星が輝くレストランの1番景色が見える席、目の前には緊張した面持ちのあなた。
「僕と、付き合ってください」
真っ赤な顔で一生懸命思いを伝えてくれるあなたが愛しくて。告白の場というには大それた所、まるでプロポーズのような雰囲気に胸が高鳴ったのがはじまり。
それからは怖いくらいに幸せで。手を繋いだり、触れ合って生まれた温度から幸せが滲み出す。その幸せに触れる度に「この人とずっと一緒にいたい。」と思った。
でも、人は変わっていくもので。
星が輝くレストラン、1番景色が見える席。
この関係を始めた場所で残酷にも終わりを告げるあなた。勝手すぎやしないかと思う反面、謎の律儀さに感心する。
落ち着いたクラシックが頭に響いて。必死に「こんなやつと別れられて良かった」と自分に言い聞かせる。
窓の外には無数の星。
目の前にはもう誰もいない。この涙を拭ってくれるあなたはもう居ない。
『これは失恋の物語。はじまりは、星が輝くレストランにて。』
大切な人に嘘をついたり。
傷つけたり、傷つけられたり。
何だか皆が知らない人のように思えて。
これからも、不安なことや辛いことが君の心に小さい傷を沢山つけていく。
そんな時は、頼って欲しい。辛いこと全部吐き出してる間に傷が少しは良くなるかもしれないから。
偽善だと思われるかもしれないけど。
正直に、心のままに。1度でいいから私を信じて欲しい。
『不安なこと、辛いこと。正直に、心のままに。』
梅雨が大嫌いだった。
湿気で髪がゴワゴワするし、雨ばっか続いて憂鬱な気持ちになる。
だけど、そんな不機嫌そうな俺の隣で「雨ずっとやまないねぇ」これでもうちょっと一緒にいられる。なんていたずらに笑う君が愛おしくて。
憂鬱なんてどっかに吹き飛んでしまった。
優しく笑う君の隣で「このまま、ずっと止まなきゃ良いのにな。」と呟いた。
それに応えるかのように添えられた桃色に染まる小さな手が俺にとってはこの世の全てで。
今日ばかりはこの忌々しい時期に感謝である。
『梅雨』
お願いだから、目を逸らさないで。
いつかは話さなくちゃいけないだろ?
なぜ人間はこうも複雑なんだろう。
どうでもいい日常が、結局1番だったなぁなんて今更考えてみる。
潤んだ瞳の君と目が合った。
『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、』
貴方のこと、憎いくらい愛してるのよ。
バラの香りを纏わせた君が儚く笑う。
『天国と地獄』