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7/9/2023, 10:14:31 PM

『私の当たり前』

誰にだって自分の決めたルールに基づいて生活している
それは所謂、社会の暗黙の了解や法律、またはモラルなど
様々な要因から成り立つルールであり、当人の常識と言っても
差し支えないのかもしれない

そして、当人の常識とは人の数だけ解釈があるものだ

世の中には信じられないが、
自身の利益という利己的な目的の為ならば、
他者を犠牲にする事すら躊躇わない者がいる
犯罪者、非常識、無法者、こうした人間は確かに存在している

愚かしいと思うかもしれない
馬鹿馬鹿しいと内心で嘲笑うのかもしれない
理解の範疇を越えた者に対する差別と侮蔑、そして恐怖

それらを決して正そうとしてはならない
親切心かもしれない、正義感かもしれない、
けれど彼らには彼らのルールがあり、彼らの当たり前がある
その日常が壊される時、何が飛び出してくるかなど
当人以外には分かりはしないのだから

7/4/2023, 9:56:50 AM

『この道の先に』

何処までも続くか細い道
道は常に闇で覆われており、その先を伺い知る事は叶わない
足を踏み出しても其処に道があるとは限らない
奈落の底へ落ちるかもしれない
かと言い、後ろを振り返ってみても
前と同じように暗く先の見えない道が続いているだけ
それが辿ってきた道であるという確証などあるはずも無く、
戻る事も進む事も出来ず、ただ其処に立ち尽くすしかない
何時からこうしているのか、何時までこうしているのか

先の見えない道、未知が蔓延したその先をただただ恐れ、
有り得もしない美しい未来を夢見る訳でもなく
過ぎ去った輝かしい過去を惜しむ訳でもなく
今この瞬間すらを逃避するべく、この道の途中で一人立ち止まる

6/30/2023, 11:14:46 AM

『赤い糸』

その糸が運命の人と私を本当に結んでいるならば、
どうして他の誰かとも複雑に絡み合うのだろう?

相手が決まっているならば、
始めからその人の元へ行けば良いだけで
それ以外の人間と恋に落ちて
運命の人だと錯覚する必要なんてきっと在りはしないのに

小指に絡まる見えない糸を爪の先でピンと弾く
何処まで続いているかなんて分かりもしないこの糸の先
でもまぁ、少なくとも今の相手は
運命の相手じゃないのかなと何故かそう感じる
根拠も理由も何も無い、漠然とした意識の中でそう思っただけ

じゃあ誰がと問われてもそんな事、分かりはしない
でも、そんな私にすら分かることが一つある

それはまた別れの苦しみを味わう事になるって事

6/27/2023, 12:50:03 PM

『ここでないどこか』


しんどい、辛い、苦しい、

胸の内から汲み上げる感情が溢れ出し、
今朝の朝食だったものと共に胃から逆流する
誰も居ないトイレの個室で浅い呼吸の音だけが木霊している

胃の中が空っぽになったって、
この感情も一緒に無くなる事など有り得る筈もなく、
僅かな解放感の後に、また不愉快な悪感情が心身を蝕む

口内に広がる僅かな酸の匂いと、えぐみを伴う酸味に
また胃から何かが込み上げてくるのを感じて、
それ追い出すようにしてまた便器にしがみつくようにして、
胃から戻って来たものを吐き出した


出すだけ出して、やっと立ち上がれるようになる頃には
身体中から汗が吹き出し、意識が朦朧とし始めていた
個室を後にし、手洗い場で手と口を濯ぐ

腕時計が示す時刻はとっくに一限目の授業時刻を過ぎており、
廊下は閑散としていた

いつからこうなったのか、そんな事もう思い出せもしない
ただ、昔は普通の生活を送れていたはずなのに
それがもう貴重な体験だったかのようにすら感じてしまう

行き場を失った者は何処へ向かうべきなのか
辿り着く場所は分からないけれど、
たった一つ確かな事、
それはきっと『此処では無い何処』であるという事だ

6/22/2023, 12:50:00 PM

『日常』

それは、ありふれたもの
ごく普通に享受する何気の無い時間
気にも止まらぬ程、当たり前のようにそこに在る

故に、気付かなければならなかった
それが掛け替えのないものだという事に
平等に与えられた最高峰の幸福であったのだ、と

賽は投げられた
出来る事はその目を静かに見つめるのみ

大地に蒔かれた盆の水は元に戻る事は決して無い

失った「日常」は二度と戻らない

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