『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
1件のLINEが来た。
私は覚悟をしてそのスマホ画面を覗き込む
……………………………公式の通知だった。
私は役者を目指して早5年。
様々なオーディションを受け、その度に
「お前の代わりなど山ほどいる。とっとと帰れ」
と追い払われた。
《ピロリン♪》
と、また通知が来る。
どうせまた公式からだろう。
最古参で無名の頃から推している歌い手グループがあるのだ。
…まぁ、それじゃあなかったら、また不合格の文面が連なるだけなのだろう。
はぁ、とクソでかいため息を吐いてスマホを見る。
《この度は、シオリ演劇部のオーディションに参加していただきありがとうございます。
るる様の合否確認は下のURLからご確認ください。》
珍しいパターンだな、と思いながらURLをダウンロードする。
合格
その文字を見たとき、自分の目を疑った。
何度も見直すが合格の文字は消えない。
倍率を見る。
定員50人
応募人数1万人超え
倍率100倍
…私は、合格した50人の中では最下位だった。
だけど、1000件以上不合格判定を受けていた私にとって、これは喜ばしいことであった。
それから3年。
シオリ演劇部は今や日本を超え、海外進出をしている。YouTubeのチャンネル登録者数は200万人超え。
その中で私は、20歳の若きエースとして、シオリ演劇部を引っ張っている。
そして、今日も私はみんなに劇を披露する。
「私は!絶対にあきらめない!どんなに馬鹿にされても!私の夢は…私が決めるんだ!何度挫折しても…何度罵倒されても…絶対に諦めない!
諦らめなければいつかは夢が叶うから!」
いつか、夢は叶う。
頑張ってさえいれば、夢は叶う。
あの1件のLINEで、私の人生は180度回転した。
だから、私は
これからも諦めずに生きていく。
「一件のLINE」
LINEを使わなくなって久しい。婆々なので使わなくても老人だから許してもらえるだろう。LINEに限らずSNSは一切使っていない。先日、テレビで私と同じ老人をみつけた。アップルの創業者の一人である、スティーブ・ウォズニアックだ。かの老人も私と同じ懸念を抱いていた。SNSを駆使することで大衆心理を誘導する事が可能になる。私と同じように一切使っていないので、私だけではないと安心した。
いまの若い人がSNSを使わずに生活できるはずもない。しかし、相手の価値観を何の疑問もなく受け入れているばかりでは、失うのは自己のアイデンティティである。よく考えて欲しい。私とは何者なのか。
世界経済はグローバル化し価値観は多様化している。この世界が日々刻々と変化し続けていくなかで、正しい答えなどない。前にも発した言葉だが、あるのは、その瞬間にある最善だけなのだ。その最善すら、良い方向に向かうのか、わからないまま前に進まねばならない時代なのだ。
若者達よ心せよ。あなたが唯一無二の何かを創るのだ。しかし伝統的文化を継承する役目を担う人も必要になる。個々人の人生も多様化せねばならない。
いまはその気になれば、いくらでも勉強できる。自分が目指すべき道があるはずだ。その夢が叶うかどうかはわからない。私は絶望のさらに向こうの虚無も経験した。けれど神は私の使命を思い出させてくれた。死んで生まれ変わっても私の使命は消えない。
SNSを使う時は自分自身を見失わないように気をつけて欲しい。そして、少しばかり心理的に距離を持つことだ。難しい場合には、使わないのも個人の自由だ。
あとがき
お風呂から出てきた夫がスティーブ・ウォズニアックの事を調べてくれた。動物を救う動画を見るために、Tik Tokは利用していた。動物好きも一緒だった。
SNSにかなり否定的な内容になった。すでに生活の一部となっている方が大多数に違いない。客観的に見て、マイノリティな意見である。
その一件のLINEは、今も私のスマホの中にある。彼がもう、この世にいない者たちの仲間になったとしても。
プロフィール写真が消えた今になっても、私が存在する限り、彼は存在する。
彼の肌の温もり、汗ばむ肌、声、軽やかな足さばき…私はいつでも目の前に彼を再生できる。
そして、今夜も永久に既読がつくことのないメッセージを眺めている。
【一件のLINE】
僕のLINE友達は
お世辞にも多いとは言えない
ほとんどは数年以上動かしていないので
一件のLINEに一喜一憂することも少ない
それでも
今トークにある数少ない友達との
ほどよい距離感に
なんとも言えない心地よさを感じているので
割とお腹いっぱいだ
公式ラインか、さっきまで連絡をとりあってた、友人からの返事。
ずっーと
消せずにいる…
大好きなヤツからの
LINE
今でも
とってあるとよ
たまに思い出したくなる時にね
そっと開くんだぁ
梅茶々
1件のLINE
ピコンッ、
「…はぁ、今度は…何なの…」
私は、最近知らない人からLINEがよく来る。
警察にも話したが、なかなか信じてもらえない。
証拠あるのになあ。
怖いが、恐る恐るスマホととると、
ピコンッピコンッピコンッピコンッピコンッピコンッ
ガタンッ
「きゃぁ!?」
急にたくさん来た。
驚いた反応でスマホを落としてしまった。
「割れてるかなぁ…」
そして案の定割れていた。予想通りだった。
だが、これはいいことなのでは…?
新しいスマホを買ってアイコンや名前を変えれば…
今の時刻は午前11時。スマホ屋も開いている。
「よし。」
私は晴れた気持ちで外へ出た。
ピコンッ、
彼女が出ていった後、一件のLINEが来ていた。
《今から会いに行くね♥️》
END
「おーい」
すべてはこの一件のLINEがはじまり。
数年前、同窓会を開く予定を企画していた際、
個別にLINEのやりとりをした。
初めは同窓会に関するまともな話。
だが、同級生がゆえ
年齢も40代になりプライベートな話も多少する。
私は独身で自由気ままな生活を楽しんでいる。
相手の男はバツイチになっており。
連絡を取り始めた頃、お見合いに失敗したようだ。
だからなのか この男
わたしが独身だと知って、毎日連絡してくるようになった。
その第一声が冒頭の「おーい」である。
すぐに返信しないと、鬱陶しいほどLINEがくる。
そして、通話したがる。
話の内容も、マウント取りたいだけのクソジジイに進化していく有り様。
この男
占い師に観てもらわなくてもわかる。
将来、老害になるタイプですよ。
昔ヤンキーだったからなのか
妙な自信だけは残ってて
私に向かって「俺の嫁候補な」だと(笑)
良く言えるな、今の自分を鏡で見たことあるのか❗
気味悪いオヤジが気持ち悪いこと言ってますけど❗
私の心の声は、そう叫んでいたはず。
もちろん丁重にお断りしました(笑)
その後、この男とのLINEをブロックするのは
当然のことなのでした。
おしまい
その1件のLINEで、
どれほど幸せになったことか。
送らなかったあなたには分からないことでしょう。
「1件のLINE」
一つでいい
それが
飽きる程でも
それでも
一つでいい
一つで
一人で
いい
それが私の当たり前
「私の当たり前」
1件のLINE
たった1件 友達からのLINEに心が踊る
僕は君に対して重いかもしれない
他の人にも同じことをするんだろう
普通のことなのに 君がやると僕にとっては大事件だ
誰にも言えない独占欲
ピコン
1件のLINEいつも見る画面
いつめても飽きないスマホの画面何故だろう?
ピコン
またなった、
1件のLINE
朝起きると、一件のLINEが来ていた。
「さようなら」
親友のさよちゃんから、一言だけのメッセージ。
上の方にスクロールすると、いつもの普通の会話が履歴に残っているのに、
一番下のさようならという文章は、地味に違和感を感じた。
「どうしたの?なにかあった?」
可愛いスタンプと一緒に聞いてみたが、返事がない。
どうしたんだろう。
本日のニュースです。
○○県○○市の、田中小夜ちゃん16歳が、学校の屋上から身を投げ、死亡しました。
学校側は、いじめなどは無かったと明言し__
1件のLINE
ITリテラシーが低い、そう夫に言われるわたしです。
LINEは、iPhoneで使ってたらiPadでなら同じアカウントで使用出来る‥
AndroidのタブレットはNGって知りませんでした。
AndroidのタブレットにLINE入れたら、iPhoneのLINEの履歴が消えたの!シヨツク!慌てて、タブレットのアプリはやめて、iPhoneに戻した。でも履歴は消えちゃった。
落語会を開催していた喫茶店ジルベールのママ。一昨年急逝して、残念でね‥。素敵な方でした。
ママからの1件のLINE。落語会へのお誘いの、トーク画面。消えちゃったの。ママともっとやり取りしたかったな。
わたしにとって1件のLINE、トーク画面。大切な思い出だったんです。
1件のLINE
お風呂上がり、髪の毛も乾かさずにかれこれ10分くらい、スマホの画面と睨めっこをしている。
相手になんて返事を返せばいいか悩んでいた。
普通に返せばいいと思うんだけど、その普通がなかなかできない。
深いため息を吐いて、ベッドに腰を下ろし、スマホを枕元に投げる。
「無理っ」
首にかけていたタオルで、髪の毛を乱暴に拭いていると、LINE独特の音が鳴ったので、思わず飛び上がってしまった。
慌てて枕元に投げたスマホを手に取り、画面を見る。
そこには「新着のメッセージがあります」と表示されていた。
恐る恐る開いてみると――
『既読スルーしないでよー、んでどうする? 今度の土曜日のデート』
どうするもこうするもデートしたいに決まっている。
だがしかし、毎度デートは緊張する、心臓が飛び出そうになる。
上手く喋られないし、何もないところで躓くし、服装は変じゃないか不安だし……
そんなこと考えている暇はないっ。何か返さないと、何か返さないと、何か返さないと――
『OK』
かわいいウサギが、OKと言っているスタンプを送信。
そして、即返信が返ってきた。
『OKだけじゃわからない、何時にどこに行く?』
ずっと自分の返信を待っていてくれたんだろうなぁ……即返ってきた。
そっけない文章に見えるけど、きっと画面の向こうで、腹を抱えて笑っていると思う、自分の恋人は。
また返信を返さなきゃいけないから、大変だ。電話の方が早いかな?
いや、電話は電話で緊張する。どうしたものかな――
誕生日の日に1件のLINEが来た。それは私の大好きなあの人からで、その一言の、おめでとうという言葉だけで私の心が奪われた。なぜなら、それは「君」だから、「君」にしかできないから私の心が奪われたんだよ。どうしたらこの気持ちが伝わるかなーと思いながら、私はそのメッセージに対してありがとうと返信した。かけがえのない返信でも君だから、君だからこそ、その言葉を光らせることができる。気持ちが伝わるまで、私は「いる」よ
【1件のLINE】
自室のソファにごろりと横になったまま、スマホを立ち上げる。行儀が悪いよなんて嗜める君の声が、耳の奥で響いたような気がした。
スマホの画面の中、LINEの緑色のアイコンの右上に赤いマークが主張している。一件の未読のメッセージを示すそれをつけっぱなしにして、もう一年以上になるだろうか。何度も何度も君とのトークを開こうとしては、その衝動を押し留めた。
君と積み重ねた思い出を、君と交わしたくだらないやりとりの軌跡を、辿りたいのは本当。だけどこのメッセージを読んでしまったら、私がまだ触れていない君の言葉は、この世界のどこにも無くなってしまうから。
ああ、なんて未練がましいんだろう。君がもういないこと、ちゃんと受け入れているつもりなのに。だけど君が淹れてくれる紅茶の味も、ソファでぐうたらする私に向けられる困ったような君の笑顔も、いつまで経っても懐かしくてたまらないんだ。
「好きだよ」
君が生きている間には気恥ずかしくて伝えられなかった愛の言葉を、一人きりの部屋で囁いた。一件のLINE。君の遺した最期の言葉を確かめる勇気すらない意気地なしな私を、君はどう思うのかな。
ぽろりとこぼれ落ちた涙が、スマホの画面をじわりと濡らした。
今日会いたい。と友達から、ラインが来た。その子は女子からだった。俺は、ビックリした。その子は幼なじみだった。でもどうしてかなと思った。だからその子の家にいった。そしたら、俺のことが好きってゆってきた。
千冬
「 1件のLINE 」No.17
『好きです。付き合ってください。』
私のスマホに1件の通知がきた。それは、告白のLINE。 私は、今恋愛したって将来結婚しないし、今後の黒歴史になるかもしれない。そう思っているから、なかなか相手を好きになったりできない。簡単に付き合えない。
そんなことを考えて生きていると、周りはどんどん結婚していった。
私は結婚ができない。あのようなことを考えなければ、結婚やお付き合いができたのかもしれない。
試験が終わった。
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彼女の頭の中は真っ白だった。できれば落ちて欲しい、と何処かで願っていた。だが、静かに動き出す否定の気持ちが1年、2…年後になって彼を締め付けていくのだった。
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私は性同一性障害だ。それに加えてゲイで、どうしようもなく変人だ。話すことさえ迷うし、何をやるにも工夫がいる。そのため、受験勉強だって人と同じやり方ではできない。皆はどうやって同じ年齢の人と対等な立場で話して、質問して、遊んでいるのだろう?とりあえず私は一つのパターンにのっとって話すことしかできない。だから日本語は文法で理解したし、外国語の評価は0だ。いつか普通になりたい。それが私(あなた)の願いだった。
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君はまだ気づいていない。・・・・・・多重人格であることを。 ある意味での
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…終わった。何も考えてなかった。なぜ?何もやってないよ、ねえ、ねえ…誰か
?知らない名前の人…
ふと見た一通のLINE。――貴方の恋人になりたい。
(アナタヲオトシマシタ)