mia

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9/4/2025, 2:08:57 PM

言い出せなかった「お酒飲まれるんですか」

喉に詰まってそこから動かせなかった
不自然じゃない言葉なのに、飲み込んでしまった


聞いてみたい「どんな音楽聴くんですか」

もしくは貴方の運転する姿を見られた暁に
そこで流れる音楽をこの耳で確かめたい


吸ってみたい「じゃあ一瞬だけ」

そう言って、私の人生の最初で最後のたばこを
咳き込む私を見てにやりと笑う貴方の吐く煙を

そのシワひとつない真白なワイシャツからする柔軟剤の匂いを

9/3/2025, 11:16:26 AM

その音が鳴ると
もう一度鏡と見つめ合って
“大丈夫”であることを確認する

そして
22:46と浮かび上がる液晶を
真っ暗にした部屋の中で視界に入れ
着信の通知を盗み見る

その瞬間が罪深く甘い

緩みそうになる口元をきゅっと結んで
暗闇の世界へと踏み入れる

階段を降りるリズムに合わせるかのように
心臓も強く脈打つ

コン、コン、と助手席の窓を鳴らす

無音の車内に座ると
頭にあたたかな手のひらが触れた

おつかれ

とだけ言って離れていく大きな手

それはいつもの出発の合図


過ぎゆく街灯の微かな光さえ
いやに反射させる薬指の金属

絶対に外さないその輪っかにさえ
救いようもないほど私の心は熱くなっていく

溶けてしまえそうなほど
溶けてしまいたいほど

8/30/2025, 10:00:07 AM

心の中の風景は
今の私が見ている風景のすぐそこに貴方がいる、
そんなありもしないもの

それはいつまでも心の中にだけ存在する風景

許されざること
知られてはいけないこと

何気ない日常であろうと
旅先の見知らぬ街でも
横断歩道でも
海でも

貴方が隣に居たら
そのすべてが
どんな風に見えるか
って

8/24/2025, 1:22:23 PM

見知らぬ街
それは、貴方の住む街

こんなとこあるんですね、
と私が呟くと
うん、俺も最近知った、
と答えた

奥様とよく来られるんですか、
とは呟けずに
少し開いたままの口へ
ペットボトルを近づける

緊張で乾いた口の中が
ほんの少し潤う

どう?最近は
といつものように呟いた声に
妙に懐かしさを感じて
つい頬が緩む

それに気付いた貴方はまた、
ニヤリと笑って
なに、
と呟いた

ふふふ、と笑うと
ふふふ、って、と真似をされた


終わるのが惜しい

8/15/2025, 12:47:51 PM

もうさ、惚れないわけないんだよ
貴方という人に

人として、ほんとうに惚れてるんだよ

ああ、馬鹿になって

「え?????めちゃくちゃ惚れてるけど!!!!!!!」

って言っちゃおっかな

あーあ。

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