「綺麗な月やなぁ」
隣で歩く彼が呟く。
「今日三日月なんだ。俺は満月の方が好きやな。」
正直、月なんか気にしたこともない。常に下を向いているからか、、?
「ほぉ?満月の方が好きなんやな」
彼か俺の顔をのぞき込む。
「なんだよ、、。おかしいか?」
「いや、なんでもない」
はぁ?と若干キレつつも、そのまま下を向く。
彼はまた月に顔を向けていた。
暗闇の中に1人月に照らされて綺麗だった。
「僕は三日月の方が好きやなぁ。」
「なんで?」
彼のことはよく分からない。だから、知りたい。
そんな思いだけでただ聞き返した。
「んー、、。なんでやろなぁ?」
「は、、?」
「でも三日月って欠けてても綺麗やん、狡いわ。」
彼にとっては些細な事かもしれないが、その言葉は俺の心にささる。
「そっか、、。いいと思う、、。うん」
「若干引いてない?」
「確かに綺麗やな、、。」
「やろ?」
彼がこちらを向いて微笑む。
「じゃあお前は満月だな。欠けてないし綺麗やし。」
少しいじけたように言う。すると彼は
「ふは、何それ。僕のこと大好き?」
「なっ!、、そう思っとけば良いじゃん、、。バカ」
彼から返された言葉は、期待していたようで、でも
返す言葉は見当たらなくて。
「僕も大好きやで。」
雲に隠れた月が俺たちを照らした。
#三日月
長いです!長いのにちとよく分からんです!ごめんなさい!
1/9/2023, 2:21:11 PM