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子供のままでいたかった憂いも心配もない明日を悩まないそんな子供でいたかった。そんなふうに考えること自体がおとなになってしまったようでずいぶんと寂しさを覚える。古くなった駄菓子屋の跡地を眺めながらスーパーへの道を進む夕焼けの中で食べたいものではなく栄養と予算のことばかり考えて侘しいような心持ちになりながらどうしようもないベッタリとした疲れが背中を引く。好きなことだけ考えて生きていられたら幸せなのにお金がなければ考えるだけの余裕すらない。ひたすら生活の中で必要なものを吟味する時間もなく追われるように明日もまた労働が待っている。子どものままでいたかったというより誰かの庇護のもとぬくぬくと巣の中でたまごのように温まっていたかったのかもしれないと冷たい風を感じながら足を進める。

5/12/2024, 2:09:12 PM