"夢見る心"
⚠️夢で見た内容が忘れられなくて字で起こしたものです。
おかしなところ多数な上に長いです!
やや強い表現があります。
苦手な方は飛ばしてくださいm(__)m
友人とこんなことを話した。
街の外れにあるお屋敷には、全ての闇を無効化する魔法があるらしい。
厨二病のような内容だ
けれど、どんな内容であれそんな摩訶不思議な存在があると聞いてしまえば気になって、早速その夜に出向いた
お屋敷は随分広く、長い間誰も手をつけていないらしい
というのも、取り壊そうとすれば作業員の誰かが負傷したり原因不明の失明が起こる
そして、突然姿が見えなくなった作業員が
脚が捻じ切れた状態で見つかることもあったという
そんなことが続き、取り壊すこと自体諦めた。とのこと
高鳴る心からひゅうっと口笛を吹き、まさに呪いのお屋敷じゃないかと呟いた
早速閉鎖を表すロープを乗り越え、古びた玄関の戸を開けた
暗い、第一印象がそれだった
けれど案外寂れておらず、まだ誰かが住んでいるかのよう
「やあ!」
「うぇっ!?」
突然話しかけられて声が出た
いつもならこんなにビビるわけないが、場所が場所なだけに過剰に反応してしまった
「っぷ!悪い悪い、人が来たのは久々で!お前も、魔法が欲しくて来たのだろ?」
俺の反応が大層面白かったらしく、目に涙を少し浮かべてそう言った
「まぁ、噂が気になって。で、誰だよお前」
大袈裟に笑われたことが気に食わず、我ながら子供のように不貞腐れてそいつを睨む
「焦るな焦るな!でもまあ話が早くて助かるってもんだ
俺は魔法使いなんだよ!」
「はぁ…あなたが」
ポンっと音がして、その瞬間そいつの手のひらには細長く巻かれた何かが出現した
それを開き、俺の足元へと持ってくる
一辺50㎝ほどの、カーペットの一角を切り取ったようなものだった。そこに、ヘッタクソな五芒星とその先に小さな点が五つ描かれている
「なにこれ」
「魔法陣、いいだろ
これを踏めば少しの闇もへっちゃらだ」
「踏む」
「踏む!」
さあさあとでも言いたげに足でそれを押して俺の足に押し付けてくる
魔法陣って、踏んで発動するものなのか
なんか、呪文とか唱えてやるもんじゃないの?
知らんけど
てか扱い適当すぎじゃね
まぁいいか、なんか面白そうだし
そんな簡単な気持ちで、俺は足を踏み出した
すると、描かれた五芒星が薄く桃色に光出す
突然光出したそれに驚いて咄嗟に目を瞑る
そんな光が落ち着いた時、俺はすぐに変化に気がついた
あんなに暗かった家の中が、鮮明とは言えないものの少しだけ見えるようになっている
電気がついたわけでもない
一通り見渡した後、そいつに目を向けた
その瞬間そいつはニィと不敵に笑い、こう言った
「地味だと思ったろう」
「ま、まぁ」
全ての闇を無効化ってもしやこういうことなのかと面を食らったのは否めない
そんな俺の気持ちを察したのだろう。そいつはさらに続ける
「ふは!これはまだまだ序の口!さらに強い魔法はこの上さ!」
少し先にある階段の下でひらりと舞って、2階を指差した
なるほど、こうして奥へと拐かすのか
「そしてさらに強い魔法はさらに上!最上階は4階さ!」
どんどん上まで進んでいく、ダンジョンのようなものか
ん?4階?
「待て、この屋敷は4階まであるのか?
外から見ても、到底そんなにあるようには見えなかった」
やれやれといったようにこちらを見やったと思ったら、すぐそばまで来て顔を覗き込んでくる
たじろいだ俺を蔑むようにこう言った
「お前はここをどこだと思っている?
魔法のお屋敷さ!外見と中身を変えるだなんて、お茶の子さいさいってもんだ!」
まぁ魔法ってそういうもんか…?
と妙に納得をしかける
「んじゃ俺はこれで!それではなー」
「は?」
そう言うとポンっと音を立ててそいつは簡単に消え去った
残ったのは魔法陣とやらと、俺だけ
まあどうせ暇だし、そんな悪いことなど起きないだろう
俺は階段の先を見やり、そんな簡単なことを考えて階段に足を踏み入れた。
2階
階段の数は普通の一軒家と変わらないようだった
登り切ってすぐに目に入ったのは、雑に打ち付けられた看板とその下に置かれた魔法陣
看板を読むため近づいた
それには掠れも何もない達筆な字でこう書かれていた
“この魔法陣を踏むこと
さすれば脚を交差した時、その闇は消え去ることとなる”
「脚を、交差ぁ?」
条件付きとは聞いていない。しかも相当に珍妙なものだ
どんな滑稽なことになるのやらと思いながら
また俺は桃色の光を見つめた
辺りを見渡すも、違いはわからない
看板に書かれたことを試すか…
俺は自らの足を見つめ、長考の末に足を交差させた
その瞬間、黒い霧に包まれたようになっていた辺りが晴れて、鮮明に見えるようになっている
これはすごいな
人生で最も胸が高鳴る体験をしている
足元がふわふわと浮いているような、そんな感覚に襲われた
しばらくの間足を解いたり、交差させたりを繰り返して遊んでいた
どんどん飽きて来て、さっさと先に進もうと思いたち階段の方へ振り返った
3階
同じように階段を登り、登り終えた先を見る
が、本当に同じ屋敷なのかと思うほど暗い霧に包まれていた。
それならばと先程習得した魔法を使ってみる
足を交差させればまるで嘘だったかのように霧はなくなった
現れたのは壁にくっついた羊皮紙らしきものと、魔法陣
2階でも思ったが、どんどん魔法陣が鮮明になっている
あんなにダサかった1階の魔法陣と比べるまでもないような、見たことのない文字や綺麗な円と五芒星が描かれている
ゲームのダンジョンでも先に進めば強い武器が得られる、そういうものか。
ひとまず魔法の効果だ。
“この魔法陣を踏むこと
さすれば困難な歩行は無くなる”
やけに抽象的だ
困難な歩行とは一体なんのことだと頭を捻る
病気や怪我で麻痺しても困らない。ということだろうか
百聞は一見にしかず、俺は魔法陣を踏んだ。
…何も変わらない
辺りの様子が変わることはなかった
困難な歩行。
羊皮紙に書かれた文字を反芻し、数歩歩き出す
特に違和感はない
そう、違和感が無かった
足を交差させた状態での歩行が容易だ
魔法を手に入れる、次にその状態のデバフの解除
なんとも合理的で素晴らしい
俺はその理に適った構造を称賛し、そのまま最上階を目指した
4階
今までとは比べ物にならない魔法陣がそこにあった
その効果を説明するものは見当たらない
何もわからない危険なもの。
けれども俺は足を踏み出していた
踏まれた瞬間それは桃色に光だし、俺を宙に浮かせる
ブチブチブチッポトッ
ブチブチッポトッ ポトッ
次々に俺の足の指が落ちていった
俺は叫んだ、けれども声が出ない手も動かない
ヒューヒューと空気だけが喉を通り過ぎていく
ただ俺は空中でのたうちまわり、崩れていく足を見つめていた
ビキビキビキビキッッ
痙攣し、血が通う血管が赤く染まっているのが見える
指が生えて来た。
小指があるべき場所には親指が生え、親指があるべき場所に小指が生えている。
交差させていた状態のため、上から眺める分にはいつもの見慣れた俺の足。
けれども確実に、それは俺の脚ではなくなった。
「これで、なんの不自由もなく“全ての闇を無効化できる”って?」
俺は舌打ちをして、痛みとショックで意識を手放した。
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「だっはっはっはっは!滑稽だねぇ!こんなに簡単にここまでくる人は何年ぶりか!」
1階で聞いたぶりの声で意識が引き戻される
「てめぇ…」
痛みとショックでまともに声が出ない
殺意を持った目で笑い続けるそいつを睨む
「そんな顔で見るなよ。そんな足じゃあ、この階段を降りるのは難しいだろう。帰るの手伝ってやるよ!」
ああ笑った。とそいつは呟いて、指を鳴らす。
瞬間、俺の体はお屋敷の前のアスファルトに叩きつけられた
「…ッぐ!」
叩きつけられたと言っても、50㎝ほど上空に移動させられたようで痛みはするが、今の俺の足の状態よりマシだった
「ざっけんな…絶対あいつ許さねぇ」
朝日が昇り始めているのだろう。
白む空を睨んで、俺はアスファルトの上でのたうち回っていた
"届かぬ想い"
私の指先で突かれているそれは
雨の日のリビングで音を鳴らしている
いつの日か兄が買ってきたモビール
加工されたどんぐりがあしらわれている
心地の良い音を奏でている
確かに私がその音を出させているのに
まるで翻弄されているような
コトリ
何かがフローリングの床に叩きつけられる音がする
気がつけば、一番端のどんぐりが落ちていた
安定を失ったモビールは先程までの軽やかさを失ってしまった。
"神様へ"
教えてください。
私はあなたの目に映っているのでしょうか?
映っていなければ良いと思う
もしも映っていたとするならば、私は意図的にこんなに不幸にされていることになってしまうから。
けれどもし私に気付いて、少しでも哀れだと思うのならば
あいつをどうか消してください
私の全てを壊し、蔑み、奪っていったあいつを
人を不幸にして尚、笑ってまた別の人に迷惑をかけているあいつには
なぜ、幸福を授けているのですか?
何も見えないのですね。何もできないのですね
全知全能が聞いて呆れる
神様の大馬鹿野郎。
"快晴"
玄関を開けると眩い太陽が直ぐに私を照り付けた
引きつけられるように空を見上げれば、薄く伸ばされた雲が空を飾っている
雲の隙間には薄い空色が覗いていて、低い位置へと視界を広げていけば違う色で塗りつぶされている。
どんなに手を伸ばしても届かないほどに遠くて、どんなに見上げても足りないほどの美しさがそこにある
涼しくて暖かい風で髪を撫でられた
"君の目を見つめると"
私の入っている部活動は、個人戦が常だった
自分だけで戦い、自分だけの実力を身につけて
自分だけの評価を貰い続ける。
部室はいつも静かで、皆が一人一人自らの課題に向き合っている
例外なく、私もそうだった
一段落ついた時、私は顔を上げる。
先輩、後輩、同級生
皆が自分の世界に沈み込んでいる。
一人の先輩が目についた
いつも笑っていて、いるだけでその場を明るくしてくれる
そんな和やかで愛らしい先輩が、普段からは想像もできないほどの真剣な眼差しで、作品を作り上げている
見慣れているはずの先輩のそんな姿に、私はたじろいだ
そして同時に、この先輩について来てよかったなんて思う
置いていかれないように、追いかけられる人になるために
私は自らの作品に再び向き合った。