ジーキャー

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1/15/2025, 9:54:47 AM

 そっとしといてあげて欲しい。
 戦争が生じ、鎮圧に向かった魔王は、血塗れになりながらも大戦争を終わらせた。
 そっとしておいてほしい。そう魔王は思っていた。返り血を浴びた身体で、民たちに会いたくなかったから。
 祝勝の凱旋には行きたくない。むしろ、静かな所で独りに、独りきりになりたいとすら思っている。
 民たちに会うのは返り血を流しきってからのほうがいい。今の自分は鬼のように恐怖を与えてしまいかねないから。怯えさせたくは無い。
ゆえにこそ、魔王は独り、世界樹の所へと行った。そこで身体と心を癒やすために。
 大戦争を振り返ってみる。英雄と呼ばれた勇者の一団を蹴散らせた。勇者の右腕を切り落とした。大戦争の首謀者である教皇の首を憤怒のままに斬り跳ねた。
そして、数多の生命を奪った。大戦争は聖戦と言う名目だったか。迷目と履き違えていたのでは無いだろうか。
 いずれにしても、もはや魔王の領域内で戦争は起きないだろう。
大戦争の勝利は魔王側が手にしたのだから。
 人間の領域など侵略する気はさらさら無い。だと言うのに、魔王と言うだけで人々は勝手に恐れている、こちらからすれば迷惑この上ないと言うのに。
 細かい所は部下たちに任せよう。心や返り血を拭うことに今は専念しよう。
 民たちとの平和な日常を歩むためにもーー。

1/14/2025, 9:34:40 AM

 いつも通りの景色だとしても、自分の見方が違えば、まだ見ぬ景色になる。
ポジティブな見方をすれば、いつも通りの景色でも気持ち良い景色へと早変わりする。
逆にネガティブな見方をすれば、恐怖と隣り合わせの景色となるだろう。
あるいは、代わり映えのしない景色にうんざりするだろう。
 他にも、いつも通りの道から敢えて違う道を行くのも良いだろう。
時間帯によっては違った景色を見せてくれるもの。
 晴れの時。曇りの時。雨の時。その時々によって見方も違ってくる。
 見方や天気次第でまだ見ぬ景色を見ることができる。
 平凡の日々であろうとも、自分の見方次第でどうとでも変わっていくのだからーー。
 
ーー日常の中の非日常とて、自分が知らないまだ見ぬ景色に出会ったりすることができる。
それに気づくことができるかどうかは、自分の見方にかかっているのであるーー。

1/12/2025, 11:00:04 AM

 かつて夢見た職業の真実を知って辛くなるとしても。
 今夢見た土台が揺らいでしまったとしても。
 将来夢見るであろう未来に対するものだとしても。 
 あの夢のつづきを見たいとすら願う。
 けれども、夢見る時を間違えてしまったから、冷めゆくぬるま湯になってしまった。
 安楽の時はかつての夢の中。現実は幻実を夢見させる。
しかし、現実は不変を突きつける。残酷にも。
 そして、冷めゆくぬるま湯の中へと落ちていく。沈むかのようにーー。
 
ーーあの夢のつづきを見たいのに、見ることはできない。
 ぬるま湯を温め直すことはできるのだろうか。できないのだ。残念ながら。
 埋もれてしまった技術。暴かれた数は闇の中へと再び葬られた。
 それは依存の末路。三度目の嵐の被害者たちーー。

1/12/2025, 8:57:38 AM

 あたたかいね。と彼女は言った。確かにそうだろう。冬晴れの日で風も微風。無いに等しいから。
そうだね。と彼は賛同する。陽の光がちょうどいい。風が吹くまではあたたかい時。
 冬の日の陽だまりはなんてあたたかいのだろうか。春まで数ヶ月あるとしても。
 冬の日の最高の陽だまりに二人は心が安らいでいた。
 車のボンネットに横になっている猫は気持ち良さそうに眠っている。
 ホットコーヒーも飲み頃の温度である。
 風が吹かなければ最高の日だろう。
 空は飛行機が飛んでいる。飛行機雲が軌跡を遺している。
飛行機の軌道はどこへ行くのだろう。ただ、直線を描くのみ。
 冬晴れのあたたかい日。そんな日がどこまでも続けばいいのにと願う。
しかし、風が吹けばとたんに崩れ去ってしまう。儚いものでもある。
 今度の冬晴れの日はいつ訪れるのだろうか。微風の時はまた訪れるのだろうか。
 それは誰にも分からない。吹いている風でさえもーー。

1/10/2025, 11:33:13 PM

 ある人は言った。一秒先は未来だと。しかし、それは現実の一つの側面に過ぎない。
 どんな未来への鍵を持っているのだろうか。一般的な人生を送る未来への鍵だろうか。
それとも、自分の力で切り開いていく鍵だろうか。
 その手に握られている鍵はどんな鍵なのかは、誰にも分からない。無形であるがゆえに。
しかし、形を作ることはできる。望んだ未来を自分の手で掴むのなら。
 されど、多くの人は、一般的な人生を送ることになる。それは楽だから。
水の流れに流れる魚のように、時代の流れに流されていく。楽であるゆえに。イージーモードである。
 しかし、時代の流れを作り出すことができるなら、未来は大きく変わっていくだろう。
 それは大変な道である。思う通りに行くことは難しい。ハードモードになる。
だが、未来を自分の力で切り開いていくという実感がある。それはイージーモードには無い。
 定められたレールに乗ることは良い。しかし、それは安寧であるが脆い。
 時代は変わりつつある。かつての安寧は、これからも安寧ではない。脆いゆえに崩れてしまいかねない。
 新しい時代を切り開くのは、新しい未来の鍵なのである。
 そのためには新たなレールを作る必要がある。脆いものではない。頑丈な未来のレールを。
 どちらの未来への鍵も無形であるがゆえに、自らの手で作り出していく必要があるのだーー。

ーー未来への鍵は誰かが作り出すのでは無い。自らの手で作り出していくもの。
誰かに頼っていくものでは無い。自分が自分に頼っていく必要があるのである。
自分の軸を持つ、他人の軸になってはならない。自分の責任は自分で負うものであるためにーー。

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