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8/22/2023, 4:16:04 PM

「好きの裏は嫌い?」

「、、いや、そんなこと言われても、」
「国語的な意味合いでは嫌いであってるけど、心情的に言えばそれは間違いだよね。」
「ああ、あんたもいうの。好きの反対は無関心だって。」
「ええ。よく分かったわね。だってそうでしょう?好きは好意を向けてる状態で。嫌いは好意とは別の嫌悪の感情を抱いている時。 でもそれは違う、感情を何も持ち合わせてない人に対しての状態が無関心だから、私も、、、うーーん、上手く言えないや、笑」
「まあ、そんなもんだろ。」

好きの裏返しが嫌いであったなら、それは随分と素晴らしかったろうに。

「君は?」
「あ?」
「君はどう思うの?教えて。」
「、、、俺は、、忘却だと、思います。」
「えー?なんでぇ?」
「好きという気持ちを忘れる為に人は人を嫌いになると、ぼ俺はそう思って生きてきた。 だからこそだよ。嫌いになる必要が無い。だって忘れてんだから。」
「なーーる、、ほど、、、?」
「はっ、わかってねぇなその面は笑」
「おうおう先輩には敬語使えよ〜」
「じゃあ敬語使えるような上質な会話しましょうよ、、」
「、、、そう?」

仮に好きの反対が忘却であるとするなら、それは事実だろうか。 人は忘れる前に覚えるという行為をする。
よって忘却は記憶の類では無いのでは、、?

8/21/2023, 3:18:06 PM

空を飛びたかった。
空が飛べたらきっと、鳥のように色んなところに行けたはずだ。
海を泳ぎたかった。
海を泳げたらきっと、魚のように地平線の更に奥まで行けたはずだ。
魔法が使いたかった。
魔法が使えたらきっと、魔女のように魔術が使えたはずだ。
英雄になりたかった。
英雄になれたらきっと、ヒーローのように人助けが出来たはずだ。
悪役になりたかった。
悪役になれたらきっと、悪党のように何かのために命を使って生きられただろう。

世の中はないものねだりで構成されたあまりにも狭い世界だ。 僕はあまりにもそれが気に食わない。
なんだっていいから、どうだっていいから。
生まれてきたことを喜ばれて。
育つ事を褒められて。
生きる事を肯定されて。
死ぬ事を悲しまれたかった。
そんな、誰だって思い描いて、誰だってなれる訳じゃないそんな人生を。 僕は歩みたかったんだ。

8/20/2023, 10:47:44 AM

「おはよう。」
少し眠そうな声で
「ねぇねぇ。」
好奇の目をこっちに向けて
「ばいばい!」
少し寂しそうに手を振る

そんな君が好きだった。
いかにも冷たくなった君の顔を見て、少し拍子抜けした。
「そんな顔で、寝るやつだっけ、お前。」

学校で居眠りする君の顔は、ヨダレが垂れそうでどこか春にうかされたような顔だった。

「そんなふうに寝なかったじゃん、前まで。」

信じる方が酷な事って、あるんだな。

さよならを言う前に、君に気持ちを伝えておくべきだった。

8/19/2023, 4:04:20 PM

空は快晴 空模様も悪くない 風も程よく心地いい
そんな絶好なピクニック日和に俺は、飛ぼうとしていた

「ここから落ちたら万が一通行人に当たった時その人も亡くなってしまうかもしれないよな、、、危ない。ダメだダメだここはダメ。」
いつものようにノートを取りだし絶好の飛び場を探して生きている。

「今日はここに居たのお前。」
声の方を振り返ってみるとそこには幼馴染がいた。

「おう。 でもここダメだ。周りの人の迷惑になる。迷惑かけてまで飛びたい訳じゃないんだよ。」

じゃあ飛ぶのやめて俺と一緒に居ろよ。
「、、、ンなもん口に出して言えるかよ、」
アイツが誰かが置いてった缶を蹴り出した
カンッ

「あ?何?ボソボソ喋んなよ。」
「あーーーうっせーうっせー!!!! もーいいだろ今日は。俺と海行こうぜ。」
「うみぃ? やだよあそこいると潜りたくなって母さんに迷惑かける。」
「、、、じゃあお前なんで飛び場なんか探してんだよ、」
「それ前も言ったじゃん? なんかあった時に万全の体制で挑まなきゃ、後が大変だから。逃げ道作ってんだよ今のうちに。」
「お前そんな未来辿るこたねぇだろ。」
「いや? そこにはお前も居るぜ。お前と一緒に飛ぶとこ探してんだよ。」
「はお前何言ってんだ俺はやらねえぞ。」
「そ?じゃあまあいいわ。俺だけで。」
「いや、まて、まてまてまてまてまてまて 俺も探す。」
そんでどこよりも綺麗な景色見せて諦めさせてやるんだ。

「一緒にやんの? 別にいーけど。」
「おう。やる。やってやるよ。」

何を考えてるか分からないけどなんとなく俺には生きてて欲しいんだろうなって悟れるくらいには俺は自惚れてるよ。

8/18/2023, 12:44:20 PM

鏡に映る貴方を見て 私はまた好きになる。

「ねえねえ、あの子髪の毛綺麗だよねぇ。」
「えー!わかる!てか顔も可愛くない?」
「わかる可愛いー!!!!」

私の後方から聞こえたその声は、恐らく私の事を深く知らない。
「アンタじゃない。」
慌てて周りを見て見たが、誰も私の声に反応する者はおらず、私は安心した。

みんなが綺麗可愛いと言いはやすこの顔は、あの人にだけ、嫌われていた。

「私。貴方の顔嫌い。」

1番大好きな友達に言われたその言葉は思っていた以上に心のど真ん中に響いて。 何故か納得がいってしまった。

「でも、でも、私あなたが好き、」

私は涙をホロホロ流しながら、そう伝えるしかなかったのだ。

「知ってるよ。 でも嫌い。顔だけ好きになれないの。」

悲しかった。 そんな風に言われたのは初めてで、本当に、哀しかった。 けれど、「顔だけ」好きになれないというのなら、それ以外は好きだと言うのか。
なら、顔を変えてしまおう。

「じゃあ私、顔変える。もっともっと可愛くなれば好きって言ってくれる?生まれ変わったら、ねえ、、!」

どうしても私はその子に好かれたくて、努力するつもりで言った。そんな言葉だった。

「そんなことしたら。縁切るよ。 私別に貴方の顔は嫌いだけど、死んだ欲しいほど憎んでる訳じゃないもの。
死んで欲しい訳じゃないわ。」

しょうがないから隣にいてあげる。
仕方がないから一緒に生きてあげる。
そんな風に言われた気がして、私は嬉しかった。
彼女は私の親に殴られて真紫に染まった頬を優しく包んで、

「私、今の貴方の顔嫌いだから。早く治そうね。」

「うん、うんっ、、」

だから私は、いつだって鏡の中の貴方になりたかった。

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