あたたかいね。と彼女は言った。確かにそうだろう。冬晴れの日で風も微風。無いに等しいから。
そうだね。と彼は賛同する。陽の光がちょうどいい。風が吹くまではあたたかい時。
冬の日の陽だまりはなんてあたたかいのだろうか。春まで数ヶ月あるとしても。
冬の日の最高の陽だまりに二人は心が安らいでいた。
車のボンネットに横になっている猫は気持ち良さそうに眠っている。
ホットコーヒーも飲み頃の温度である。
風が吹かなければ最高の日だろう。
空は飛行機が飛んでいる。飛行機雲が軌跡を遺している。
飛行機の軌道はどこへ行くのだろう。ただ、直線を描くのみ。
冬晴れのあたたかい日。そんな日がどこまでも続けばいいのにと願う。
しかし、風が吹けばとたんに崩れ去ってしまう。儚いものでもある。
今度の冬晴れの日はいつ訪れるのだろうか。微風の時はまた訪れるのだろうか。
それは誰にも分からない。吹いている風でさえもーー。
1/12/2025, 8:57:38 AM