秋恋
― 風にほどけた想い ―
落ち葉の舞う帰り道
君の影を探してた
手のひらに残るぬくもりが
季節より先に消えてゆく
駅のホームで見た空は
少しだけ泣き出しそうで
さよならの言葉よりも
君の背中が語ってた
あの日の秋風に
恋の香りがまだ残る
名前を呼ぶ声が
胸の奥で揺れている
コーヒーの湯気に溶けて
伝えられなかった想い
窓の外の木々たちが
ふたりの時間を包み込む
赤く染まる空に
未練が滲むほど
あたたかい恋ほど
冷たくなる季節
もう会えないと知りながら
風に願いを託すの
秋の終わりに咲く恋は
静かに散っても美しい
秋恋――
それは、君と出会えた奇跡
そして、叶わぬ愛の詩
10/9/2025, 8:59:26 PM