前回の死ネタの続きです。※彼視点
俺は死んだ。車に撥ねられたんだ。
最後に聞いたのは知らないおばさんの声だった。
「あのさ!俺お前と友達になりてぇ!いいか?」
先に話しかけてきたのはアイツだった。
俺より背が低くて、でも、めっちゃ頭良くて。
その頃の俺は外に出ることも滅多になくて、彼を知らなかった。
「良いよ。」
「まじ?お前俺の友達1号な!」
彼とすごした時間は夢のようだった。
こんなに人を愛したのは初めてだった。
好きだ。好きだ。その気持ちを初めて伝えた時は彼は照れながらも必死に目を合わせて、
「俺も好き」
そう言ってくれた。
嬉しかった。夢みたいだった。死んでしまっても良かった。
でも、誰かが言ってたんだ。幸せは続かないってさ。
実際そうだった。変わらないものなんて無いんだ。
まだ、意識はある。生きてる。
周りの奴らは必死になって俺を助けようとしてる。
スマホに手をかけて、彼とのトーク画面を見る。
そこにはもう情報を聞いたのか、大丈夫か?とか今どこにいる?とか沢山来てた。
俺は薄れる意識の中でこう返した気がする。
「絶対帰ってくる。」
それだけだった。すぐに既読はついて、彼からは電話がかかってきた。でも、電話に出る気力もなくて。
そのまま、多分、俺は
薄い意識の中で、彼はこちらを向いて笑っていた。
手は届かない。彼と俺の間にはぽっかり穴が空いていた。
「迎えに行くよ。」
なんとしてでも帰ってみせる。まだ夢を見ていたくて。
#夢を見てたい
♡100↑ありがとうございます!これからも頑張ります!
彼が死んだ。
知らなかった。知ろうともしなかった。
認めたくなかったから。
「ただいま。お疲れ様ー!」
今日の仕事も終わり、帰宅する。
「今日は上司に褒められたんだ。仕事よく出来てるってさ。」
彼からの返事は無い。
冷たくなった廊下には、誰の声も響かなかった。
「帰ってこねぇかな、、。」
スマホを見つめながら零す。
彼とのトーク画面を見る。何日経っただろう。
そこには一方的に殴り書きになっているトークが残っていた。
「、、、飯作るかぁ。」
今日も2人分のカレーを作り、2人分置いてテレビを前に座る。
「上手くなっただろ?めっちゃ練習したんだぜ。」
2人分のスプーンは、動かなかった。
「、、返事しろよカス。」
意地をはった子供のように言う。つくったカレーは一口も減っていなかった。
彼は死んだ。
認識するのが怖くて。怖くて。
俺も死ねたら、ずっと一緒だったのかな。
この妄言も消え失せるのかな。
そしたら、君は
涙が出た。彼が死んで初めて。
怖かった、辛かった、恐ろしかった、嫌だった。
あなたを失うのが。
写真の中の彼は笑っていた。
この笑顔も天国で見れるのかな。
昔の夢も、この職も、君がいたからなんだよ。
「昔に戻りたいなぁ。」
彼の写真を抱き、今日も眠りにつく。
彼が迎えに来てくれる。その時まで。
ずっと一緒だよ。
#ずっとこのまま
ヤンデレた???いや好きなのでいいです。
暗い話にしない予定だったのに!!!
少しお話変えました、申し訳ない、、。
「綺麗な月やなぁ」
隣で歩く彼が呟く。
「今日三日月なんだ。俺は満月の方が好きやな。」
正直、月なんか気にしたこともない。常に下を向いているからか、、?
「ほぉ?満月の方が好きなんやな」
彼か俺の顔をのぞき込む。
「なんだよ、、。おかしいか?」
「いや、なんでもない」
はぁ?と若干キレつつも、そのまま下を向く。
彼はまた月に顔を向けていた。
暗闇の中に1人月に照らされて綺麗だった。
「僕は三日月の方が好きやなぁ。」
「なんで?」
彼のことはよく分からない。だから、知りたい。
そんな思いだけでただ聞き返した。
「んー、、。なんでやろなぁ?」
「は、、?」
「でも三日月って欠けてても綺麗やん、狡いわ。」
彼にとっては些細な事かもしれないが、その言葉は俺の心にささる。
「そっか、、。いいと思う、、。うん」
「若干引いてない?」
「確かに綺麗やな、、。」
「やろ?」
彼がこちらを向いて微笑む。
「じゃあお前は満月だな。欠けてないし綺麗やし。」
少しいじけたように言う。すると彼は
「ふは、何それ。僕のこと大好き?」
「なっ!、、そう思っとけば良いじゃん、、。バカ」
彼から返された言葉は、期待していたようで、でも
返す言葉は見当たらなくて。
「僕も大好きやで。」
雲に隠れた月が俺たちを照らした。
#三日月
長いです!長いのにちとよく分からんです!ごめんなさい!
今日も雪が降る。
涙が零れるように、静かに、静かに、雪は重力に逆らわず、降っていた。
彼との別れも今日みたいな雪が降り続けていた。
彼は僕の前から急に居なくなった。
雪の降る冬の寒い日の事だった。
彼は人知れず雪の中で項垂れていた。
どうして、とか、早く行けばよかった、とかじゃなくて
ただ、何も考えられなかった。
言葉が詰まって出てこなかった。
後悔もクソもない。流した涙は雪の中に消えていった。
それからもう何日か、雪が降ると思い出す。
このまま死んでしまいたい。
毎日そう思っては、勇気が無くて死ねなくて、
あっちの世界で彼はどうしているんだろう。
僕なんかよりも、ずっと可愛い子と遊んで暮らして、美味しいもん食べて、ゆっくり寝て、そんな生活してんのかな。
そしたら、僕のことも、忘れてんのかな。
拳を強く握る。
「それじゃ、アイツに会いに地獄行く意味無いよな、」
白い息を吐く。少し前を向こう。
まだ、その時じゃない。
彼がどうして死んだのかとか、彼の地獄での生活とか、
そんなんどうでもいい。
「地獄で待ってろ」
アイツの分だけ生きてやる。
白い雪の中に消えていく。彼の背中を探して。
#雪
後半わけわかめですね!!スランプです!!
いつもならみんな寝てる、そんな時間。
新年まであと5分。俺は足を動かす。
いつかの約束を忘れる前に。
「ほんとに引っ越すの?」
「うん、、。ごめん。」
「そっか、会えなくなるね。」
「いつかまた会えるよ!10年後の1月1日に、またここで会おうよ!」
「そうなの?信じていい?それ。」
「うん、絶対帰ってくる。1番にお前の顔見る!」
「そっか。約束ね。」
今日が10年後の約束の日。
まだ溶けきっていない雪の上を走る。
彼はいるのだろうか。ちゃんと約束を守ってくれるか。
10年も経ったんだ。覚えていないことだってある。
長年運動せず、パソコンと向き合っていたせいか、少し走っただけで息切れが酷い。
「まだ、、あと1分、、。」
約束の場所には彼はたっているのだろうか。
いや、そんなのどうでもいい。
俺は多分ずっと待ち続けてしまう。
「っっ、、頑張れ、、!俺!」
力をふりしぼりながら走る。あと少し、あと少し。
新年の鐘の音が聞こえた。
「久しぶり!!」
#新年
改めてあけましておめでとうございます!
これからもよろしくお願いいたします!