20歳になったらどうなりたい?なんて言っていた日が、つい最近のように思い出される。
その頃とは大分変わった見た目、考え、環境。
だけど、あなたはあの日からずっと変わりなく私の隣で笑っていてくれている。
どれだけ歳を取っても、こうやって一緒にいられる事を幸せだと言える私でありたい。
『20歳』
絡まる視線からじわじわと伝わる温度
その奥に燻る微熱が身体を支配していくような感覚
靄のかかったような頭の中、貴方だけが、貴方の触れる温度だけが鮮明に感じられた
『微熱』
あなたとのハグも、キスも、逢瀬も、どれだけ重ねたってどれだけ愛し合ったって、何も意味がない。
どれだけ心は満たされても、何も変わらない
いつか、なんのしがらみなく愛し合える日が来れば
『意味がないこと』
どれだけ楽しいことがあっても、悲しいことがあっても、朝はやってくる。
後悔しても、どうしようもないことばかり
どれだけ拒んでも時間は止まってくれないし、巻き戻しも早送りもできない。
きっと明日も、おんなじ毎日
きっと明日も、おんなじ私
ずっとずっと、変われない
『きっと明日も』
夏の暑さがなりを潜めて、日が短くなって。
少しだけ涼しくなった風が君の季節の終わりを告げていた。
多分これからもっと寒くなって、君は半袖半ズボンから長袖長ズボンに変わって、なんなら上着とかも羽織ってしまうのかな。
君のその健康的な肌が隠れてしまうのは少し残念だったりする。
だけど秋は美味しい食べ物がいっぱいだから、俺の作ったご飯を美味しいって食べてくれるのも悪くは無いのかもしれない。
だけどやっぱりこんがり肌が惜しくって。
来年の夏も一番に日焼けした姿見たいなって言ったら「再来年からは?」って剥いた栗を差し出しながら、当たり前のように呟く君。
ぐいぐい押し付けられるそれを食べながら、先の事を考える。これから何回も何回も巡る季節の中、君の笑顔は変わらず俺の心の大半を占めているだろうし、すぐ繋げる距離にある手に安堵するだろう。
来年も、再来年も隣に居ていい理由が俺にはあるわけで。
『秋🍁』