Isao Tominaga

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10/12/2025, 10:57:22 AM

どこまでも


夕暮れの駅前 
手を振るあなたの笑顔が 
風の中に溶けていく
胸が少し痛くなる

遠くで聞こえた汽笛の音
未来への合図のようで
立ち止まる私の背中を
そっと押してくれた

どこまでも あなたと行けたら
世界の果てでも怖くない
たとえ雲が隠しても
あの青を信じていられる

季節がいくつ巡っても
あなたの言葉はまだ温かくて
寂しさの隙間に差す光のよう
私を照らしてくれる

どこまでも あなたを想うたび
涙がやさしくなる
“さよなら”じゃ終われない
心はまだ、あなたを追いかけてる

ねぇ、覚えてる?
ふたりで見上げた空の色
夕陽が沈む瞬間に
永遠を信じてた

どこまでも 風が吹く方へ
あなたと過ごした日々を胸に
未来はまだ見えないけど
この想いが導いてくれる

10/11/2025, 9:59:16 PM

未知の交差点


夜の街を抜けて
見慣れた道が急に違って見えた
信号の灯りが滲むたび
心の奥で何かが揺れた

君の言葉の裏に
隠された「さよなら」を感じて
知らないふりして笑ってた
強がりが呼吸になってた

愛はいつも選べない
未来の地図なんてない
ただ、君の手を離せずに
立ち止まってた交差点

過去と今の狭間で
行き先のない恋が泣いてる
たとえ遠回りしてもいい
君と歩きたかった

もしも時が戻るなら
もう一度あの夜に立って
君の名前を呼ぶ勇気を
この胸に探してた

見上げた空の下
ふたりの足跡が交わる場所
運命(さだめ)という言葉じゃ
片づけられない痛みがある

未知の交差点で
君と出会えた奇跡
たとえ別々の道でも
この心は、まだ君を見てる

10/9/2025, 8:59:26 PM

秋恋

― 風にほどけた想い ―

落ち葉の舞う帰り道
君の影を探してた
手のひらに残るぬくもりが
季節より先に消えてゆく

駅のホームで見た空は
少しだけ泣き出しそうで
さよならの言葉よりも
君の背中が語ってた

あの日の秋風に
恋の香りがまだ残る
名前を呼ぶ声が
胸の奥で揺れている

コーヒーの湯気に溶けて
伝えられなかった想い
窓の外の木々たちが
ふたりの時間を包み込む

赤く染まる空に
未練が滲むほど
あたたかい恋ほど
冷たくなる季節

もう会えないと知りながら
風に願いを託すの
秋の終わりに咲く恋は
静かに散っても美しい

秋恋――
それは、君と出会えた奇跡
そして、叶わぬ愛の詩

9/26/2025, 10:02:23 AM

コーヒーが冷めないうちに



テーブル越しの君の瞳に
映る私は少し強がりで
笑ってごまかすたびに
言えない言葉が増えていく

カップから立ちのぼる香り
二人の距離をやわらげて
だけど沈黙の隙間に
心は少しずつ遠ざかる

コーヒーが冷めないうちに
伝えたかった「愛してる」
最後の一口を飲み干す前に
せめてこの想いを残したい

時間は残酷に進んで
私たちを引き離すけど
一緒に過ごした瞬間は
きっと永遠に温かいまま

コーヒーが冷めないうちに
君の手を握りしめたい
言えなかった涙のかわりに
ぬくもりだけを抱きしめて

今も胸に漂う苦い香り
それは甘い恋の記憶

9/7/2025, 10:19:00 AM

雨と君


放課後の校庭に 雨の匂いがして
君と並んで歩いた帰り道
小さな傘の下 肩が触れるたび
胸の奥が 熱くなる

笑い声が雨音にまぎれて
ほんとの気持ち 言えなくて

雨と君 ふたりの距離は
たった数センチなのに
手を伸ばせば触れられる
その一瞬が愛しくて

水たまりに映る 揺れる青い空
君の横顔がきらめいて
どんな未来より この時間が
ずっと続けばいいのに

心の中で何度も呼んでる
まだ言えない 「好きだよ」を

雨と君 ふたりの恋は
始まりそうで始まらない
でも確かにここにある
淡い光が胸を照らす

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