う。自業自得とも言える。
いずれにせよ、他人に依存する限り受け入れるしかない、推し活に付随する試練ということになろうか。
例のごとく、ずらずらと書いているうちに訳が分からなくなるパターン。
だがまあこれも、書く習慣を身に付けるための一工程だ。
甘んじて受け入れよう。
好きにも嫌いにもなれない、自分の作品をいつの日か、両手放しで「好きだ!」と言えるように。
昨日、後輩から相談を受けた。
職場の先輩を好きになったと言う。
どうすればいいかと判断を求められて、それはあなたの思うがままに、とアドバイスをしたが、相手は誰かと聞いてみたら、私の彼氏だった。
後輩は、私達の関係を知らない。
だからこんなことも起こり得るんだろうけど、何でよりによって私に相談してくるのか。
そして、あなたの思うがままに頑張って、とエールを送った私のアドバイスは、結果自分の首を絞めることになるのだろうか。
昨夜、帰宅したら、彼からLINEがあった。
仕事の帰り際、例の後輩に声をかけられて、告白されたと言う。
早い。早すぎる。
さて、これを私に報告してくれる彼の行動を喜ぶべきか、訝しむべきか。
彼は正直な人だ。黙っていられなかったのだろう。
そしてその告白が、嬉しかったとも言っていた。
後輩は、若くて可愛い。そりゃ嬉しいだろうな。
わざわざ伝えてくれなくてもいいのに。
彼女は明日も頑張るだろう。
何故って、人生の師とも言えるほど経験豊かそうな先輩に、そうアドバイスされたんだから。
眠れない夜。
悶々と、考えても意味のないことを考える。
私のアドバイスは、何か間違っていたのだろうか。
でもあの時は、彼女の意中の相手が誰かなんて知らなかった。
諦めなさい、なんて言う理由がない。
じゃあ、明日会ったら、彼は私の恋人だと告げようか。
だから諦めなさい、と?
昨日とはまるで正反対のアドバイスを?
誰かを好きになることは自由だ。
私にそれをやめさせる権利なんてない。
あとは彼がどう動くか、それに尽きるのだろう。
それなら、この眠れない夜にも意味はない。
どうにもならないことだから。
後輩の屈託のない笑顔を思い出す。
仕事も恋愛も希望に満ちて、前に突き進むことに不安を感じる隙間など無いように見えた。
いや、実際には彼女なりの不安や悩みもあるのだろうが、それを乗り越えてゆくメンタリティを感じた。
心のどこかで、彼女を応援したくなる。
だけど、彼への恋愛と、彼女への親愛を比べることなんて出来ない。
私だって、幸せになりたいんだ。
結局、眠れないまま夜が明けた。
私が出した答えは、すべて正直に打ち明ける、というもの。
その上で今後起きる葛藤や困惑は、甘んじて受け入れよう。
たとえどんな状況に陥ったとしても、この夜のように、きっと夜明けはやってくる。
私も彼女も、ただただ、幸せになる道を模索しながら生きるのみ。
いつもよりちょっと濃いめのメイクを終えて、玄関のドアを開けた。