好きなものを自分の好きなペースで好きでいることが楽しいのであって
それが義務になってしまったり
ペースに疲れてしまっては意味がない
だって楽しくないから
元々供給があまり多くないものを好きで
そのペースが私にも合っていて
ずっと心地よいのだけど
畑の違うコンテンツを好きになると
その供給の多さと頻度の高さに
息が詰まりそうになる
有難いことだろう、というのは
この際脇に置かせて欲しい
楽に息ができる距離を探っている
タバコになりたい
一日に何度もキスをして
やめられないほど夢中になって
何処へ行くにも必ずお供する
あなたが抜け出せないタバコになりたい
そう思って演じてた
都合のいい人
狙ったように手に落ちて
あなたのタバコになれたけど
吸い終わるたびに捨てられて
煙のようなさよならは
届くことなく消えていく
別れ際に、今の今までの
夢の時間を噛み締めながら
口角が勝手に上がるのをキュッと結ぶ
今は歩きながら時々肩と肩が触れる距離だけど
お昼頃の人混みでは手の先の方だけで繋いでいた
「はははっ」
私が大きな一口で頬張った時に笑った声が
いつまでも頭の中で響いてる
スーツ姿しか知らなくて
私服ってどんな感じなんだろうととにかくワクワクしてたら
髪型はセットしてラフめの洋服で現れて
そのギャップに悩殺された集合場所
すべてがキラキラと夢の光を放ち
私のなかでいっぱいに溢れてる
お互いの車を停めた駐車場に着くと
「どこらへんに停めたの?」と聞かれたので
もう少し奥の方です、と答えた
「じゃあ、そこまでね」
そこまでね、そこまでね、
その言葉に胸がチクリと傷んだ
「あ、これです!私の車」
「おー。じゃね〜ありがと今日は」
「はい!こちらこそありがとうございました!!お気をつけて!」
「うん。また仕事でね」
また仕事でね、また仕事でね
まあ、そりゃあそうだよなぁ。仕事だよなぁ
また一人で胸をチクリと痛めていたら
歩き出していた彼がふと振り返って
「あ、もちろん今日みたいな日でもね」
と目を合わせて言った
昇った階数は36階相当で歩数は2万歩弱
今日は仙台へ出かけた
その街へ行くことだけ決めて電車に乗った
デッキにあった案内板を見て仙台城跡か〜と気持ちが向いたので
歩いて向かった
西公園の敷地からとても近くに線路が見えて面白かった
大橋の橋の造りが立派で思わず写真を撮った
かなりの急勾配を、秋の空と言えど
汗をかきながら登っていく
履き慣れたスニーカーで来てよかった
これが有名な伊達政宗公の騎馬像か
画面の中でしか見たことがなかったが
実際に見るとやはり立派だ
その城跡から見下ろす仙台の街
風に吹かれ、殿様になった気分
遠くに水平線とそこに浮かぶ大きな船も見えた
何年ぶりに海を見たことか……
限定出店の様子で美味しそうなおにぎりが売られていたので
仙台味噌ツナマヨおにぎりと玉子入り肉巻きおにぎりを買った
S-PALも回ろうと思ってたはずが
次の電車の時間を調べたらちょうどいいのがあって
それに乗ろうとすぐに決めちゃって行けなかった
また今度来よう
明日もちょっと出かけようか、それとも…
久しぶりの連休わーい
「迷惑だろう」
「忙しいだろう」
「私との雑談なんて」
「同じ土俵で話せるだろうか」
「変に思われないだろうか」
いつからこんなに弱くなった?
私はきっとこのままの距離感で日々を過ごすのだろう
そしていつしか異動になるんだ
だからこの限りある、同じ場所で働ける時間を
大事にしたいと思うのに
私は変われない臆病者
私から話しかけなければ
会話なんて生まれるはずないのに
話したいのに
タイミングばかり見計らって
喉まで出かかったその人の名前さえ
声にならずに脳内へ戻される
あんなに近くに居るのに何も