towa_noburu

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1/30/2025, 10:14:30 AM

君は僕の本性をまだ知らない。
安っぽい笑顔で簡単に騙される君が逆に心配になる。
本当はね、僕は君だけに優しいわけじゃないんだ。僕の言葉は全てが天邪鬼。
だけど君が望むなら、今宵も語り合おう。
内容のない晩餐会を開こう。
どうか、君がいつか僕といた時間を「人生損した」と気がつきますように。

1/29/2025, 10:47:55 AM


ずっと日陰だけを歩くような人生だった。
今更日向に出ようとは思わない。思えない。
ただ僕は街の木の隙間からわずかに差し込む光だけは昔から嫌いじゃなかった。
薄暗い街の隙間に息苦しそうに生えている桂の木。樹木医に見せたら、深刻そうな顔をするかもしれない。
桂の木の木漏れ日はどこか憂いを帯びた顔をしているが、その陰りが僕には心地よかった。

陰鬱そうに、街を見渡す桂の木。
息苦しいか、苦しかろう。
なあに、僕も君と同じだよ。
決して、この街からは出れないが
生ある限り根を張ろう。
命潰えるその日まで。

1/21/2025, 10:35:33 AM

「最適解だけを指し示す羅針盤が欲しい。数ある世界線の中で1番魅力的な未来だけを常にさすの。」
受験勉強に疲れた。とにかくその一言に尽きる。参考書と睨めっこばかりしていたので、目も脳も疲弊している。
「それって、ゲームで言う攻略本見ながらRPG楽しむ感じ?探索の醍醐味が全くないな。」彼は鼻で笑いながら、一口サイズのチョコレートを机に投げ入れた。
「チョコ乙!」
「ん。」
私は彼から貰ったチョコレートの包みを開けて口に入れた。甘い。脳に行き渡るこの上なき幸福。
「だって、未来って不安だもの。受験だけじゃないよ?社会情勢、日々のニュース、何をとっても不安ばかり。考えるの疲れた。最適解だけ知りたい。」
「自分で選択して選ばない未来ってつまらんだろ。失敗も挫折も含めて人間性ってのは磨かれるんじゃねぇの。」
「……君一体人生何周目?」
私が思わずそう言うと、彼は不敵に微笑んだ。

1/20/2025, 10:54:25 AM


「明日を歌うと書いて、明日歌(あすか)。どんな日が来ても明日を歌うように生きてほしいそんな願いを込めたんだよね、きっと。実に良い名前だ。」
昼休みの時間に私がおにぎりを食べている時だ。目の前でまじまじと見つめられ、そんなことを言われたものだから思わずご飯粒を吹き出しかけた。
「どしたん?急に。」私はむせながら、聞き返す。
「私は美しい影と書いて美影(みかげ)。貴方の歩む日々が美しい影となって連なりますように。そんな願いを込めたんだって、親が昔言ってた。」
美影はそう言いながら、遠くを見つめた。
「へーいい話じゃん。」
「そうかな?なんか厨二っぽくない?」
美影は不満そうだ。
「歩いてくとさ、必ず影ができるでしょ?毎日毎日振り返ったら必ず影がついてくる。でも、振り返らなきゃ、その美しさには気がつけない。それって素敵じゃないか。」
私はにっこり笑った。本心だ。
美影は少し驚いて、どう反応していいかわからないような…照れた表情をした。
私は続ける。
「つまりはさ、明日を歌いながら歩いて、時折美しい影を振り返りながら生きてけたら、人生きっと最強だよね。」
「何それ。私達2人の名前の由来足したらって事?変なの。」
「え、今名言だと思ったのに。」
私と美影は笑い合った。

あれから、何年過ぎたかな。
わからないぐらい時間がたったけど、
変わらず彼女との友情は続いている。
奇跡のような、運命のような友情に乾杯!

1/19/2025, 10:49:25 AM

僕の中には怪物が住んでいる。僕の喜怒哀楽の全てに干渉してくる、黒くてしゃがれた声の禍々しい怪物が住んでいる。
「それってイマジナリーフレンドって事?」神妙な顔つきで、前の席に座る彼女は聞き返した。「わからない。ただ、僕はいつもその怪物のご機嫌を伺いながら生活してる。だから、自分の言動に自信がない。何よりそう感じてしまう僕自身が怖くてしょうがない。いつか消えてくれるといいのだけど。」
僕は俯きながら呟いた。人にこの話を話すのは初めてだった。自分でも不思議だ、僕は何故彼女にこんな話をしてしまったんだろう。夕暮れに染まる教室はやけに静かだった。放課後の運動部の掛け声が遠くから聞こえてくる。たまたまだ。たまたま放課後の空気を楽しみながら、教室で読書している僕に、彼女が声をかけてきた。彼女と雑談しているうちについ口が滑ってしまった。
言うべきじゃなかった、と言う後悔が全身を包む。
彼女は少し考えてから、言葉を紡いだ。
「その怪物が嫌いなの?」「だって、変じゃないか。」「…でもその怪物君はきっと君が好きだよ。心配性なんだよ。」「そんな事考えたことなかった…。」「話してくれてありがとね。私は変じゃないと思うよ。この世でただ1人の君だもの。うまく言えないけど、色んな人がいるんだもの。心に天使や悪魔、怪獣なんでもいていいんだよ。」
彼女は朗らかに言った。
彼女の笑顔が純粋に綺麗だと思った。
心の中で怪物が喉を鳴らした。
するとあら不思議、怪物の黒い皮膚から徐々に光が溢れ出し、満足そうに光った。
(よかったな、ずっと欲しかったんだろ?自分が存在することをただ受け入れてくれる何かにずっと飢えていたんだろ?)
「………っ」
僕は込み上げてくる感情の波に飲まれながら、涙を堪えた。
その日から、怪物は心の中でいつも嬉しそうに笑う。自己否定を辞めた瞬間に怪物は…怪物じゃなくなったのかもしれない。

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