空鈴 ss

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彼が死んだ。
知らなかった。知ろうともしなかった。
認めたくなかったから。
「ただいま。お疲れ様ー!」
今日の仕事も終わり、帰宅する。
「今日は上司に褒められたんだ。仕事よく出来てるってさ。」
彼からの返事は無い。
冷たくなった廊下には、誰の声も響かなかった。
「帰ってこねぇかな、、。」
スマホを見つめながら零す。
彼とのトーク画面を見る。何日経っただろう。
そこには一方的に殴り書きになっているトークが残っていた。
「、、、飯作るかぁ。」
今日も2人分のカレーを作り、2人分置いてテレビを前に座る。
「上手くなっただろ?めっちゃ練習したんだぜ。」
2人分のスプーンは、動かなかった。
「、、返事しろよカス。」
意地をはった子供のように言う。つくったカレーは一口も減っていなかった。
彼は死んだ。
認識するのが怖くて。怖くて。
俺も死ねたら、ずっと一緒だったのかな。
この妄言も消え失せるのかな。
そしたら、君は
涙が出た。彼が死んで初めて。
怖かった、辛かった、恐ろしかった、嫌だった。
あなたを失うのが。
写真の中の彼は笑っていた。
この笑顔も天国で見れるのかな。
昔の夢も、この職も、君がいたからなんだよ。
「昔に戻りたいなぁ。」
彼の写真を抱き、今日も眠りにつく。
彼が迎えに来てくれる。その時まで。
ずっと一緒だよ。

#ずっとこのまま

ヤンデレた???いや好きなのでいいです。
暗い話にしない予定だったのに!!!

少しお話変えました、申し訳ない、、。

1/12/2023, 1:19:18 PM