「どこまででもいいよ」
「じゃあ、東京で。...なんちゃってぇ〜。」
「はい。」
「...え゛っ!?!?」
「え?笑」
「ほ、ほんとに?デスカ?」
「うん、途中休憩しながら行こ。泊まっちゃってもいいかもね?笑」
どこまでも、一緒に居られる今が、いつまでも続けば
貴方から頂いたたくさんの言葉を
ひとつずつ積み上げて
私の糧にしていく
その言葉に宿る
エールも厳しさも温かさも励ましも
優しさも
私の心を潤していく
しがらみが無ければ
もうとっくに惚れ込んでいる
ほど
へぇー。
興味があるのか無いのか掴みきれない曖昧さをこぼしながら
貴方は残りのビールを飲み干した。
半個室の眩しくない照明にまだ慣れない。
ちょっと吸っていい?
はい、
その瞬間から貴方の初めて見る所作に目が奪われた。
目が離せない。もう気付かれてもいい。
なに、笑
貴方の得意な調子でニヤつきながらこちらを見た。
あ、いや、どうやって吸うんだろうなって思って観察しちゃいました、すみませんっ
はは なんだそれ笑
そう言って、色気をダダ漏れにしながら貴方は煙を吸っては吐いてを繰り返す。
もう一杯頼もうかな
タッチパネルへと伸びてきた左手にはめられた指輪が視界に入り、よく許してくれたよなぁ、と酔いが回ったあたたかな頭で思う。
なんで私と飲んでくださったんですか
んー?……んー、、、どんな事考えて仕事してんのかなーって気になったからね
ずるい、ずるい、ずるい
その煙を吸うのも吐くのも
指輪がはめられた手でグラスを持つのも
時々眉をひそめたりニヤついたり笑ったりするのも
すべてが色気ダダ漏れ
ずるい
あたたかな熱が冷めないうちに貴方のそのずるさをこれでもかと堪能したい
僕と一緒に
来てくれない?
行かない?
どう?
来てよ
行こうよ
どうかな
じゃなくて
僕と一緒に
歩いてほしい
その、沈黙という空白に
貴方の柔らかさを感じていた
待つ、という柔らかさを
私はそれに身を委ね