前回の死ネタの続きです。※彼視点
俺は死んだ。車に撥ねられたんだ。
最後に聞いたのは知らないおばさんの声だった。
「あのさ!俺お前と友達になりてぇ!いいか?」
先に話しかけてきたのはアイツだった。
俺より背が低くて、でも、めっちゃ頭良くて。
その頃の俺は外に出ることも滅多になくて、彼を知らなかった。
「良いよ。」
「まじ?お前俺の友達1号な!」
彼とすごした時間は夢のようだった。
こんなに人を愛したのは初めてだった。
好きだ。好きだ。その気持ちを初めて伝えた時は彼は照れながらも必死に目を合わせて、
「俺も好き」
そう言ってくれた。
嬉しかった。夢みたいだった。死んでしまっても良かった。
でも、誰かが言ってたんだ。幸せは続かないってさ。
実際そうだった。変わらないものなんて無いんだ。
まだ、意識はある。生きてる。
周りの奴らは必死になって俺を助けようとしてる。
スマホに手をかけて、彼とのトーク画面を見る。
そこにはもう情報を聞いたのか、大丈夫か?とか今どこにいる?とか沢山来てた。
俺は薄れる意識の中でこう返した気がする。
「絶対帰ってくる。」
それだけだった。すぐに既読はついて、彼からは電話がかかってきた。でも、電話に出る気力もなくて。
そのまま、多分、俺は
薄い意識の中で、彼はこちらを向いて笑っていた。
手は届かない。彼と俺の間にはぽっかり穴が空いていた。
「迎えに行くよ。」
なんとしてでも帰ってみせる。まだ夢を見ていたくて。
#夢を見てたい
♡100↑ありがとうございます!これからも頑張ります!
1/13/2023, 2:28:57 PM