あなたとわたし、似てると思うの。
だからね、
わたしの叶えたかったこと、
暇になったら
叶えちゃって欲しいの___。
.......ジーツ、...ザザッ。
皆さん、こんばんは。
本日は「夜の鳥」をご利用くださり
誠にありがとうございました。
午前4時をお知らせします。
食堂は5分後に、
本の貸出コーナーは7分後に閉めてしまいます。
次の駅を乗り過ごしてしまうと
車庫に向かってしまいますので
お気をつけください。
それでは皆さんGood Midnight!
...プツンッ。
車庫で列車の中を見回り、
食堂でうどんを食べる。
アナウンスをする前、
うとうとしていたわけでもないのに
急にあの人のことを思い出した。
軽く人に頼んでいいほど
簡単なものではなかった。
それは「夜の鳥」を
夜更かししたい人を乗せる
夜の特別な列車にするということだった。
ポンデリングヘアを崩し、
朝日を見ながら
あの人のことを
少しだけ。
わたしね、
わたしたちみたいに
夜更かししたい人を集めて
夜景とか星空を
楽しんで欲しいと思うんだ。
だって暇じゃん?
でも寝れないじゃん?
話し相手は
多ければ多いほどいいと思うんだよね。
本当に少ししか思い出せないけど、
髪が長く綺麗で
明るくて…。
でもどう頑張っても
夜眠れない人で。
結局、重度の睡眠不足で
最後の最後で
あの人は長い眠りについた。
私は元々枕を作っていて、
ほどほどに売れていた。
でも列車が
車庫にずっと置いてあることを知った。
そしてあの人の遺書には
名のない列車のことを
「夜の鳥」と書いていた。
多分、
小鳥遊みたいな感じ。
眠りを鷹と捉えて、
列車に乗る人を小鳥と捉えたのだろう。
そんなこんなで
私は勝手に解釈し、
枕は乗客用に作ることに。
車両ごとにアナウンスするのも
お客さんを暇にさせないためだった。
朝日が昇り、
窓に反射する。
また2、3年後にでも
思い出しますよ。
それまで「夜の鳥」のこと
また見ててくださいよ。
"Good Midnight!"
11/7/2024, 2:04:11 PM