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7/15/2024, 11:19:07 AM

手を取り合って

6月の花嫁が新郎と共に司祭の前にまかりこし
祝福を受けて集まってくれた新郎新婦を祝う人々を前に誓います。

「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しきときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

司祭は新郎新婦の手を重ね合わせ問います。

「アーメン」
「アーメン」

新郎新婦は手を取り合って、そう応えました。

ハレルヤ
ハレルヤ

美しい夫婦が誕生しました。

この出会いは神様が授けてくれた赤い糸に違いない、私は祝福されたのだ。
この人を逃したら、きっと後悔しかしない、真心込めてそう高らかに告げる新郎なのでありました

・・・・ つづく


終わりにしよう

「終わりにしよう」

あの「誓いますか」「誓います」の日から何夜を共にしたでしょう?数ヶ月?数週間?数日…。


彼は彼女にそう告げました。

「病んでる間も、悲しんでる間もなかったわ。
言えば、今が病めるときで、悲しみのときかしら、富めるときも、貧しきときもなかったは、だって二人で築いたものなんて何もないから、それこそ、これが間違いであったと言う証かしら…」花嫁はそう呟いて、誓いを立てた司祭の告解室で涙ながらに訴えました。

「やはり、そうでしたか。」

黙って新婦の告解を聞いていた司祭は思わずそう言いました。

そうして、こう続けます。

「良い勉強をなされました。
これこそが神からの祝福です」

「これからを誓い合う場で、これこそが誓いと思い込む浅はかさ、言った先から誓いが崩れる安っぽさ、そんなに簡単に本物は見つからないし本物にするための誓は生まれながらに本物ではなく、細石の結晶が岩になるような雨と日照りと寒い雪とを越えてなるものであり、そのために誓はあるからです」

「この、神の形示しを、どう取るかがあなたへの祝福です」

「神は、いつもここであなたのことを見守っていますよ」

「神様は、見物がお好きなのね!」

彼女はスカートの裾を翻し告解室を後にした。



「終わりにしよう」

それから巡るひと季節

「病めるときも、健やかなるときも…
 誓いますか?」

「アーメン」
「アーメン」

彼女はまた誓うのでした。

「神様は見物がお好き」


2024年7月14.15日


心幸

7/13/2024, 1:26:44 PM

優越感、劣等感

優越感、劣等感そんなものは50も過ぎるとどうでもよくなるよと、父ちゃんは笑ってる。

最後に笑え、最後に笑えれば大丈夫と私に教えた、父ちゃんは、「あゝ人生に涙あり」という歌が好きだった、ご存知水戸黄門の主題歌です笑笑 あの歌は人生の哲学が詰まっているのだそうです。あの歌を聞くと父ちゃんを思い出します。

人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹もでる
歩いてゆくんだしっかりと
自分の道を踏みしめて

人生勇気が必要だ
くじけりゃ誰かが先に行く
あとからきたのに追い越され
泣くのがいやなら さあ歩け

人生涙と笑顔あり
そんなに悪くはないものだ
なんにもしないで生きるより
何かを求めて生きようよ

父ちゃんは、自分の葬式はこの曲で送ってくれと言っていたので、そうしました。

父ちゃんが死んだのは私が15の朝だったので正直この歌を流すのは恥ずかしかったけど突然で何ひとつ思いつかなかった手向けに、よく父ちゃんが酒を飲みながら言っていた言葉を守ったよ。

父ちゃんに聞いてたかな。

私は、最後に笑えの言葉通りに笑顔浮かべて眠ってる呼んでも叫んでも起きてくれない父ちゃんを見て、駄々っ子みたいに泣いて泣いてばあちゃんに叱られたっけ笑笑

あの時はそんな風に思わなかったけれど
この歌いい歌だよね父ちゃん。

今なら分かるよ。

やっぱり黙っていたら駄目だ
誰かの身内が亡くなって苦しんでいる
人が見る幻影を、それがなんだかわからずに
「怖」なんて平気で言うような子供か大人か分からないようなの育てちゃ駄目なんだ。

何故なら、そんな人の子供そんな人に育てられた子供が虐めをするようになるからだ、嫌われても構わない誰かが言わなきゃ分からんなら言ってやる。

そんな奴は不満ばっかり並べて粗探して「怖い」「傷ついた」「不快」ばっかり数えて他人ばかりに求めて生きようとしているんだろニート!お前を気持ちよくするために地球は回ってない!

きっと劣等感のかたまりで優越感が味わいたいから、文句たれるんだろ、嫌いなものにしがみついて、自分の好きなものだけ見せてくれって口あけて鳴くんだろ。

うっせーわ!

令和6年7月13日

心幸
 








7/12/2024, 3:43:16 PM

これまでずっと

世界が灰色に見えるみたいな雨の降るなか独りバスを待ち私は繊細さんだからぁと言う彼女は、自分の図々しさに気づかないで自分の思ったことだからと、人を貶し子供さえ自分が気に入らないからと野次る、こりゃあ、母親になって子供が自分の思い通りに育たなかったら酷い毒親になりそうだ、彼女は気づかない何故なら自分のことは棚の上だからだ。

誰かが好きなものを貶すのは平気でするくせに反論されると子供っぽい言葉で噛みつく、馬鹿とか下品とか嫌いとかまあ言ってる人間の語彙力のなさを曝け出すような俗っぽい子供の喧嘩みたいな言葉で貶す。そして感想は自由だ!とか言うだったら反論も自由だ!わよ。

そりゃあね、自分の好きなものを貶されれば腹が立つの皆同じにだからね自由だからって、へばりついて粗探して貶してたら反論食らうのよ当たり前に、そんな覚悟もなしに自分の権利ばかり主張して悪口批判を正論だとか正儀の味方気取りで言いなさんなっての。

あなたの嫌いなものにも、それを好きな人がいる。ひつこい批判は暴力や虐め心理と同じだから仕返しされても仕方がないの、それくらいの覚悟をもって意見は言いなさい。自由には責任と覚悟が必要です。何故なら、それが平等だから。

ひとつの意見には必ず反対の意見もある。
正義の反対はもうひとつの正義だから。

意見を言うときは反論される覚悟を持ってなさい、特にアンチコメントする時は!!

これまでずっと曖昧に堪えてやり過ごして来たこと、今日は書き記す。

読書力洞察力の無い子供にはこれからハッキリ言ってやる!!と決意した。

育ちが悪い人ほど品格に拘る下品な人ほど下品が嫌で上品が好きなのは、豊臣秀吉が身分の高いお姫様が好きなのと一緒です。

今夜は、これまでずっと思って来たことを書きました。


令和6年7月12日

心幸



7/12/2024, 12:43:54 AM

1件のLINE

君のトナリいいですか?

男は図書館で手話の本を手に、やっとその手話をマスターして、何時もの喫茶店窓際で本を読む彼女に伝えた。

 3ヶ月前よく考えてみたらもっと以前から、彼は彼女を気づけば目で追っていた。

彼の友人がそのことに気づいて彼にこう言った

「あのこ、いい感じだよな、でも耳きこえないらしいぜ 声かけた奴が言ってた」

その時から、彼は手話の勉強をした。

彼女に気持ちを伝えたいと思ったから。
そして、やっと今日彼は彼女の前に立ちこう手話で話しかけた。

「君のトナリいいですか?」

彼女は、その白くて細い手に乗る本から顔をあげ彼と彼の気持ちが聞こえる大きな手を見つめて微笑んだ。

伝えたい想いは声にならない

二人の恋がはじまる

幾千もの想いをその手は語った…
語っても伝わらない、手では伝え切れない
伝えたいたったひとつの気持ち。

「…もう、いいよ」

彼は、ため息混じりの言葉を吐いた、ちょうどあの日から1年の季節が流れていた。

「君のトナリいいですか?」
戸惑いながら「ど、どうぞ」と、頷いた。

「映画は、スキですか?」
覗き込むように、彼のまだ下手くそな手話に笑いながら 「アクション映画が好き」と返した。

「今度、映画行きませんか?」
彼の手の向こうにある瞳を見つめながら「ウレシイ」と彼女は伝えた。

あれから1年どれだけ言葉を尽くしてもその手は伝えたい想いを伝え切れなかった。空回り擦れ違う気持ちと気持ちがぶつかり軋んだが音は彼女には届かず、それが彼女を傷つけ彼を苦しめた。

「もう、いいよ…」

彼が、ため息混じりに吐いた言葉は手は語らなかったが、彼女の心に届いて彼女の手は語るのを止めた。

街には雪が降っていた、彼は彼女に背を向けて彼女のアパートを出た。

それから、暫くして彼に届いた知らせは彼女が故郷に帰るという知らせ。

彼は友人たちと酒を飲んでいた。

1件のメールが届いたことに彼は気づいた。

「最後のメールなのに
 言葉が見つからないよ」

彼女からだった。

「誰からだよ、見せろよ」友人がそう言い終わる前に彼は走り出す。

「恋だな」友人が頷いて見送った。


雪の中電車を待つ彼女にあのメールの返信が届いた。

「君の、トナリいいですか?」

息のあがった彼がホームの端に立っていた。

伝えたくなる、伝えたかった

1件の想い…by KDDIってガラケー時代のAUのCMを創作してみました。

メールがLINEに変わっても
伝えたい1件のLINE
ひとつの気持ちは変わらないと信じています。

あれから何年?

令和6年7月12日

心幸



7/10/2024, 1:02:54 PM

目が覚めると

目が覚めると自分が巨大な虫になっていた!
とかいう小説があったね。

なんだっけ?

カフカの「変身」だったか?

カフカの「変身」は様々な解釈がある小説として有名だ。物語は作者の手を離れ読み手の手に渡った瞬間その物語を手にした人のものになるのだろうからそれで良いのだろう。

嫌いなら、分からないなら読まなきゃ良いのだドラマも映画も一緒!!

ひとつの見解です。

目覚めると自分が巨大な虫になってしまった主人公、やがて家族にさえ疎ましいと思われてしまいました。

人はどんな人でも自分が醜いと思うものに変わった瞬間、反応も冷たくなってしまうという残酷さを孕んでいて、結局見た目って大事だよねってということを説いた小説であるというひとつの見解…私はこの解釈が1番しっくりくる物語だと思っていました。

他にもたくさん見解があり、自分がどんな見解に同感出来るか?小説の顛末を読むより、カフカの「変身」に対する解釈という感想文を読むことが楽しいという面白い作品です。

出会った、解釈のひとつに、作家カフカはユダヤ系のドイツ人であり、ユダヤ人は理由もなく突然忌み嫌われ迫害された石を投げられ理不尽に殺されたこの小説家は常にその人の心に棲む悪魔性をテーマにしているという解釈でした。

「なるほどな~」


まさに、目が覚めるような解釈でした。


2024年7月10日

心幸


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