撫でられたところから
熱が伝わり身体中が火照っていく
彼が手を離すまで身を委ねていた
「会いに来てくれてありがとうね」
手が離れていくのと同時に
優しい声が聞こえて
ドッ、ドッ、ドッ、
鼓動が速まる
「いえ、、あの、少し居座ってもいいですか」
「あはは、居座るって、いいよ。というか居て」
どくん、とまた大きく胸が鳴る
広くて静かな部屋にバレてしまいそう
そうして彼は目を閉じた
話したいこともあるし
見つめ合いたいとも思うけど
そばに居ることを許されるどころか
願われてしまった
それだけでいいや
私も目を瞑ることにした
どちらかの目が覚めるまでに
なにかが彼に、私に、やってくるだろうか
できるだけ長くこの静寂を
8/3/2024, 11:44:44 AM