空しい恋。一生貴方だけを見つめているのに。
まだ今生では、出会えなくて。そもそも今生、地球にはいなくて。それでも他の誰かに目移りしないから
我ながら一途だなぁと皮肉を言う。
魂の記憶の中の貴方の面影をいつも感じてる。
青い息吹が海面を駆け巡る。
遠くの世界の噂話を大海原の上
撫でるように囁きながら広めていく
笑い話、悲しい結末、さまざまなお話を
海を泳ぐ生き物たちに
風と戯れる鳥たちに
伝えていく
青い息吹が海面を駆け巡る
私の街の噂話を大海原に向けて
撫でるように囁きながら広めていく
「青い風」
「遠くへ行きたい」
中学に上がったばかりの頃、私はある日を境にクラスメイトからシカトされるようになった。はっきりとしたきっかけはなかったように思う。ただなんとなく、周りと打ち解けにくかった地味で目立たない奴が標的になった。そんなところだろう。私は最初こそショックで教室で泣いてしまったが、その泣いた光景を見ていた周りのクラスメイトはさらにエスカレートして無視を決め込むようになった。私の心は深く傷ついた。
どうしていいか、わからなくて。休み時間に違うクラスの友達のところへ会いに行ったりしてその場を凌いだ。
私がシカトされている事を知ってもなお、他のクラスの友達、りかちゃんは態度を変えなかった。人によっては、あの子シカトされてるんだと言う噂が伝わり露骨に態度を変える子もいた。
私は帰り道、りかちゃんにぼやいた。
「どこか遠くへ行きたいな…」
りかちゃんは私の切実な感情を深く読み取って、そして返事をした。
「行こうよ、2人で。自転車で、行けるとこまで行こう?」
お金のない中学生の現実的な交通手段は自転車だ。私たち2人はお互いの自転車に愛称をつけるほど愛着があった。
「歩ちゃん、この…チャリ子とチャリ助で行こうよ…!」
りかちゃんは自転車のペダルを鳴らした。
私は目の奥が熱くな涙が込み上げきた。
「うん…うん!そうだね…ありがとう、りかちゃん…いつもありがとう…」
次の日の朝、私は少し早起きして自転車に颯爽と乗り込んだ。
りかちゃんとの待ち合わせ場所までもうすこし。
この丘を超えた先にりかちゃんとチャリ子がきっといる。
私は、はやる気持ちを抑えきれず、前屈みになって必死にチャリ助を漕いだ。
遠くへ行きたい
どこか知らない場所へ行きたい
誰も知らない場所へ行きたい
でも1人だと怖い
けど君がいるから私は乗り越えられる
「クリスタル」
鉱物、とりわけ中でも水晶の場を浄化する力は凄まじい。
友達に誕生日に貰ったローズクォーツを部屋に飾ってから、部屋に入った瞬間に空気が和らぐようになった。また、日の光でキラキラと輝く様は見ていてうっとりする。
優しいローズクォーツの輝きを眺めるだけで癒される。
「そんなに気に入ってくれるとは思わなかった。」
友達は、意外そうにそう言った。
「気に入ったよ〜!それに前ちょっとだけ小説の影響で鉱物に興味があるって言った事覚えててくれて嬉しかった。ありがとね」
「どういたしまして。」
彼女は柔らかく微笑んだ。
私にとって彼女はかけがえのない癒しの存在。
クリスタルのようなキラキラした友情がずっと続きますように。
夏の匂いは清涼飲料水みたいにシュワッと溶けては消える。あるいは制汗スプレーの爽やかな香り。
貴方の残り香も、夏仕様。