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5/18/2024, 12:55:33 AM

真夜中にコンビニエンスストアで疲れ切った見知らぬあなたを見る。伝わらない内心でそっとささやくお疲れ様になんの意味があるのだろうかと考えて自分が言われたいのかもしれないと疲れ切った腕でカゴを持ち直した。疲れた顔のレジ係が口角を上げてマニュアル通りの口上を伝えながら手を動かす。帰り道を歩きながら元気なのは星ぐらいだろうかと上を見れば流れ星が落ちていった。星の投身自殺のようだと思ってしまった自分の思考にますます疲れが押し寄せる。ここがビルの上でなくてよかったと発作的な思考をそっと手に持った袋が押し止める。帰って温かいものを食べよう少しは心がましになるはずだからと星に願って家路に向かう。

5/14/2024, 2:25:22 PM

風に身をまかせビルからビルへとはね移る。身軽に軽やかに画面の中で軽々と風に乗って跳ね回る彼らは楽しげで恐怖なんて感じてもいないよう。ビルの隙間でため息をつく自分とは違い過ぎてどんな世界に生きているのだろうかとなんとなく思った華やかな世界の中で踊る彼らに羨ましさを感じながらビルの隙間から空を見上げたら落ちてくる人と目があった。厄日だ。

5/13/2024, 12:35:10 PM

失われた時間は戻らないそれを悔いても時間が過ぎるだけわかっていてもどうしても失ったものばかりに執着する。悔いてる時間すらも惜しいのにそれでもそれでももう戻らない時間を追いかけている。現実から逃避して過去ばかり思い返してそうして今を無駄にしてそれでもそれでも取り戻したくて仕方ない。今が一番若いのにそれでも昔の若さが惜しい、そんなことを思う時点で今を無下にしているというのにそれでもそれでももうない昔にしがみついている。

5/12/2024, 2:09:12 PM

子供のままでいたかった憂いも心配もない明日を悩まないそんな子供でいたかった。そんなふうに考えること自体がおとなになってしまったようでずいぶんと寂しさを覚える。古くなった駄菓子屋の跡地を眺めながらスーパーへの道を進む夕焼けの中で食べたいものではなく栄養と予算のことばかり考えて侘しいような心持ちになりながらどうしようもないベッタリとした疲れが背中を引く。好きなことだけ考えて生きていられたら幸せなのにお金がなければ考えるだけの余裕すらない。ひたすら生活の中で必要なものを吟味する時間もなく追われるように明日もまた労働が待っている。子どものままでいたかったというより誰かの庇護のもとぬくぬくと巣の中でたまごのように温まっていたかったのかもしれないと冷たい風を感じながら足を進める。

5/10/2024, 2:24:31 PM

モンシロチョウが庭先を飛ぶ。古ぼけた木板の縁側でじっとそれを見る。障子越しに背中に飛んでくる争いの声から耳を背けるようにそれを気にもせず飛ぶ白い羽ばたきを目で追う。残された思い出を忘れたかのようにあるだろうと信じていた遺産がないことを受け入れられない者たちが怒りと戸惑いと落胆の囀りを上げている騒がしい室内から逃れるように縁側に逃げ込んだ。そんな自分を迎えるかのようにひらひらと白が飛ぶ。どうせ持っていけないのだからと身軽になっていきたいもんだと笑っていたあの人は思い通りにしたらしい。ろくに見舞いにすら来なかったのだどこに残されたものが譲られ処分されたのかなど知る由もない。モンシロチョウの向こうに呆れたように笑うあの人を見た気がする。

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