Ryu

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7/5/2024, 3:49:13 PM

星空はメルヘンだけど、宇宙の星達は、メルヘンとは程遠く、人類にとって過酷で無骨な地表や大気に覆われていると…「エイリアン」や「アルマゲドン」なんかを観て思った。
実際のところは、行ったことがないから知らんけど。

夜空に浮かぶ星のどれかひとつに飛んでいって、その星から夜空を見上げたら、その無数の星のどれかひとつがこの地球で、探すことも困難かもしれないけど、その星には何よりも大切な人も含め80億を超える人達がいる訳で、でもその時の自分にとっては無数の星達の中のひとつでしかなく、もし目の前でその星が消滅したとしても、「あ、消えた」ぐらいの感覚にしかならない訳で。

「あ、消えた」の瞬間に、この地球ではどんなことが起こっているのか。
まあ、阿鼻叫喚の地獄絵図だろう。
そんなことは、メルヘンチックに星空を見上げていても気付きやしない。
流れ星だってそうだ。
メルヘンチックに願い事をするつもりが、そのまま地球に落下して阿鼻叫喚の地獄絵図となる可能性はある。

ちなみに、メルヘンってドイツ語なんだ。
しかも、メルヘンチックは和製語。
知らんかった。
モノ書いてると勉強になるな。
メンヘルは…まあ、どうでもいいか。

強引に星空の話。
故郷に帰って夜空を見上げると、見える星の数が違う。
恐怖を感じるほどの星空だ。
これを、メルヘンと呼べるのか?って話。
いや、メルヘンとか言い出したのは自分だが…何にせよ、宇宙は神秘であり、脅威であり、ロマンだよなって話。

人類がどれだけ進化しても、文明がどれだけ進歩しても、宇宙のすべてを知ることは不可能だと思う。
まさに、神のみぞ知る、ってやつか。
神様が、記者会見でも開いてくれたらいいのにな。

7/4/2024, 12:36:56 PM

宇宙人はいるかって?
そりゃいるよ。
君達が存在してることが何よりの証拠でしょ。
いないと思う方がおかしい。

幽霊?
それもいるよ。
死んで終わりじゃ寂しいからね。
後日譚みたいのがあってもいいっしょ。

UMA?
UMAってあの、雪男とか河童とか?
それは作った覚えがないな。
君達が勝手に想像して創造したんじゃない?

運命…?
ああ、君達がコントロールされてるかってこと?
そんなことしてないよ。
メンドくさいから、好き勝手にやらせてる。

ああ、そのせいで地球が大変だって話?
んなこと言われても、自業自得じゃん。
それとも、がんじがらめが良かった?
自由に恋愛も出来ないんだよ?

地球の未来?
さあね、知ってるけど、教えてはあげない。
だってどうなるか知ったら、君達、生きる気力を失くしちゃう…いや、聞かなかったことにして。
嘘嘘、神様もたまには冗談かますんだって。

7/3/2024, 12:22:10 PM

「この道の先に、ホントに旅館なんてあるの?」
そんな山道だった。
舗装もされておらず、しばらく人の通った形跡もない。
迷い込んでいく感覚しか持てなかった。

果たして、旅館はあった。
歩き疲れて、案内された部屋で大の字に寝転がる。
すぐに夜が来て、夕飯は広い食堂に一人きり。
確かにオフシーズンだけど…秘湯で人気のある宿って…。
その秘湯は最高だった。満足して布団に入る。

深夜、目が覚めて、部屋の天井に張り付いている女を目撃。
蜘蛛のように天井から降りてきて、私に言った。
「イマスグニカエレ」
…いやいや、もう一度くらい秘湯を楽しまないと。
どれだけの思いでここまで来たと思ってんの。

夜は明けない。
朝風呂を期待していたが、昨夜のお風呂が最後の贅沢だったようだ。
そういえば、ここに来る途中で事故にあった。
家族で、車で出掛けたはずの温泉旅行。
助手席の妻と、些細なことで口論になって、イライラしながら運転が雑になって、高速で中央分離帯に突っ込んで。

天井の女は、ずっと部屋の隅でぶら下がっている。
あれは妻の変わり果てた姿だ。
子供達はどこだろう。
部屋の窓に、巨大なナメクジのような生き物が張り付いている。
まさかあれが…いや、考えるのはよそう。

暗闇の中で、妻のような存在に話しかける。
「悪かったな…俺の運転のせいで」
黒い影がモゾモゾと動き、天井からすぅーっと降りてきて、言った。
「ザンネンダケド…シカタナイ」
「つまんないことでムキになって、せっかくの旅行を台無しにして」
「ザンネンダケド…シカタナイ」
「ここの温泉、良かったよ。お前達も…」
「イマスグニカエレ」
「えっ…?」
「イマスグニカエッテ…アナタダケデモ」

目を覚ました。
高速のサービスエリア。
子供達のトイレを待っている間に、車の中で眠ってしまったらしい。
助手席の妻が、
「疲れてるんだね。運転代わろうか?それとも…今回は近場にする?」
と聞いてきた。

帰ろう。
この道の先には、きっと何か、良からぬものが待っている。
そう思いながらも、抗えない何かに操られて、私は言った。
「いやいや、せめて一度は秘湯を楽しまないと。
 どれだけの思いでここまで来たと思ってんの。
 簡単にやめようとか言ってんじゃねえよ、バカ」

7/2/2024, 12:06:20 PM

薄明光線、光芒、天使の梯子、天使の階段。
カッコ良すぎる。
雲の隙間から、太陽の光が差し込む、あれ。
壮大なBGMが流れそうな、厳粛なナレーションが似合いそうな、あれ。
まさに、神のなせる業って感じ。

普段の太陽の日差しでは、あの放射状の光線は見えない。
雲に隠れてそこに綻びが出来て初めて、あの神々しい現象を拝める。
フランダースの犬とか、天気の子とか、描写の美しい作品にも度々登場する。
都庁のプロジェクションマッピングのように、膨大な費用もかからない。

あの光景を見ることが出来た日は、自分の中でラッキーデイとしよう。
青空や白い雲、赤い夕焼けも好きだけど、灰色の雲に覆われた空から黄金のような光が差し込む様は、神がかっているとしか思えない。
いつまでも眺めていたら、御神託がもらえるんじゃないかと錯覚してしまう。

たかが日差し、されど日差し。
実際には、神のなせる業ではなく、太陽と雲のなせる業。
ひいては、自然のなせる業ってことだ。
自然、カッコ良すぎる。推しにしようかな。

7/1/2024, 2:16:37 PM

毎朝、仕事に向かう電車。
その窓越しに見えるのは、君が閉じ込められている場所。
もう何ヶ月になるだろう。
前回会いに行った時には、君もあの場所の窓越しに、僕の乗る電車を見送っていると言っていた。
君の言うことだ。すべてを信じている訳じゃない。
でも、あのいくつも並ぶ窓のどこかに、君の沈んだ顔があるんじゃないかと毎朝探してしまうのも事実だ。

ずっと仲良くやってきた。気の合う奴だった。
だからいつも一緒にいた。あの夜を除いては。
君が僕を誘わずに、一人で法を犯したあの夜。
「お前を誘わなくて良かった」と、アクリル板の向こうで君が言った。
その言葉だけは今も信じている。
僕にとって、君はそーゆー人だから。

正しいも正しくないも、誰がどんな状況で見るかで変わる。
飢え死にしそうな貧しい人達のために、裕福な家から食べ物を盗むのは善か悪か。
手を差し伸べずに見殺しにすることが正しいのか。
死にたいと本気で願う人の首に手をかけることは罪悪か。
それは、当事者である死んでいった人間の意見も含まれているのか。
紙に書かれた法律に反しているからといって、その人間を全否定出来る権利など誰も持っていない。

「倫理」という窓越しに見えるのは、いつだって歪んだ現実だ。
そんなものでは管理しきれない心を誰もが持っている。
それは、世界の終わりに姿を現すのだろうか。
それとも君のように、ある夜突然心を埋め尽くすのだろうか。

電車の窓越しに、小さくサムズアップサインを送る。
あのいくつも並ぶ窓のどこかにいる君ヘ。
世界が君を責めても、僕だけは君の味方でいよう。

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