mia

Open App
8/8/2024, 11:56:50 AM

《日記》
我が家にはテレビが無い
だからオリンピックの結果も
すべてニュースアプリが頼り

そしてなにゆえか、
準々決勝敗退のニュースを見たあとから
ブラン監督の元のバレー男子日本代表にハマってしまった
どう考えてもタイミングが遅い

YouTubeで好きな選手のプレー集や
everywhere JAPAN集を観ていたら
こんな時間になった
あまりにもかっこよすぎてずっとニヤけてる

自分が学生時代にやっていたスポーツの
プロの男子には無意識にフィルターがかかって
そのフォームから何から何までかっこよく見えるのは
もちろんなんだけど

まさか全く経験の無いバレーボールの男子にまで
そのフィルターがかかってしまうとは思わなかった

あんなに高く跳んで
時にはボールの下に飛び込んで
身体をひねって反らせて
どこまでもボールを追いかけて
かっこいい、、、かっこいいわ

8/7/2024, 12:45:27 PM

出来すぎた記憶

YOKAZEが流れる車内
座り慣れた助手席
次から次へと過ぎていく街灯
何も言わずにハンドルを握る人
私は静かに泣いていた

片手では足りなくなった都会の街
見慣れてしまったスカイツリー
こんな筈じゃなかったと最後に思ったのは
何度目の助手席だったか

ぼやける視界に映ったのは
緑の光を放つ出口の看板

ああ、また終わりが近づく
ゆっくりと瞼を閉じて
最後の涙を頬に落とす

赤信号に捕まったとき
隣に座る人の方を盗み見た

終わりの合図が
ハンドルを握る薬指で
いやに煌々としていた

こんな筈じゃなかったと最後に思ったのは
何度目の助手席だったか

最初から決まっていたことだと知っていても
都会に慣れることを選んだのは私なのに

8/6/2024, 12:59:55 PM

地面に這いつくばって拾い上げたわずかな希望
倒れ込んだ僕を高く跳び上がったあなたの大きな影が覆った

その奥に一瞬だけ見えた吊るされた照明よりも
あなたの背中がずっとまぶしかった

撃ち落とされる寸前のわずかな希望を
瞬く間に未来へと貫いたあなたの強さ

振り返り、僕に手を差し伸べるあなた
その時の眼差しがまぶしかった

あなたは僕にとって最初からずっとまぶしい存在だ
だから目を細めて笑ってしまう

俺はあなたの前でなら汗だくになって
どれだけでも熱くなれる
これだけはわかっていてほしい
俺はもうあなたに焦がれている

8/3/2024, 11:44:44 AM

撫でられたところから
熱が伝わり身体中が火照っていく

彼が手を離すまで身を委ねていた

「会いに来てくれてありがとうね」

手が離れていくのと同時に
優しい声が聞こえて
ドッ、ドッ、ドッ、
鼓動が速まる

「いえ、、あの、少し居座ってもいいですか」

「あはは、居座るって、いいよ。というか居て」

どくん、とまた大きく胸が鳴る
広くて静かな部屋にバレてしまいそう

そうして彼は目を閉じた

話したいこともあるし
見つめ合いたいとも思うけど

そばに居ることを許されるどころか
願われてしまった

それだけでいいや

私も目を瞑ることにした


どちらかの目が覚めるまでに
なにかが彼に、私に、やってくるだろうか

できるだけ長くこの静寂を

8/2/2024, 12:48:06 PM

206、206、、、

これが、これから会う人の住む部屋番号だったらな

いやまあ今はそこが部屋番号に違いないんだけどさ

新しく建て替えられた大きな病院の中を
心の中でそんなことを呟きながら
スリッパで進んでいく

あ、あった、、

目の前に現れた目的の部屋番号に
誤魔化していたはずの鼓動の速さが襲い掛かる

一度だけ大きく深呼吸をして
大きな扉にコン、コン、とノックをする

返事無くても入ってきていいから、と
LINEで言われていたことを何度も脳内で再生し
失礼しまーす、、、と誰にも聞こえない小さな声で呟き
静かに扉を開けてそろりと部屋の中に入る

四人部屋だが、つい最近もう一人が居なくなって
この大きな部屋を独り占めしているらしい

一番奥のベッドに居る会いたい人へ近づく

すると上半身が起こされたベッドに身体を預けて
窓の外を見ているようだった

「...こんにちは......」

少し掠れてしまった声で呼び掛けると
ゆっくりと顔をこちらへ向けながら

「......会いたかったよ、」と言った


だれとまちがえてる?なんてどうでもよかった
ここで私が正直にならないでどうする

「わたしも、会いたかったです……」

泣きそうになるのを堪えながらそう呟くと
彼は私を手招きして呼び寄せる
それに倣うと頭を撫でられた

「間違ってないからね、俺」
「ちゃんと、会いたかったんだよ」

Next