雨子

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6/12/2022, 8:42:45 AM

太陽みたいな君の笑顔が、心を侵す暗い感情を消し去っていく。

早く早く!と勢いよく手を引いて、走り出した。
高鳴る鼓動、じんわりと溢れる幸福感。

もっと、もっと早く走って。
誰も追いつけないくらい、誰も見つけられないとこまで。

全てがこわれてしまう前に、憎いほど美しい太陽が登る前に、この街から逃げ出そう。

『街』

6/7/2022, 4:34:02 PM

もう街のシステム全てが止まって、建物がどんどん風化していく。

あ、ほんとに世界が終わってしまうんだ、と実感する。

そんな僕の手を強く握る君の指先はとても冷えていて、だけどその感触が僕を安心させた。

ガラクタだらけの街を2人進んでゆく。
ぽろりとこぼした「好き」って言葉は君に届いているかな。

世界の終わり、灰色の街でアイビーの緑が嫌なほど脳裏に焼き付いた。

『世界の終わりに君と』

6/6/2022, 2:21:34 PM

こんな雨の日は、君を思い出す。

純粋な笑顔で、甘い匂いを振りまいて。
長いまつ毛が揺れて、大きな瞳がこっちを覗く。その瞬間が、大好きだったのに。

君だけ時間が止まってしまった。
奪われてしまった。

ああ、嫌な事を思い出した。
「最悪」そう呟いた声は雨に掻き消されて。

こんな雨の日は、君を思い出す。

『最悪』

6/5/2022, 12:15:09 PM

真冬の海辺、くすんだ空の下であの子が私にそっと教えてくれた秘密。

皆誰にも言えない秘密の1つや2つくらいあるでしょう?とニヒルに笑うあの顔を私は一生忘れられない。

『誰にも言えない秘密』

6/5/2022, 9:11:20 AM

広い部屋、聞こえるのは私の呼吸と無機質な時計の音だけ。

君と一緒の頃は「2人分の荷物が入るとさすがに狭いね」なんて笑いあっていたのに。

お互い、合っていなかった。すれ違っていた。
気付かないふりしたけど、やっぱり耐えられなくって。

増える喧嘩、部屋の隅でうずくまって泣いたのは何回あっただろう。好きだったんだけどなぁ。
やっぱそれだけじゃやっていけなかったのかな。

空っぽの部屋、聞こえるのは私の泣き声。
あんなに窮屈だった狭い部屋が今は愛おしくてしょ
うがない。

『狭い部屋』

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