るに

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11/7/2024, 2:04:11 PM

あなたとわたし、似てると思うの。
だからね、
わたしの叶えたかったこと、
暇になったら
叶えちゃって欲しいの___。
.......ジーツ、...ザザッ。
皆さん、こんばんは。
本日は「夜の鳥」をご利用くださり
誠にありがとうございました。
午前4時をお知らせします。
食堂は5分後に、
本の貸出コーナーは7分後に閉めてしまいます。
次の駅を乗り過ごしてしまうと
車庫に向かってしまいますので
お気をつけください。
それでは皆さんGood Midnight!
...プツンッ。
車庫で列車の中を見回り、
食堂でうどんを食べる。
アナウンスをする前、
うとうとしていたわけでもないのに
急にあの人のことを思い出した。
軽く人に頼んでいいほど
簡単なものではなかった。
それは「夜の鳥」を
夜更かししたい人を乗せる
夜の特別な列車にするということだった。
ポンデリングヘアを崩し、
朝日を見ながら
あの人のことを
少しだけ。
わたしね、
わたしたちみたいに
夜更かししたい人を集めて
夜景とか星空を
楽しんで欲しいと思うんだ。
だって暇じゃん?
でも寝れないじゃん?
話し相手は
多ければ多いほどいいと思うんだよね。
本当に少ししか思い出せないけど、
髪が長く綺麗で
明るくて…。
でもどう頑張っても
夜眠れない人で。
結局、重度の睡眠不足で
最後の最後で
あの人は長い眠りについた。
私は元々枕を作っていて、
ほどほどに売れていた。
でも列車が
車庫にずっと置いてあることを知った。
そしてあの人の遺書には
名のない列車のことを
「夜の鳥」と書いていた。
多分、
小鳥遊みたいな感じ。
眠りを鷹と捉えて、
列車に乗る人を小鳥と捉えたのだろう。
そんなこんなで
私は勝手に解釈し、
枕は乗客用に作ることに。
車両ごとにアナウンスするのも
お客さんを暇にさせないためだった。
朝日が昇り、
窓に反射する。
また2、3年後にでも
思い出しますよ。
それまで「夜の鳥」のこと
また見ててくださいよ。
"Good Midnight!"

11/6/2024, 2:18:25 PM

寒くて寒くて
布団から出れない今日。
用事があるので
絶対に出なければならない。
もぞもぞし、
毛布を被りながら
裏起毛のセーターを探す。
テレビをつけると
午後から雨が降るようで、
傘を持っていけと言っていた。
水を一口飲んで
やっと毛布と布団から出る。
靴下を履くのを忘れていて
床が氷みたいに冷たかった。
吸い込む空気はひんやりしていて
鼻が痛くなった。
まだ時間に余裕があったので
もう一度毛布を被って着替えた。
息が整い、
足が温まり、
ポカポカしてまた寝そうになったが
スヌーズを消し忘れていた
アラームに起こされた。
用事を済ませ
家に帰ろうと歩くと
雨が降ってきた。
だが、
なんだか霧雨みたいな
柔らかい雨だった。
傘なんかいらない、
このままスキップでもして帰ろうと思った。
帰ると髪はしっとりと濡れていて
ボサボサだ。
やっぱり傘をさした方が
よかったかもしれない。
寒かったので
お風呂に入るか迷ったが、
めんどくささが勝ち、
服だけ着替えた。
なんとなくスマホを開いて
漫画を読んだ。
昨日最新話を読んだばかりなので
更新はされていなかったが
それでもよかった。
頭で何かをずっと考えていないと、
寒くて寒くて。
明日の朝は
今日より寒いらしく、
もうマフラーを巻いて寝ようか迷った。
なんだか背中が冷たいと思い見ると
髪の水が染み込んでいた。
思ったより濡れていたようだった。
すぐに小さめのタオルを取り
力強く拭いた。
"Good Midnight!"
ぽろっと落ちる
雫を見ながら呟いた。

11/5/2024, 1:01:37 PM

紅葉の時期、
綺麗な落ち葉を何枚か拾い
水に濡らして透かすが
太陽の光は届かなかった。
見えないものは耐えなくて
私の心さえも見えなかった。
空は青くて、
宇宙は黒い。
境界線は
さぞかし綺麗なのだろうと思い
掴もうと手を伸ばすが
もちろん届かない。
指が痺れてきた。
見ると指の奥側に
小さい傷のようなものがあった。
何年か前に
暇していた時
指を見るとあった
傷のようなもの。
それから何ヶ月かに1回できていて、
最初は何も感じなかった。
けどだんだん
指の関節が腫れたり
痺れてきたりして
ちょっと怖かった。
今も腫れや痺れは来るけど
ほっとけばなんとかなると思って
普通に生活している。
私はこういうの、
大袈裟に捉えるタイプだから
大袈裟に心配されるくらいが
いいんだけどなぁ。
どんぐりを4つ集めて
持って帰らず、
そこらへんの芝生に寝っ転がる。
寒いけど暖かい。
お湯に浸かってるみたい。
全てが溶けそうな暖かい芝生だった。
"Good Midnight!"
まだ昼だけど、
どこかの国はもう夜だし。
この言葉も妥当だと思わない?
さっき拾った落ち葉の中に
1枚だけすごく綺麗な葉っぱがあり、
持ち帰ろうと思ってたが
水道があったので
濡らすことにした。
真上にある太陽に
透かしてみせる。
私の頬には
もみじ色の光が差し込んだ。

11/4/2024, 1:44:41 PM

お祭りやパーティが終わった後、
楽しみにしていたことが終わった後など
哀愁を誘うシュチュエーションが
私は苦手だ。
甘い蜜だけ吸っていたい。
ずっと変わらないで欲しい。
私の中では
まだ終わってないものも
現実では既に終わってて
みんなそれに適応してる。
例えば
何かに夢中になっている時。
あっという間に
時間が過ぎてしまう感じと同じだ。
私だけ
過去に取り残されてる気がして、
すぐ追いつこうとするけど
離れていくばかり。
今日もまた
3連休の終わりだからか、
朝から私の時間は動いてないのに
外は真っ暗だ。
お風呂に入って、
やることをやって、
明日の準備をして、
眠らなければいけない。
ああ、
なんだかすごく寂しくて悲しい。
大好きな漫画にさえ
手を伸ばせない。
でも
それでも
今週頑張れるように、
週末は
2つの休日が待ってるから。
1ページだけめくる。
"Good Midnight!"
吹き出しに書かれた文字を
何度も読んだ。
私の3連休は
少し遠くに行ってしまっただけ。
また2週間もすれば
帰ってくる。
それまで
1歩踏み出せるかくらいのスピードで。

11/3/2024, 12:32:13 PM

鏡よ鏡。
この世で1番美しいのは誰?
有名なグリム童話、
「白雪姫」。
主な登場人物は
白雪姫と王妃と猟師と
女王が変装したおばあさんと
王子だけど、
白雪姫と王妃が逆の立場だったら
どうなっていたんだろう。
王妃は鏡の存在を知らないから
自分がこの世で1番美しいと
信じたままかもしれない。
白雪姫は自分が1番美しいと鏡に言われ、
美しさを求めすぎてしまうかもしれない。
立場が逆でもどちらかが狂ってしまいそうな
この童話を
物語管理官の私が
ハッピーエンドにするためのお話。
物語に入ってみんなを幸せにする
ステキなお仕事。
バッドエンドの方がいい話もあるけど、
それは管理官の判断に任せられる。
私は小さい頃から
管理官に憧れていて
「白雪姫」の王妃を
ずっと幸せにしたかった。
美しさで進んでいく面白い話だけど
そのせいで王妃は幸せになれてない。
人を殺めようとしたから
幸せになれないのは当然なのかもしれない。
だから私は
王妃に白雪姫に愛着が湧くよう
新しい召使いと言ってそばに居た。
その時に一旦鏡を隠し、
親子愛を育てることに集中した。
そして白雪姫が7歳になった時
白雪姫を美しく育てた王妃も
またお美しいですと、
2人に鏡を贈った。
2人とも喜んで受け取ってくれた。
鏡にこの世で美しいのは誰か、
聞いてみてくださいと
私は笑顔で言った。
鏡よ鏡。
この世で美しいのは誰?
それは
白雪姫様と王妃様です。
2人とも大喜びだった。
そして白雪姫の結婚相手を選ぶ時、
元々の話に出てきた王子を
白雪姫に提案した。
しかし白雪姫は
結婚を嫌がった。
嫁ぎたくないと。
王妃と離れたくないと。
あの鏡にいつまでも2人で写っていたいと。
王妃もまた
同じことを言った。
元の話とかけ離れてしまうと
私はこの物語から出ることができない。
王子が結婚する前に
白雪姫と出会って欲しいのに。
私は焦っていた。
手が震え、
体温が低下し、
心音が耳を塞いだ。
早く、早く結婚させなきゃ。
半ば強引に婚約させた日の夜。
白雪姫は王子を殺した。
帰れなくなった私は
もう全部を壊そうと思った。
白雪姫に沢山酷いことを言った。
どうせ出れないなら、と
私はここに来た時から
ずっと付けていた仮面を外し、
鏡の前に立った。
童話だから
ここにいる人は所詮
絵だ。
しかも古いものなので
別の世界にいた私には
勝てない。
鏡よ鏡。
この世で1番美しいのは誰?
それは貴方様です。
"Good Midnight!"
鏡の中の自分は
この世界の誰よりも不気味に
笑っていた。

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