『1年前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『1年前』
今日、私、山口智恵子は死んだ。
こんなはずではなかったのに。
一年前、のその日は会社の入社式だった。
何社も受けたけれど、一番入りたい会社だったから期待と緊張で胸をときめかせていた。
同期に、岡田絵里香という女性がいた。
ちょっと、他の社員と雰囲気が違っていた。
彼女の場合、比較的楽な仕事を与えられ、ちゃんとやってなくても係長も課長も何も言わなかった。
どうやらこの会社の社長の娘らしいとわかった。
そうして彼女は、私にも自分の仕事を強制的に押しつけて来た。
みんな、周りの社員は知っていても、見ないふりをしていた。
誰も助けてくれなかった。
簡単な仕事だったから、少しがんばればできる程度だった。
そのうち、会社の社員旅行があった。私は参加する予定で楽しみにしていた。
すると岡田絵里香も参加するという。
陰ではみんな嫌がったがそんなことは言えず、黙っていた。
三泊四日の旅行だった。
そしてその旅行中、ふとした事から経理課の西村俊彦という二歳年上の社員と仲良くなった。
きっかけは、夜の食事というか宴会だった。座る場所を番号を引いて決めるのだ。
それで、たまたま隣同士になったのが彼だった。
話してみると同じ県の出身である事がわかり、そこの場所独特の方言や食べ物の話で盛り上がった。
何を話しても、彼と話すと楽しかった。お酒が入っている事もあり、同じ県なんてすごい偶然が重なり、私と西村俊彦は急速に仲良くなった。
旅行中は自由行動は、彼と一緒に行動し、写真を撮ったり食事をしたり、お土産屋さんに入ったり、何をしても楽しかった。
彼といると、とても気が楽で自分らしくいられるのだ。
それを言うと、俺もそうだよ、と言ってくれて、私は彼に惹かれていき、自然に帰ってからも付き合うようになった。
普段のデートの時は、私は俊くんと呼び、彼は私を、智恵と呼んだ。
ある休日、俊くんと観たいと思っていた映画に行った。思った以上に楽しい映画でとても楽しかった。
すると、二人でいる所をたまたま岡田絵里香に見られた。
ばったり町で出会ったのだ。
何か私は嫌な予感がした。
俊くんは、別に悪いことをしてる訳じゃないんだから、あまり気にしないでいようよ、と言ってくれた。
すると、しばらくするとデートの時、俊くんが「参ったよ、岡田絵里香さんが二人で一緒に出かけようと誘ってきて、すごいんだよ」と、困った顔をしていた。「彼女、何なの?みんな遠慮してるみたいだし」と言った。
そうか、経理課までは細かい話はいってないんだ、と思い「なんでも聞いた話だと、社長の娘らしいよ。私、同期だったんだけどろくに仕事しなくても、係長も課長もなーんにも言わないんだもの」と言うと、「うわ〜!そういう人か!それは困ったな」と言っていた。
「俊くん、どうするの?」と聞く私に「それは、自分には、もう彼女がいるから、って断るよ、今度は」と言ったけれど、なんだか不安感が夏の積乱雲の様にむくむくと膨らみ、何か悪いことが起こるのではないか、と嫌な気持ちがして仕方がなかった。
そんなある日、お昼休みに、トイレで岡田絵里香と一緒になった。
もう取り巻きも何人か作り、いつも女性同士、四人くらいで行動していたのだった。
トイレの入り口に一人が見張りで立ち、他の二人は岡田絵里香と一緒に、私を囲むように立ち、彼女が「ねえ、山口さん、あなた経理課の西村俊彦さんとつきあってるのよね?」と言うので、社内でもけっこう知ってる人がいたので私は「ええ」と言った。
すると彼女はまるでハンカチを貸してくれない?とでも言うような気軽さで「彼と別れて」と言った。
私は、突然の話でついていけず「はい?」と言った。すると取り巻きの一人が「鈍い子ね、絵里香さんは、彼と別れろって言っているのよ」と強い口調で言う。
滅茶苦茶な話ではないか、そう思うと、腹が立った。
なので私は「私が誰と付き合おうと私の自由なはずです。すみませんがお断りします」と言うと、何故か妙に含みのある言い方で、「そう?本当にいいのね?」と言って取り巻きと出て行った。はぁっと、緊張から解けたことで思わずため息が出た。
その時は、とても嫌な気分だったが、俊くんに言っても困られるだけだから言わずにいた。
デートの時、俊くんが「智恵が入社してきてもうすぐ一年だね」と言われた。私は仕事と、岡田絵里香の事で、うっかり忘れていた。
「あ!そうだね、もうすぐ一年だ」と言うと、くっくっと笑ってから
「そんな大事なこと忘れてるなんて智恵らしいな」と言った。
トイレの時の話はしてない。
彼も不快な気分になるだろうから。
「一周年のお祝いをしようね」と言ってくれた。
とても嬉しかったし、幸せだった。
でも、その時私は彼女とのことを軽く考えすぎていた。
三月近くになると、経理課はとても忙しくなる。なかなかデートの日も取れないくらいだった。
なので、夜遅くに電話で話をよくしていた。
そんなある日、経理課で大問題が発生した。金庫のお金が百万円足りないのだ。経理課の人間なら誰でも金庫は開け閉め出来る。経理課のみんなの机はもちろん、私物やロッカーまで調べられた。見つからない。このままでは済まない。
そこへふらりと岡田絵里香がやって来た。
「なあに?これはなんの騒ぎ?」と言い、本来は部外者であるはずの彼女に、経理課の課長が苦しそうに、実は、と話した。
すると彼女は真っ直ぐに、西村俊彦を見て、「西村さん、あなた、庶務課の誰かと付き合ってたわよねえ」と言った。課長は西村俊彦に「それは本当か」と言った。彼は「はい、つきあってはいますが、それとこれは全然関係ないのでは?」と言った。
が、岡田絵里香が「誰かさんが、この間買い物をしすぎてお金が足りないって言ってたわよね」と言うと課長が「西村、誰とつきあっているんだ、その子にお金をお前が渡したのか?」と言われ、やられた!、と思った。
「西村、誰とつきあっているんだ!」と課長に強く言われ、しかたなく「そこの岡田絵里香さんと同じ、庶務課の山口智恵子です」と言った。そして「でも自分は彼女にお金など渡していません!」と言ったが、課長は部下を何人か連れて庶務課に急いだ。
私はいつも通り仕事をしていると、急に騒がしくなった。経理課の課長が部下を連れ、私を見ながら言ったのだ。
「庶務課長、経理課の金庫のお金が百万円足りず、居合わせた岡田絵里香さんの話では、山口智恵子さんがつきあっている、うちの課の西村俊彦から受け取った、と。探させてもらってもよろしいですね?」
私達はザワザワとして、みんな、同じ事を考えていた。
私は事態が飲み込めずにぼうっとしていた。すると、経理課長が「机から離れなさい」と言い、私の私物も入っている机を徹底的に調べた。
無いとわかると、うちの課の課長に「彼女のロッカーも探したいので同行してもらえますか」と言った。
「君もだ」と私を見て言われ、ようやく私は事態を呑み込めた。
いくらでも探せばいい。そんなお金、私は知らないし、今朝もロッカーを使ったのだ。そんな物はなかった。
しかし、庶務課の課長が私のロッカーを開けると、経理課長が私のバッグを掴みだし、その中を調べ始めるとすぐに、百万円の束を出してきた。
庶務課の課長が「山口くん、君は」と顔色を変えている。
一番驚いたのは私だ。
だってそんなお金、全然知らないのだから。
「わ、私、そんなお金知りません!取ってなんかいません!」と言ったが、「じゃあ、なぜ君のバッグから出てきたんだ!」と言われ言葉を失った。そうか、岡田絵里香だ!
でも、証拠が、ない。
庶務課の人達が、私を気の毒そうに見ている。
みんな、岡田絵里香がやったのだと確信している。
でも、何も言えない。
私は仕事から外され、庶務課の課長に会議室に連れて行かれた。
経理課では課長が戻ってくるなり「岡田絵里香さんの言うとおり、山口智恵子のバッグから出てきました」と岡田絵里香に言った。
すると、岡田絵里香は「課長、ちょっと」と隅に呼び、しばらく何かを話していた。課長はうなずき、ハンカチを出し、額の汗を拭いた。
西村俊彦は智恵が心配だった。
岡田絵里香がやったのはわかっている。でも、何故、智恵を悪者に?
すると、経理課長がみんなに「みんな、これはここだけの話だ。聞いたら忘れてほしい」と言い、実は西村俊彦は岡田絵里香とつきあっていたが、山口智恵子が岡田絵里香の事をあることない事、横恋慕してきて西村俊彦に告げ口をした。
自分には目もくれないとわかった山口智恵子は、嫉妬に狂い、自分もろとも西村俊彦も陥れたのだ。だから西村俊彦は悪くない。今まで通り仕事をしてもらう。
そんな話は経理課のみんなは聞きながら、嘘だとわかっていた。課長だってわかっているはずだ。
だって、さっき、西村俊彦が自分は山口智恵子とつきあっていると言ったではないか。でも、西村俊彦に目をつけた岡田絵里香が、彼から山口智恵子を引き離す為に、自作自演をしたのだ。
社長の娘なら、金庫の番号を知っていてもおかしくない。
可哀想な、山口智恵子。
西村俊彦も気の毒だ。無理やり自分の彼女に罪を着せられたのだから。
西村俊彦は体の力が抜けていくのがわかった。
なんてことだ!よりによって智恵にそんな罪を着せて。
でも、証拠がない。嘘だとわかっていながらどうしようもできない。
会議室に連れて行かれた智恵子は、完全にはめられたのを悟っていた。
トイレでの、あの会話は、こういう事だったのか。
何を言っても、もう無駄だと思った。
そこに、経理課長と岡田絵里香が入ってきた。庶務課長が立ち上がり、お辞儀をする。
すると、経理課長がおもむろに言った。
「社長に伺ったら、この件は絵里香さんに任せるとの事だ。本当なら横領罪で刑事告訴する所を絵里香さんの寛容なお心で解雇処分だけで済んだ。庶務課長もお咎め無しだ」と言うと、庶務課長がはぁーっと安堵のため息をついたのが聞こえた。
それはそうだ。みんな我が身がかわいい。ましてや、家族がいたら尚更だ。
私は、一つ、とても気になっていたことを聞いた。
「あの、西村俊彦さんは、罪になるのでしょうか」
すると、経理課長が突き放すように「西村は悪くない。それは君が一番わかっているだろう」
私は、ものすごくほっとした。
良かった。彼はまぬがれたんだ。
でもきっと、岡田絵里香とこれからつきあっていかなくてはいけないだろうけれど。
私はその日のうちに解雇処分になった。
職と恋人と同時に失った。
これでどこの会社も雇ってくれはしない。
だって、前職のここに問い合わせれば、横領で解雇処分になったのだから。
生きていく気が、なくなった。
すべてがどうでもよくなった。
岡田絵里香に目をつけられた時から、こうなる運命だったのだ。
死のうかな、と思った。
線路に向かって歩いていく。歩きながら、奇しくも一年前の明日、入社式があったんだ、と気がついた。
楽しかったな、この一年。
さようなら、俊くん。
いつも優しくて楽しかったよ。
パァー!っと遠くで電車の音がする。
特急列車だ。
ここは、駅と駅の間なのでスピードは出したままだ。
線路の前まで来ると、ためらわず飛び込んだ。
翌日、入社式が行われていた。
新しく入った者たちはみな、期待と緊張で胸をときめかせていた。
1年前、俺は殺された。
それからずっとこの世を彷徨っている。
最近、家族に会った。
元気そうでよかったよ。
俺はある子を愛していたんだ。
その子は他の男の人と歩いているところを見たよ。
元気そうで、楽しそうで良かった。
いつから付き合い始めたのかな。
俺のことは忘れてないかな。
あ、でも幸せになって欲しいから、俺のことは忘れてね。
もう俺には思い残すことなどないよ。
それじゃあね、世界。
上から見守ってるからね。
お元気で。
70テーマ【1年前】
「5月8日のお題が、たしか『一年後』だった」
1年前の6月17日って、俺、何してたっけ。去年の行動内容をスマホに溜め込んだ写真やスクリーンショットに求めようとした某所在住物書き。
サ終したアプリや消し飛んだ課金額に思いが動いて切なくなり、過去発掘は5分で終了した。
「『今日から数えて』1年前だったら、2023年6月17日のハナシだが、『〇〇を実行する』1年前、とかならずっと昔のハナシも書けるんよな」
たとえば「ガチャ爆死する1年前」とか。「大量課金する1年前」とか。……とか。
「……あれ。おかしいな。涙が止まらねぇや」
その日物書きが金銭の話をすることは以降無かった。
――――――
6月半ばの都内某所。夜のあるアパートの一室。
人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が、茶香炉焚いたぼっちの部屋で、スマホの画面をじっと見て、ため息をついている。
画面には、数十分前に実家から送られてきた、故郷近隣の祭風景。シャッター街と、さして人の入らぬ観光施設が、かつての賑わいを吹き返す数時間。
1年前より更に数の増えた感がある、露店と、見物客と、なによりおそらく、祭参加者の笑顔であった。
これが終わって、ようやく捻くれ者の故郷の春は完全に終わり、初夏が来る。
東京より短い夏が。風吹き花爆ぜる夏が。
捻くれ者は、職場の後輩にその画像を、ようやく届いた故郷の初夏を、共有しようと画策して、
送るメッセージを編集し終えた直前に、悲しき思い出に待ったをかけられ、苦悩し、悶々が続いて数十分。
吐いたため息は10を超えた。
(送るな。やめておけ)
それは昔から人間嫌いだった捻くれ者の、遅い遅い初恋と、いわゆるよくある黒歴史。失恋のエピソード。
(独り善がりだ。どうせ、どうせ)
都会と社会の悪意に揉まれ、折れそうになった時、確かに自分の心を支え、魂を助けてくれた筈のひとに、高く持ち上げられ、初速度つけて落とされた数年前。
「連休あなたの故郷に二人っきりで行ってみたいかも」と言うから、早速二人のぼっち旅のため、向こうの料理を店を花の状況を調べていた矢先、見つけてしまったそのひとの、呟きアプリの裏アカウント。
「あいつあたまおかしい」。
捻くれ者は連絡手段をすべて絶ち、部屋を引き払い、職場も居住区も全部変えて、今の場所に辿り着いた。
(まだ敵ではないだけで。何かが変われば。何かを、崩してしまったら。あいつだって)
人間など敵だ。あるいは「まだ」敵でないかだ。
でももしどこかの片隅に、まだひとつ希望があって、もう一度誰かと心から、笑い合うことができたら?
もしもう一度、平坦な心に暖かい風を吹かせて、波を立たせ花を咲かせることができたら?
(もし、もう一度、……もう一度、だけ)
心を寄せては、動かしてはいけない。それは己の、頭おかしい妄想でしかない。捻くれ者はズルズル、人の悪意と良心と己の諦めの悪さを思いながら、
(もういちどだけ、ひとを、しんじつづけられたら)
二人のぼっち旅の傷の、その先を空想に思い描き、画像共有のメッセージを送るそのボタンを、
(やめろ。駄目だ)
基本ヘタレなので、結局タップできず、メッセージを全部消し電源も落としてスマホをベッドへ放った。
1年前の今日、私は今この隣にいる人とある勝負をした。
“先に恋人作った方が勝ち!″
私にはそんなの無理だった。だって私には好きな人がいてそれは、、この人で、、。
『できてないね』
「う、うん、、、」
(い、、いおうかな、、好きって、、)
『、、、勝負ふきかけたのは俺なんだけどさ、』
「え、お、うん、ん?」
『無理な話だったんだよね、』
「へ?」
『だって、俺、、俺が好きなの、、お前、、だし。』
顔を真っ赤にしていうもんだから、
こっちも、、あつくなる。
『なんか、、言って、、よ』
「わ、私も、、好き。」
『え、』
「勝負しよって言われた時から無理って思ってた、、ずっと、。
ずっと、、前から好きだったから、、」
『、、、、それはなんか、わ、、悪かった。』
私に近づき手をとって
『1年、いや、すごい時間かかったけど、変な勝負してごめん。
大事にする、、だから付き合ってほしい。
好きだ。』
「うん。謝らないで。、、私も好き。
よろしくお願いします、、」
『と、とりあえず、、、、
ご、ご飯にでも、、行こう、か?照』
なんか甘い甘い時間がやってきました。______
1年前
男は1年前の過去に行けることが出来るようになった。
1年前の過去。
妻から離婚を言い渡される1ヶ月前。
男は良き夫となるように努めた。
妻と過ごす時間を増やし、今までしなかった家事や料理をするようになった。
それでも妻から離婚を言い渡された。
あなたと過ごす時間が苦痛だった。
私の都合も気持ちもあなたには関係なかった。
あなたはいつも自分のことばかりで、私のために何かをしてくれることはなかった。
男は身勝手だった。
良き夫を演じようとしたのも、妻と離れたくないという自分の気持ちだけだった。
そんな浅はかさを妻は見抜いていた。
結局、男は離婚を言い渡された。
二度目の絶望は、男のすべてを打ちのめした。
恋愛成就ののぼりを見た君は複雑な表情を浮かべた。二人で神社なんて初めてのことだった。戸惑いを隠せない君を盗み見するのはちょっと楽しい。僕が神社に行こうと言ったのが意外だったとか、今の関係に何か不満があるのかとか、すごく悩んでいる。何度も躊躇った挙句、口を開いたのは拝殿に到着しようという頃だ。「……神様にお願いする前に、まず私に言って欲しいんだけど」
僕は小さく笑った。率直な言葉が君らしいと思った。
「わかってるよ。これはお礼参り」
「お礼参り?」
「1年前、君と出会えるようここでお願いしたからね」
「……そういうのは先に言って」
叩こうとする君の手をひょいと避けて、僕は手を合わせる。パタパタと足音が隣に並ぶ。1年前と違うのは、隣に君が立っていることだ。
僕は心の中で感謝し、末永い未来を誓う。
一年前
アタシの推しが燃えた。
いや、厳密には元推しというべきか。
女性関係だとかはどうでもよくて、それを受けてへらへらしてるような元推しのことが許せなかった。
そのうち存在自体が肯定できなくなり、アタシは好きだった時の自分を抹殺したくなり全てをシャットアウトさせて泣いた。
わかってる。
勝手に幻滅したのはアタシ。
推しは悪くないのだ。
あれから一年。
アタシは新たな推しを見つけたりして忙しくしつつも少しずつ立ち上がり、今日一日一日を生きている。
元推しは何事もなかったかのようにへらへらしていて、許せないこともあるけど、今はもうどうでもいいかな。
まさに今、
絶望している君へ
全て大丈夫になるから、
今のうちに存分に絶望しましょう
どうせ生きてる間は不安とも絶望とも
縁を切ることは出来ないのだから
仲良く手を繋いで黄泉の国まで一緒に行きましょう
恋人繋ぎも素敵だけど、
手汗かいちゃうから時には緩くほどいてね
1年前の絶望は1年後の糧となり
今の絶望は明日の私の優しさを作ります
君のすべてを素直に認め、許容してあげて
どうか君が
今この瞬間に幸せであることを祈ります
題名1年前
みんなは1年前の自分って覚えてる?
わたしはあんまり覚えてないわたしは興味のないことは
言われてもすぐに忘れちゃう。
けど興味のあることは覚えてるなんでなんだろう?
みんなはこうゆうことってある?
1年前、
1年分、新しかった、若かった、知らなかった
1年前、
1年分、好きだった、知らなかった、ときめいていた
1年前、1年分、未来は続いていた
高校受験
それは人生の中で初めて、
自分で決める事のできる大きな選択。
周りの皆は自分の実力にあった、
自分の行きたいと思った高校にそれぞれ進んだ。
でも、私は違った。
父と母は昔から私の為に色々してくれていた。
自分のしたい事を言う前に、
親からの"期待"が私にとっては重荷だった。
私の為にいっぱい働いて、お金を貯めて。
どれも私の為に、自分達よりも優先的に使っていた。
いい所の塾にも通わせてくれた。
小学校も私立に通わせてくれた。
だから高校も、期待に応えていい所に行かないと。
なんて気持ちで受けた受験は合格。
そして私は今、高校二年生。
あれから親は私の事を自慢に思ってくれている。
そしてどんどん、私の心への重荷は増えていった。
『期待に応えなくちゃ』
応えれなくて、失望でもされたら私は...
これから先、何もできないだろう。
お題〚1年前〛
「1年前」
小さな鉢植えから始まった僕のインドアガーデンは、
今はささやかな森のよう。
植物にまるで興味のなかった1年前の僕は、
今の僕を見てどう思うかな。
今後のこともいろいろ計画しているんだ。
1年後が楽しみだよ。
1年前
わたしは
お花畑の美容院を
まだ
知らなかった
ちょうど一年前、私は不安障害になった
人生で初めての出来事。
ショックというより、
やっぱりのほうがしっくりくる。
今の職場に勤めて1年になる。初めは軽い気持ちで働きはじめた自分が馬鹿だ
仕事内容はかなりハードで
すべてのミスも許されない環境
その状況に体が追いつかなかった。
働くということは、責任がつきものだと思い知りました。
自分でできることとできないことをしっかり分けて業務にとりかからないと身も心もボロボロになると知り貴重な経験だと思うことにした。
ネットで知り合った人とほぼ毎日連絡取り合ったり、2週間に一度くらいご飯食べに行ったりして、そこでのしょーもないやり取りが楽しかったし、おもしろかった。
リアルでは公私共にあれこれ大変すぎた時期でもあったから、現実逃避なような毎日だったな。
ちょうど一年前、私は彼とふたり家族だった。
今は別のひととふたり家族。
一年間って、長いようで、早いようで、何とも絶妙だ。
例えば彼がいなくなってしまったことはまるで昨日の出来事みたいに胸を苛むのに、一昨日の朝ごはんに何を作ったかなんてそんなことは思い出せないのだから。
窓から射し込む朝の光に目を細めていると、ぱしん!と頬を叩かれる。眉を寄せてゆっくり体を起こした。
「んー⋯⋯まぁ!」
「もう、叩かないでってば」
彼そっくりのくせっ毛を直してやって、よいしょっと掛け声をつけて抱き上げる。随分と重くなった。
一年前は影も形も無かった癖に。
「朝ごはんは何にしようかなー」
「ぱぁ、あぶー」
とりあえず。彼のことを忘れるのには、一年じゃあまだ足りないみたいだ。
死にたいと思っていた1年前
もう少しだけ…
もう少しだけ…
そう思いながら生きて今があるよ
盲目だったが、青がここまで連れてきてくれた。
過ぎ去る時に自覚なし、
だが事実はそこにあって紛れもない(自己の中の)史実
1年前、4月新しい新居で感謝でいっぱいのはずなのにどこか足りない気持ちがあった。可愛くなってまた会いたいと考えてしまっていた。また、卒業して図書館司書の資格取り、本部勤務就職する事が目的だったのに、恋にうつつをぬかして失敗してしまった。6月遊びすぎた髪の毛よりも健康のことを考えるべきだった、食べてるものも高カロリーだった。
7月占いに引き寄せられていた、これからは後ろを振り向かず、退職の事だけ考える。一般職の事を考えるのは本部勤務がしっかり終わってからの事。来年2024年度3月に本部勤務合宿に行く為に一生懸命ひのきしんに取り組む。合宿では、朝早く起きてトイレ掃除をしよう。絶対落とされたくない。
ポジティブに頑張っていこう。
※この物語はメリーバッドエンドです。苦手な方や不快な方は回れ右してください。
お題「1年前」
「僕たちはこれが幸せだった。」
とある暑い夏の日。
1人の幼なじみがそう言った。
そして1年が経った今彼女と彼はもう居ない。
あれは1年ほど前の夏だった。
「千夏〜遊びに来たよ」
「あ!深春!」
「あ、深春やほ」
「秋人、千夏こんばんは」
病室に入り幼なじみの千夏と秋人に挨拶をする。
ベッドに横たわる彼女は手を伸ばしプリン!とドヤ顔をしながら言い放つ。
「はいはい笑」
箱から2つプリンを取り出し千夏と秋人に手渡す。
「プリンだぁ!!」
「僕まで良いのかい?」
「もちろん」
「ありがとう」
はしゃぎながらも、美味しいと食べ続ける彼女に笑みがこぼれる。
「ほら千夏口元付いてるよ」
「んぁ、ありがと秋人」
2人の世界に入り込んだ所を見守りながら病室を後にした。
そしていつもの様に次の日も病室へ行く。
だが、そこに居たのは白い布を顔に乗せて横たわっている千夏と泣きながら彼女に呼びかける秋人。
プリンの入った箱が、手から滑り降ちる。
「ち、なつ、、?」
「ぁ、み、はる、」
涙でぐちゃぐちゃな顔で振り向き私の名前を呼ぶ彼。
私は静かに千夏に近づく。
「ち、なつ、、?嘘、よね、?」
肌は青白く冷たい。
「ねぇ、昨日はあんなに元気だったじゃない、なんでなの、?」
「深春、嘘じゃ、ないんだ、」
泣きながらボソボソと喋っている彼は心做しか震えていた。
「いやよ、、いやぁ!!ちなつぅぅ!!」
泣きじゃくって千夏の身体にしがみつく。
「僕たちはこれが幸せだったんだ。」
秋人は窓から身を乗り出し飛び降りた。
「あき、ひと、?」
そして残ったのは私一人のみ。
体が強張り動かない。
何故なのか、幼なじみが2人死んだ。
そして騒ぎを聞きつけ医者や看護師が病室に入ってくる。
「大丈夫ですか!?」
「、、あああああああああああぁぁぁ!!」
私は狂った。
そして1年が経った今、2人の元へ旅立つ。
「これが私たちの幸せだね」
私は笑いながら飛び降りた。
そして死後の世界で2人とずっと幸せに、、。
「前世は幸せでした」
3人口を揃えそう呟いた。