"ひなまつり"
私は3人きょうだいの末妹でこの時期になると雛壇が飾られていた
ガラスに覆われた小さな雛壇
けれど幼かった当時の私にとってはすごく大きくて珍しくて、キラキラ輝いて見えた
側面にピンがあり、それを動かすと曲が流れ始める。
オルゴールの様な少し掠れた金属的な旋律。
それを何度も動かしては眺めて楽しんでいた
けれど何回目かのその時期に、何かの拍子にガラスが割れた
理由は覚えていない。
私のせいだったのかもしれないし、劣化か、はたまた何かが落ちてきたのかもしれない。
隔てていた透明な板がなくなり、埃と強い布の匂いが私の鼻腔をくすぐった。
電灯の光に直接当てられたお雛様はまるで生きている様に輝いて、つい魅せられた私は手を伸ばす。
硬い
髪を撫で、服を撫で、顔に触れる。
全て違った感覚だったけれど、全て同様に硬かった。
ふわふわしていて可愛いと思っていたので少しがっかりしたのを覚えている。
その後、私はガラスの割れた音ですっ飛んできた母に回収されて、雛壇は処分されてしまってそれ以来、見ることはできなかった。
私が幼い頃のひなまつりの思い出でした。🎎
3/3/2026, 10:33:26 AM